【転職エージェントが語る】フリーター・アルバイトからの正社員転職
正社員になることを目指しているほとんどのフリーターに、以下の事柄が共通しています。
- 早く正社員になりたいと、焦っている
- 正社員になる自信が無い
特に長くフリーターを続けていると、「アルバイト生活が長すぎて職歴なしでは、採用されないんじゃないか」と不安になってしまうものです。
しかし、このように自信が無い状態で企業の面接を受けても、良い結果は出にくいです。
面接では、自信を持っている人の方が採用されやすいからです。
フリーター生活が長くても正社員になった人はいくらでもいます。
今回は、実際に私が担当した、フリーターから正社員になった4人の努力や対策を紹介していきます。
なお、「ニートの就職・転職について紹介」の記事と重複する部分も多いので、同時に参考にしていただければと思います。
職場の正社員と積極的にコミュニケーションを取る
アルバイトやパート社員として働いている今の職場に、仕事ができる正社員の人はいますか?
もし、いるならば積極的にコミュニケーションを取って、仕事を教えてもらうことをおすすめします。
職場の先輩と積極的にコミュニケーションを取ると、次のようなメリットがあります。
仕事を覚えてステップアップできる
今のアルバイト先で正社員登用を目指していたAさんはただ仕事を頑張るだけではなく、とにかく職場の正社員の人たちと多く関わることで正社員の座を得ました。
職場の正社員たちと深くかかわることで、次のようなメリットがあったと言います。
- アルバイトでは任されなかった正社員の仕事を覚えることができる
- あなたのことを正社員たちによく知ってもらう事で、受け入れられやすくなる
- 正社員になるために必要な情報を手に入れやすい
- 目指す正社員の姿が見えてくる
このように、正社員の人たちと積極的に関わると良いことだらけなのです。特に、正社員と仲良くなることでスムーズに正社員になる道が開けたと、Aさんは思ったそうです。
もし今の職場で正社員登用を目指しているなら、社内の正社員の人に積極的に関わっていくべきです。
相談相手ができる
アルバイトを続けながらの転職活動では、忙しくて社内の人たちと仲良くするどころではないかもしれません。今の職場で正社員登用を考えていない場合は、無理して仲良くすることはないでしょう。
でも、仕事中にコミュニケーションを取る機会があるのなら、「人生の先輩たち」の話を聞くことはとてもためになるのでおすすめします。
もし親身になってくれる人がいれば、「正社員になりたい」という相談に乗ってくれるかもしれません。
フリーターの場合に限らず、転職活動中に応援してくれる人がいるのはとても重要なことです。
普通、転職活動は1人で行うのでほとんどの人が周りに相談できる人がいないのですが、実は転職活動では孤独になることが一番良くないのです。
どんなに意志の強い人でも、面接というアウェーの場で意地悪い質問をされたり、不採用が続いたりすると落ち込んでしまうものです。
そんな時に1人で考え込んでしまうとますます落ち込んでしまい、「もう採用されることはないのではないか」などと良くない方向に考えてしまいます。
でも、フリーターの場合は職場に行けば人に会うことができます。じっくりと相談に乗ってもらえなくても、人と話す事で気分転換にはなるでしょう。
もしかしたら、「自分もアルバイトから頑張って正社員になったんだよ」という人から貴重な体験談を聞けるかもしれません。
目上の人と接する時のマナーを学ぶことができる
「面接の場でどうも緊張してしまう」という人は、職場にいる正社員や年上の社員など目上の人と積極的に接してみましょう。
特に、今まであまり目上の人と接する時の態度について考えたことが無かった人は、目上の人と接する時のマナーを学ぶチャンスです。
積極的に仕事を教えてもらったり、話しかけたりしてみましょう。ビジネスマナーはただ本やネットなどの情報を読んで覚えても、身につきません。実際にやってみないと体で覚えることができないのです。
あなたの職場には、「いつもむっつりしていて怖そうな人」や「仕事に厳しい人」はいませんか?
