保育士の転職サイトを徹底比較

保育士不足をふまえ、民間でも保育士向けの就職・転職支援サービスが日々続々と生まれています。

それらサービスの中でも、保育士になろう、あるいは別の保育園で働こうと考えている方々にとって、最も身近なものが「保育士向けの転職サイト」でしょう。

しかし転職サイトと一口にいっても、多くの種類があり、どのサイトにどういった特徴があり、どれを利用すればよいのかは、分かりかねている方が多いでしょう。

今回は、保育士向けの転職サイトの中でも、「保育コンシェル」「スマイル保育SUPPORT」「保育マルシェ」「保育ひろば」の4つを例とし、それぞれどのような強みや特徴をもつサービスなのか、徹底解説いたします。

先に結論をお示しいたしますと、一番良さそうなサイトはずばり「スマイル保育SUPPORT」です！

求人数は？

まず、転職サイトを比較するうえで最も重要な要素は「求人数」です。

他業種とくらべて相対的に労働条件が低いといわれる保育業界にあって、よりよい求人を見つけるためには多くの求人数が必要となります。

上記４サイトの求人数は、それぞれどのようになっているのでしょうか。

まず株式会社プログレートが運営する「保育コンシェル」はどうでしょうか。

残念ながら、保育コンシェルが有している正確な求人数は公開されていません。

ただし、同サイト内において、“提携している保育施設は5,000以上”とあります。

ここでいう提携施設とは、「求人があった場合に保育コンシェルを通じて人を紹介しても良い」という、いわゆる人材紹介の契約を取り交わしている園を指すものでしょう。

実際のところ、5,000ある施設のすべてにおいて“現在進行形で有効な求人”があるわけではないと考えられます。

ただし、深刻な人材不足に喘ぐ保育園の現状を鑑みると、その多くは保育士不足に悩まされているものとの想像はできます。

少なくと見積もって半分以上と考えると、保育コンシェルの保持する求人数は約3,000件程度はあると考えるられます。

次に株式会社ろくが運営している「保育マルシェ」ですが、サイト上に掲載されているものとしては600件ほどのようです。

600という数字自体に着目すると、「保育コンシェル」との比較のみでも見劣りする感は否めません。

しかし、一般に求人情報を広く世に公開することをためらう園も非常に多いので、サイトに掲載していない求人も公開している分と同等程度にあるのではないでしょうか。

それをふまえると、保育マルシェは約1,000件以上の求人情報は保有していると考えられます。

次に、大手人材会社である株式会社ネオキャリアが運営する保育士向け就職・転職支援サイト「保育ひろば」についてです。

サイト上の情報によると、日本全国に渡りなんと4万以上もの施設と連携し、豊富な種類・量の求人を保持しているとあります。

具体的に、保育ひろばのトップページには、サイト閲覧日時点での公開求人件数が常に表示・公開されています。

その暗にあによると、2017年２月時点での掲載求人数は、実に1万1千件を超えています。

これは保育ひろばが、全国各地に支社を構える株式会社ネオキャリアを運営元としているからこその大きな強みといえます。

最後に、スマイルSUPPORT保育です。

スマイルSUPPORT保育は、長谷川キャリアサポート株式会社が運営する保育士向けの求人・就職支援サイトです。

サイト上の表記によると、2017年2月時点で総求人件数は28,000件以上（うち非公開求人は17,000件程度）となっています。

これは先に紹介した保育ひろばをも大幅に上回る件数です。

サイトのトップページには「業界最大級の保育求人件数」と謳われていますが、3万弱もの求人を抱えているサイトはほかの３サイトのみならず、保育士向けの人材・メディア業界全体で見渡しても早々ありません。

