こんな転職は絶対するな!転職の失敗パターンの実例!
現在私が携わっている転職エージェントを利用する方のなかには、転職活動を大きくはき違えている求職者がいます。
また、私は以前企業の人事として採用関係にも従事していましたが、当時から転職活動をはき違えている方はいました。
みなさんは、転職活動を『逃げ道』と考えてはいけないのです。
仕事はうまくいかないことの方が多いですし失敗することもよくあると思います。
また、転職活動による内定・転職をゴールと考えてもいけません。
転職はキャリアチェンジやキャリアアップを実現するための手段でしかありません。
今回の記事の目次
転職と転職活動をはき違えないこと!
最近、転職活動や転職をはき違えている求職者が多いので、結構危険な状態にあるのではないかと思っています。
今回は転職の失敗パターンや転職失敗の実例、そしてどのようなタイプの求職者が転職失敗するのかといった話をご紹介したいと思います。
転職とは?
会社を変えることは簡単なのですが、どれだけ内容のある転職をしているのかが問題です。
転職とは本来、今の環境では実現できないことをするために行うものです。
自分のキャリアを見つめ直すということにも大きな効果があります。
しかし、今は転職が身近な存在になっていて、多くの人材会社が転職をあおるようなプロモーションを行っているため、あまり意味を持たない転職をしてしまう方が増えています。
評価に不満を持って転職してはいけない
上司からの評価は相対的な判断で決まることで、自分で決めるものではありません。
私の転職エージェントにも「会社での評価が不満で他の企業で仕事がしたい」という求職者も多くいますが、自分の思い通りに評価されないという理由で転職をすることはやめましょう。
恐らく、転職した先の企業でも同じ評価になる可能性が高いです。
このタイプの求職者は、自分のやった仕事に自信を持っていて、自分が自分の最大の理解者として考えているため、正当な判断ができていないことが多いです。
恥ずかしながら、私も社内での評価に不満を感じていた時代があり上司に意見したことがあるのですが、上司の話を聞き自らの愚かさを知りましたし、他の企業の評価を聞いてみても自分のレベルが思っていたより低いと気づかされました。
また、転職活動の結果として内定時の役職や給料を見れば、今の自分の価値が分かると思います。
大半の場合、内定時の条件が現職より高いということはありません。むしろ下がることの方が多いです。
もし、自分の評価が高いのであれば、内定時の条件をきちんと受け入れましょう。
転職エージェントのあおりと人事の面接テクニック
今の転職市場は、これまでになく求職者が有利な売り手市場です。
この売り手市場にのっかり、ネガティブな理由で転職することはキャリアダウンにしかつながりません。
大手の転職エージェントはテレビやインターネットで転職を促進するプロモーションを積極的に行っているため、求職者が変な勘違いをしているかなと思います。
ある大手の転職エージェントは、プロモーションで『転職は慎重に』と言っておきながら明らかに転職しようと言っているようにしか聞こえないのです。
転職エージェントや転職サイトはボランティア団体ではなく、収益を得ているのです。
下手なプロモーションに踊らされて、転職活動を行ってはいけません。
求職者は、いくつかの企業の選考を受けると、面接などを通して企業に魅力を感じる場合があります。
人事は面接で口説いている!
企業は人員を採用したいために採用活動を行います。
また、採用したい、転職してほしいと考えている企業が自社の悪い部分を積極的に言うと思いますか?
私の人事経験や、他の企業の人事からの話を聞いても、採用でその企業の本当のマイナス面を言うことは絶対にありません。
中には自社の課題面を面接などで求職者に話をする企業もありますが、そういった話はどの企業にでもあるような課題である場合が多いです。
そのことを前提に面接を受けなければ、『課題ってそれぐらいか。面接官も親切だしこの会社に転職したい』と思ってしまいます。
企業の人事は、日々面接で求職者を口説く練習をしています。
人事は元営業マンであることが多い!
企業の採用に従事する人材は、もともとは営業マンだったケースが非常に多いです。
相手を説得、納得させて顧客・社員にするという意味ではどちらも同じことなのです。
人事の経験がなくても、採用に関しては十分に対応できる仕事内容になっています。
成績が優秀な営業マンが採用担当となることが多いですので、その面接トークはかなり巧妙です。
求職者のみなさんは人事を敵対する必要はありませんが、採用に関わる人材はもともと営業マンだったということを想定しながら面接を受けた方が良いです。
そうしなければ、巧みな話術に惑わされ、転職理由も不明確なまま転職してしまうことになります。
転職エージェントは企業側の場合がある!
