保育マルシエの特徴と評判
待機児童問題を契機とし、保育士不足が社会的な問題となっています。
保育士が足りない、というのは確かに深刻な事態ですが、裏を返せば、保育士側からすると様々な求人を選べる立場にあるということです。
しかし、沢山の求人情報があったとしても、どのような方法を使えばより良い職場を見つけられるのかは迷うところですよね。
そんな時、有力な候補となるのが「保育士向け求人サイト」と「保育士専門の転職エージェント」です。
この2つはそれぞれ別々のサービスですが、一つの法人が一括して提供している場合もあります。そのような法人(業者)もいくつかありますが、今注目を浴びているのが「保育マルシェ」です。
今回は、保育士向け求人サービス「保育マルシェ」の特徴について解説します。
- 筆者プロフィール
- 名前:諏佐諒次
保育業界専門の転職エージェントに勤務
転職経験:2回
現在の年齢:29歳
今回の記事の目次
保育マルシエの概要
「保育マルシェ」は、株式会社ろくが運営している保育士向け求人サイトです。
まず、肝心の求人数ですが、「保育マルシェ」のサイト上に掲載されているものとしては600件ほどのようです。
しかし、サイトにある求人というのはあくまでも「求人広告」です。
求人はあるけど、近隣住民に給与水準などを知られたくない・・・と、情報を公開したくない園も往々にしてあります。
しかしこの「保育マルシェ」は、単なるサイト運営のみならず、人材紹介業=転職エージェントも行っています。
転職エージェントとは、各法人(園)から求人情報を収集し、仕事を求める方(保育士)に職場を斡旋することで利益を得る仕事(事業)です。
つまり、サイト上に広告として出ていなくとも、その裏に多くの求人を持っているということです。
では、その数は一体どのくらいでしょうか?
もちろんこれは厳密には出せませんが、少なくとも広告として“表”に出ている数と同程度はあると考えらえるでしょう。
つまり、全体としては、1,000以上の求人があると推測されます。
つぎに、対応地域はどうでしょうか。
サイト上に掲載されている求人は、7割以上が東京都のものです。
また、その他の地域も神奈川、埼玉、千葉がほとんどであり、つまり1都3県に集中しています。
上述のように、裏では人材紹介のために用いる求人も多く抱えていると思われますが、その地域の割合もサイト上に掲載されているほぼ同じと考えられます。
というのも、サイトを運営している株式会社ろくの所在地が東京都であるからです。
一口に保育園から求人を収集するといっても、その手続きはすなわち園との契約であり、電話口で簡単に済むようなものではありません。
つまり各園に担当者が赴き商談をする必要があるため、自ずと契約先の園も会社の所在地から移動しやすい範囲に限定されやすいといえるのです。
また、求人の傾向を見渡してみると、株式会社ポピンズや株式会社テノ・コーポレーションなど、
いわゆる業界内で大手といわれる法人が運営している求人が多いようです。
これらの会社はそもそも資金力が高いため広告の数も多いと、シンプルに考えることもできますが、こうした代表的な法人としっかりつながっているともいえます。
高齢者対応もしてるって本当?
保育マルシェは、仕事を求める高齢の保育士の方への対応もしているという口コミがあります。
これについては、サイト内などで明確な内容が示されているわけではないので、はっきりとした事実は不明瞭です。
保育業界は、子どもの世話などで体力を使う仕事なので、あまり高齢の方だと、園側としては現場の保育を任せにくいという側面は確かにあるようです。
しかし、ただでさえ保育士不足と言われているご時世ですから、どこの園も保育士資格を持った人材は貴重なのは町がありません。
また、現場が難しくても、園運営に関わる事務や、或いは園長などの重職を任せるなど、高齢の方でもいかように働き方はあります。
こうしたことはもちろん「保育マルシェ」内の転職エージェントの方々も把握しているでしょうから、高齢の方の応募を無下に扱うということは早々考えにくい、ということはいえるでしょう。
シングルマザー対応がしっかりしてるって本当?
また、「保育マルシェ」はシングルマザー対応がしっかりしているともいわれています。
これについても、サイトの中でそのような案内やサービスが打ち出されている訳ではないので、明言はできません。
しかしそのような評判が立つということは、実際にシングルマザーの保育士が、丁寧に対応をしてもらったという事実があったのでしょう。
先の高齢者についても同様ですが、特定の傾向を持つ応募者に対して特化したサービスがあるということではなく、総じて応募者への対応(転職に向けた支援)が親切なのだと考えられます。
転職活動中のフォローはどの程度ちゃんとしてるのだろう?
さて、実際に転職活動中のフォローはどうなのでしょうか?首都圏の求人に強みを持っているということからか、特に上京者向けのサポートが手厚いようです。
サイト内の情報によると、地方在住の方が首都圏の園の面接や見学に来られる際は、宿泊場所の手配などに関するアドバイスなども行っているようです。
また、実際に上京して転職をする場合は、住まい探しのアドバイスや提携不動産会社の紹介までサポートしてくれるとのこと。
これは、他の求人サイトや転職エージェントでは中々行っていない手厚いフォローと言えます。
既に首都圏在住で、住まいの近くで園を探す方はもとより、地方出身者でも安心して利用できるサービス体制が整っているようです。
そのほか特徴的なサービスについて
さて、「保育マルシェ」には、他社にはない独自のサービスも用意されているようです。
それは「法人向け海外保育研修旅行」です。これは、特に保育園を運営する法人に向けたサービスで、園に勤務する保育士向けに海外研修を実施する際に、旅程等を斡旋するという内容のようです。
今現在仕事を求めている保育士の方にとって、直接的には関係の薄いものかもしれませんが、こうしたサービスを通じて保育業界の質を向上しようという前向きな企業姿勢は評価できるものといえます。
「保育マルシェ」自体は、昨今数多く登場している保育士向け求人サイト・転職エージェントの中で、際立って大手というわけではありません。
しかしそれは現時点で、というだけの話で、上記のような独創的なサービスを拡大させて、存在感を高めていく可能性は十分にあります。
仕事を求める保育士の方は、一度利用を検討する価値はあるといえるでしょう。
この記事の筆者
名前:諏佐諒次
保険業界においてバックオフィスや営業など、様々な職種で7年間勤務。
その後、保育業界の転職エージェントを約1年間経験。
多くの保育士から転職相談を受け、よりよい職場を提供できるよう、転職理由の根本の把握に努めた。
現在は民間の教育機関の運営に携わり、主に人事関連の業務を行う日々。