あなたがいつも「苦手だな・・・」と思っていて話しかけたことなどなかったら、勇気を出して関わるようにしてみましょう。
面接で初めて会う怖そうな面接官と話すための訓練になるかもしれません。また、苦手な敬語を使う練習にもなります。このように、さまざまな人とコミュニケーションを取ることは、ためになることばかりなのです。
転職エージェントをとことん利用する
転職先を探す際には、転職サイトを活用している人が多いと思います。
そして、さらにおすすめなのが転職エージェントを利用することです。
転職エージェントを利用すれば、無料で転職のプロである担当者がついて、さまざまなサポートをしてくれます。
アルバイトだと、飲食店などのブルーカラー系の仕事をしている方が多いのですが、転職エージェントにある求人の7~8割はスーツを着て仕事をするホワイトカラーのものです。
普通はこういったキャリアチェンジは難しいのですが、現在は市場が良いので転職しやすくなっています。
上手に活用して採用を勝ち取ったBさんは、「転職エージェントがなければ、今もフリーターのままだったかもしれない」と語っています。
Bさんの転職エージェント利用法:自分がやりたい仕事を見つけることができた
Bさんは正社員になるまでの5年間、何度か職を変えてアルバイトを続けていました。
それらの職場は職種や業種的がばらばらでしたが、それはBさん自身「自分が何をしたいのか、何ができるのか」がいまいちわからなかったからだと言います。
Bさんが「正社員になろう」と思った時に転職エージェントを使ったのは、相談に乗ってくれる人がいれば自分が向いている仕事ややりたい仕事が見えてくるのではないかと思ったからだそうです。
いくつかの転職エージェントに登録してエージェントに会ってみたところ、転職カウンセリングをしっかり行ってくれて親身に話を聞いてくれる担当者を見つけました。
詳しく自己分析した結果、今までいろいろな職種や業種の仕事がこなせたのは、Bさんが器用で何でもそつなくこなせるからだと気がつきました。
また、Bさんは自分が人と関わることが好きなので、営業マンとしてさまざまな人に会ってお客さまの要望に応えるために働きたいと思うようになりました。
Bさんの適性をよく理解している担当エージェントは、Bさんがうまくやっていけそうな営業職を選び紹介してくれました。
実際に転職してみると、Bさんはお客さまの要望にきめ細かく対応できる営業マンとして活躍するようになったのです。
相談相手ができたことが大きかった
前述したとおり転職活動で避けたいのが「孤独になること」です。
Bさんはささいなことでも転職エージェントに転職についての悩みを相談することができたことが、とても良かったと言います。
転職活動では
- 履歴書に短いアルバイト歴を全部書いた方が良いの?
- 面接にはどんな服装で、どんなカバンを持っていったら良い?