転職エージェントからすると、本当の顧客は採用費を払ってくれる企業側です。
転職エージェントからすると求職者からは費用の徴収ができないので、顧客というよりも「自社の商品」という考えを持っている場合があります。
採用に成功すると自社に利益が入る仕組みになっているために、転職エージェントが求職者に対して無理な転職を促す場合があるのです。
自分自身に問題がないなかで転職エージェントの思惑に引っかかり失敗となれば、後悔は大きいと思います。
転職エージェントの全てがこのようなやり方をしているということはありませんが、求職者としては、信頼を置く相手のせいで転職が失敗に終わるという事案もありますので、ぜひお気を付けください。
転職失敗パターンの実例
現在、転職市場で転職活動をしている求職者は何十万人とも言われています。
しかし、その中で自分の希望をかなえて転職したという方は多くありませんし、どこかで自分の希望を妥協しているケースが多いです。
それぐらいであればまだ良いと思いますが、今回のテーマのように転職が完全に失敗したという求職者も多いです。
どの求職者も、転職活動中に知る企業は現職に比べてよく見えるのですが、働いてみるとそうでもなかったということもあります。
転職が失敗に終わったという求職者には特徴がいくつかありますので、この特徴をご紹介したいと思います。
上司や同僚に不満を持つ求職者
まずは、上司や同僚など自分の周りの環境に不満を持つ求職者です。
このタイプは転職エージェントとしての経験上、転職後の状況をみると転職失敗となっている求職者が多いです。
なかには、転職して数カ月で転職活動の相談に来社する求職者もいます。
転職後に、現職とまったく同じように自分に合わない上司や同僚、または先輩がついたらどうしますか?また転職しますか?
転職後に我慢できるのであれば同じ状況が現職でもある訳ですので、現職で我慢するべきです。
この理由で転職しても同じことの繰り返しで、そのうち転職が癖になり習慣になります。
そうなると転職回数を繰り返し職歴が増えて、いつかはどの企業も相手にしないぐらいの職歴を重ねることになってしまいます。
実際、私の近しい知人は転職することでしか現状を解決することができない人間になってしまいましたし、最終的には新卒なみの給料で一般社員として企業で働いています。
上司や同僚に不満があるならば、まずは、本音で上司や同僚と向き合うことが先決です。
向き合うことにより、違う部署や部門に配置換えとなり、転職することなく環境を変えることができる場合もあります。
現職に飽きたという求職者
次は、私も人のことを言える立場ではないですが、現職に飽きたという求職者です。
私も何度か転職したことがありますが、そのうちの1回は新鮮さを失い刺激を求めて始めたものです。
この場合、現職で自ら仕事を作る動きを取ってみてはいかがでしょうか?
素直に上司や社長に今のモチベーションの低さを相談して良いと思います。
私は、当時の転職をやや後悔しています。
当時はやりきった感がありましたが、今思うとまだやれることはあったかなと思っているのです。
現職に飽きたというのは性格的なものも左右していると思いますので、その性格を自覚することで転職に対して思いとどまることができるように思います。
飽きっぽい求職者の方は容易に転職活動をしない方が良いです。
先ほども言ったように、転職活動で企業を知ると妙に新鮮さを感じるため、その企業で働きたいと思ってしまうことが多く癖になってしまう可能性もあります。
特別な理由なく他の企業で働きたいと考える求職者
この場合は、『何となく』、『他の人も転職しているから』といった漠然とした理由を持つ求職者です。
こういった方は転職にやりがいを見いだすのではなく、今の企業でやりがいを見つけることを優先させましょう。
漠然と転職を考える求職者は30歳前後に多くいます。
30歳前後の求職者はそれなりの経験をして、転職市場においても価値が高い求職者です。
私の転職エージェントにも30歳前後の求職者がいて、確かに転職市場では十分に内定を勝ち取る範囲にありますが、転職理由が明確ではないために『とりあえず、全部の求人に応募します』と言う求職者が多いです。
全部に応募することは悪いことではないですが、転職活動には時間と費用が掛かります。
現職の仕事と並行して面接などを行うことになりますので、明確な理由なく企業の面接を受けても辞退する可能性が高いです。
明確な理由なく転職活動するのであれば、やりがいを明確に探す活動をされた方が意味のある時間を過ごすことができると思います。
転職失敗者の転職後の惨劇
次に、実際に転職で失敗した人の状況をご紹介したいと思います。
転職エージェントは転職後もサポートを行う場合があり、定期的に連絡を取り合う状況にあります。
その中で惨劇と言えるぐらいの求職者を知っていますので、ご紹介したいと思います。
これから転職活動をする方は、これからご紹介するような状況にならないか再確認してください。
27歳、男性の求職者の転職失敗
この求職者は、もともと人事の仕事をしていて、将来的な給料の上げ幅が少ないと考え個人向けの商材を扱う営業職を希望していました。
営業職の場合は未経験でも十分に内定チャンスはあります。
退職希望理由を聞いて、営業職や経理職のように給料面での大きな伸びしろがないことは理解できました。
しかし経験はまだ2年程度で、もう少し経験を積んでからでも転職ができないかと聞いたのですが、早く転職して早くキャリアを積みたいということで、求人をいくつか紹介しています。
この求職者は年齢も若く、希望職種も営業でしたので、そこまで苦労することなく3社ほどの内定を勝ち取っています。
そして、その中から「インセンティブの割合が非常に大きいが激務で知られる、某会員制リゾートマンションの販売を行う企業」へ転職しています。
中途採用ですので、商品知識の研修を数日受けたあとに現場で営業活動をしていたようですが、人脈がないその求職者は、数カ月は営業成績がゼロで、土日も働きっぱなしだったようです。
数か月後に本人から相談があるということで、お会いしたのですが、以前面談で感じたような勢いはなく、上司からの厳しいプレッシャーで食事も喉を通らず激ヤセで、目の下にクマができている悲惨な状態でした。
『人は数カ月でここまで変わるのか?』というぐらいでした。
面談の結果このままでは体調を崩してしまうと思い、私が企業側に退職か休職を打診したのですが、環境が厳しいことで知られるその企業は「休職は認めない」としてそのまま退職することになりました。
結局、その求職者は次の転職先が決まることなく無職状態です。
うつ病を患っているということで、しばらく実家に帰って療養するということになりました。
営業職は危険とか高額の商材を扱う企業が危険ということでなく、この失敗エピソードで伝えたいことは「不満を動機にした転職活動はまずい」ということです。
転職後は意識的に酒を控えるべし!