以上、求人数においては、スマイルSUPPORT保育が頭一つ抜きんでいているといえるでしょう。

対応地域・雇用形態は？

つぎに、対応地域や求人における雇用形態の種類などはどうでしょうか。

まず保育マルシェですが、サイト上に掲載されている求人をカウントしてみると、少なくとも7割以上は東京都の園の求人となっています。

あとは神奈川・千葉・埼玉と続き、残りの地域は「全国」として数件があるのみのようです。

保育マルシェは、東京都を中心とした一都三県に特化しているサービスといえます。

また雇用形態についてはサイトの仕様上、明確な数値化が出来ませんが、「正社員」または「パート」いずれかで区分されている模様です。

雇用形態に関しては特に詳細な条件分けはされていないようです。

保育コンシェルについても保育マルシェとほぼ同様の状況です。

まず対応地域に関してですが、求人施設は東京・神奈川・埼玉・千葉のいわゆる1都3県でほとんどが占められているようです。

また雇用形態について、肝心の求人情報自体がサイト上で公開されていないので、これも詳しくうかがい知ることは難しいですが、サイトにおける文言から推察するに、正社員・パート・アルバイトそれぞれの求人を取り揃えているようです。

上記2サイトはいずれも対応地域が一都三県に集中していますが、実際問題として保育士不足が深刻なのも首都圏（特に東京都）のため、これは自然な状況といえます。

ただし残り2つ、スマイル保育SUPPORTと保育ひろばは対応地域の範囲・雇用形態の種類いずれも先の2サイトを大きく上回っています。

まず対応地域は、両サイトいずれも全国47都道府県に渡り、都市部だけではなく地方においても多くの求人数を誇っています。

また求人における雇用形態も、単なる正社員・パートといった区分のみならず、派遣、短期のみといった柔軟な働き方に応じる求人や、保育士以外にも幼稚園教諭や看護師などの職種の求人、あるいは企業内保育など特徴的な施設形態の求人など、様々な点において豊富な種類の求人情報を揃えています。

求人数の点でもそうですが、スマイル保育SUPPORTと保育ひろばは、情報量という点で圧倒的な強みがあるといえます。

キャリアコンサルタントによるサポート体制は？

さて最後に、キャリアコンサルタントによるサポート体制はどうでしょうか。

今回紹介する4つのサイトは、いずれも単なる求人サイトではなく、人材紹介業を行っています。

人材紹介業とは、仕事を求める方と、人材を求める法人とを結びつける（入職させる）ことで利益を得るビジネスです。

この人材紹介業において、特に求職者へアプローチする営業担当者を転職エージェントまたはキャリアコンサルタントといいます。

キャリアコンサルタントの質が低いと、せっかく豊富な求人数を誇っていても、求職者への説明やアピールが足りず、仕事を求める方にとってはみすみす良い求人情報を逃してしまうことにもなりかねません。

このキャリアコンサルタントによるサービスの内容という点について、まず保育ひろばと保育コンシェルに関しては、詳細がうかがえるような情報は公開されていませんでした。

次に保育マルシェですが、地方の方が都内などへの状況を伴う転職などについては宿泊先のホテルの案内など、キャリアコンサルタントが手厚いサポートを行っているようです。

これはもっぱら、保育マルシェの求人自体が首都圏に集中しているという点によるのでしょうが、地方出身者にとっては嬉しいサービスといえるでしょう。

そしてスマイル保育SUPPORTですが、何と保育士や幼稚園教諭といった保育業務経験者がキャリアコンサルタントを務めているようです。

業界出身者であれば、もちろん保育の仕事を求める方の気持ちや、それぞれのニーズなども適切に把握できるでしょうから、より的確な就職支援が行える可能性が極めて高いです。

スマイル保育SUPPORTのすべてのキャリアコンサルタントが保育業務経験者ではないようですが、少なくともそのようなコンサルタントがいるということは、保育業務の実態等に関する情報共有は社員間で間違いなく行っていることでしょう。

これは、保育業務未経験の方が保育の仕事を探すうえでも、非常に心強いサポートが期待できるといえます。

以上、4サイトの比較を行いましたが、情報量やキャリアコンサルタントに期待できるサービスの質という点では、「スマイル保育SUPPORT」が有力と考えられます。

しかし、対応地域が狭まっていも、そのエリア内における園と非常に緊密な連携をとっていることも考えられますので、他の3サイトも利用価値は十分にあるでしょう。

今まさに保育の仕事を探しているという方であれば、今回の情報を参考にしていただき、気になるサイトをぜひ複数利用してみてください。