などという、こまごましたことだけれど知らないと不安なことはいくらでもあります。
そういったことを相談する人がいるのといないのとでは全然違う、エージェントがいてくれたので精神的にかなり楽になったということです。
もちろん、転職エージェントは転職のプロですから細かいことだけではなく、
「自分はどんな仕事がしたいのか?」
「どんな風に自己アピールすれば良いのか?」
といった転職をする上で重要なポイントを的確にアドバイスしてくれました。Bさんは「1人ではあそこまで頑張れなかった」と思ったそうです。
フリーターの転職ノウハウを持っている
転職エージェントには過去に何度もフリーターの人たちの転職を成功させた実績があります。Bさんはエージェントを使うことによって、そのノウハウを存分に活用することができました。
例えば、ほとんどのフリーターの人が苦手としているビジネスマナーについてのセミナーを受けることをすすめてくれたり、面接のリハーサルをしてくれたりなどです。
Bさんは、転職エージェントから受けたフリーターの転職活動で陥りがちな失敗についてのアドバイスが、かなり参考になったと言います。
正社員とフリーターの生涯年収を比較する
フリーター生活をなかなかやめられなかったCさんが正社員に転職を真剣に考えるきっかけになったのは、生涯年収に興味を持ったことでした。
Cさんは同じ職場で同じような仕事をしている正社員を見ていて、「自分はいつでも正社員になれるけど、めんどくさい仕事を任されている正社員にはなる気がしない」と思っていました。
しかし、生涯年収を計算してみたCさんは「正社員にならないと損をする!」ということに気づき、正社員になるために本腰を入れて転職活動を始めたのです。
生涯年収の計算は簡単ですから、実際にやってみましょう。
例えば、時給1200円といえば、アルバイトにしては高い方ですよね。
この、一見時給の高いアルバイトと年収400万円の正社員をそれぞれ30年続けた場合、生涯年収はどのようになるのでしょうか?ちょっと計算すればすぐにわかることですね。
時給1200円の場合
時給1200円×1日8時間×月20日勤務×1年12カ月×30年=生涯年収6912万円
時給1200円のアルバイトだと、生涯年収は7000万円程、ということになります。結構もらえるんだな、すごいなと言う感じですね。
年収400万円の場合
年収400万円×30年=生涯年収1億2000万円。なんと、時給1200円のアルバイトの約2倍です。時給1,200だと年収は230万円程なので、当たり前と言えば当たり前ですね。
「一生アルバイトを続けると、5000万円も損をしてしまうのか!」と衝撃を受けたCさんは、真面目に転職活動を始めたのです。
アルバイトを続けると生涯年収が減るだけではありません。次のような不都合もついてまわります。
正社員にならずアルバイトを続けることの不都合
- 正社員なら受けられる、厚生年金や健康保険、労災などの社会保障を受けられないことがある
- 雇用主の判断一つで解雇されることもある
- スキルアップができない
- 昇給してもわずかである
- 高齢になって体を壊したら、解雇される可能性が高い
このようにアルバイトを続けると不都合が多いというよりは、30年間働ける保障もないというリスクを背負うのです。フリーターをしている人には厳しい意見かもしれませんが、これが現実です。
「気楽なアルバイト稼業を続けている」つもりが、「年を取って取り返しがつかないことになる」かもしれないのです。
資格取得に励んで、自信をつける
長い間フリーターを続けていたDさんは趣味でパソコンを自作したりプログラミングしたりしていたので、システムエンジニアとして正社員になりたいと思っていました。
しかし、転職活動をはじめてみたものの、なかなかうまくいきません。素人レベルの知識や経験では、良い条件で正社員になれる求人が少ないのです。
一度は正社員として小さいソフトハウスに採用されたことがありました。
しかし、未経験者であるDさんに仕事を教えてくれる人がいないのにDさんのスキル以上の仕事を与えられ、毎日残業続きで体を壊してしまいました。
結局、何カ月かでDさんは退職せざるを得ませんでした。このまま転職活動を続けても良い結果は出ないと思ったDさんは、一念発起して資格の取得に励みました。
システムエンジニアになるためにはさまざまな知識が必要で、それを得るためには資格の取得が早道と考えたからです。
Dさんは資格取得のために勉強に励んだ結果、自分に自信を持つことができました。そして、あるIT企業がDさんの勉強に対する真面目な姿勢を評価し、正社員として採用しました。
IT業界では、資格を持っていればすぐに転職できるというわけではありません。
資格を取得することはIT知識の基礎を身につけることであり、仕事をしながらもどんどん新しい知識を身につけなければいけないのです。
Dさんが採用されたのは、Dさんならば転職後も成長を続けられると面接官が判断したためでした。
Dさんは今後の頑張り次第で昇給もあるという、アルバイト時代には考えられなかった待遇を手にすることができました。転職後も一通り勉強をした経験が、かなり役に立ったそうです。
ここまで4人の元フリーターの転職成功体験を見てきましたが、いかがでしたか?自分に合ったやり方があれば、ぜひ試してみてください。