だれしも、転職初日は緊張の方が大きいと思いますので、これから一緒に仕事をする方々に対して失礼な立ち回りをすることはないと思います。
しかし、先述の通り、時間の経過とともに、心が慣れてきて、転職先の方々とも親しい関係になると、思わぬことで失態を犯してしまい、信頼関係を崩すということあります。
その典型が、『酒』です。
『酒』は、『飲みニュケーション』とも呼ばれ、人間関係の構築には非常に便利なものです。お酒が入ると人は日ごろ、語ることがない身内ネタや自分のプライベートなことも饒舌に話すこともあります。
しかし、お酒が悪魔となることもあります。
もしかすると、求職者のみなさんのなかでも、一度ぐらいは、お酒で失敗したという経験を持つ方もいるかもしれません。
プライベートであれば、まだ、何とか挽回することもできるでしょうが、社内におけるお酒の失敗は、その後の求職者の方の仕事や立場を悪化させます。
まず、お酒で暴言や失言、下手な行動を取ると、若い求職者の方であれば、まだ若いしということで甘めに見てもらえるかもしれませんが、ある程度の年齢になると、その年で、そのお酒の飲み方をするか?というような酒癖が悪い人間、こいつとはお酒は飲みたくないということで、飲み会参加メンバーから除外されるようになります。
そうすると、自分をなぜ誘わないのだ?と周りに対して自分自身も不信感を持つようになり、また、その不信感が周りにも態度で伝わるようになることも良くあります。
また、周りもそのような態度を見て、自分の酒癖が原因でありながらも、他者のせいにするという、悪循環を繰り返し、そのうち、お互いの心情が仕事に影響し、良い仕事ができないということがあります。
そうなると、お酒で失敗した求職者の方は、当然、その企業を退職し、違う企業で働きたいと考えるようになるはずです。
本質的な原因は自分のお酒の飲み方にあるのですが、そのような本質の原因を解決することなく、次の会社に転職しても、いずれは同じことが起きるでしょう。
転職の失敗パターンの良くある話としては、お酒の飲み方です。
女性の場合は、まだ許されることもありますが、男性の場合は、社会の目が男性よりも厳しいですので、一度の失敗が大きな失態に繋がり、信頼を失うこともあります。
特に男性で、30歳前後の求職者の方は、お酒の飲み方には注意して頂きたいです。
同じ企業で働く仲間と言っても、ドライなことを言えば、所詮は他人です。
他の同僚も自分の人生をかけて仕事をして、早く出世し高い給料を得たいと心では思っています。
そのようななかで、酒癖が悪い方と関わると自分の成果にマイナスだと思えば、疎遠にすることは当然のことです。
転職は人生の分岐点!
現在の日本では転職活動は身近で、すぐに始めることができる環境です。
求職者には「自分のキャリアのために転職を希望する求職者」と今回のテーマにあるような「意味のない転職を希望する求職者」がいます。
後者の場合は、転職を問題解決のためと変に前向きに捉えていることが多く自分では気づくことができません。
転職することでやりがいある仕事に就けているのであれば良いのですが、今、前者の理由を持っている求職者はどれだけいるのか、転職エージェントとして私は非常に疑問を持っています。
転職活動中であれば引き返すことはできます。
ぜひ今一度、今転職活動するべきかどうか再検討しましょう。
最後になりますが、求職者のみなさんの転職活動は前向きなものであることを祈り、今回の話を終わりにしようと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。