転職においては、運も実力のうち!

求職者のみなさん、転職活動を楽しめていますか?

今の転職市場はこれまでにないぐらいの売り手市場です。
求職者にとっては最高の舞台と言えると思います。

そのため、去年ごろから求職者がかなり増えています。

現在、私も転職エージェントとして求職者の方の支援をさせていただいていて、去年ごろから登録者数が増えている状況です。

転職エージェントとして私が求人を受ける採用企業から、

『最近、応募数がかなり少ない。数年前に同じ条件で公開した求人と比べると応募数が半分以下に落ち込んでいる』

といった声を頂きました。
これが今の転職市場におけるリアルな声だと思います。

今回のテーマは?

このような転職市場にある現在、求職者は積極的に、そして強気に転職活動をしても問題ないと私は思っています。

このような転職市場は、どうして起こるのでしょうか?

今の転職市場は求職者の実力なのか?

それとも企業の採用力が低下しているのか?

今回のテーマは、『転職においては、運も実力のうち!』ということで、お話を進めていこうと思います。

日本の経済と景気・・・

求職者の実力が向上していたり、企業の採用力が低下していたりということではありません。

結論から言いますと、現在のような求職者が選ぶ側になっている転職市場は、日本の経済が回復し、景気が良いためです。

人件費は企業の経営上、コストのうちで最も大きい割合(労働分配率)を持つものなので、業績を見つつ新規に人材を中途採用するかどうか検討するのです。

現在、大体の企業は業績を回復・向上させているため、新規に人員を採用するコストの余裕が生まれています

労働分配率

企業の売り上げや利益の中で、人件費の割合を示す経営指標の一つ。

労働分配率が高ければ、人件費が高く利益率が低い。
割合が低ければ人件費の割合が低く、利益率が高い。

労働分配率が高いか低いかで経営がうまく回っているかどうかという判断はできないため、単純に売り上げや利益に対する人件費を示すものとお考えください。

求職者がいつ転職するかは求職者の状況次第

市場の盛り上がりがきっかけで転職活動を始めるということはあまりないでしょう。

現職との兼ね合いや年齢、今後のキャリアビジョンを鑑みた上で決めることが多いと思います。

求職者のみなさんのなかに、『転職活動を始めようと思ったら、転職市場が求職者の有利な市場だった』という方も多いのではないでしょうか。

今転職活動をされている方も、市場の動向は『たまたま』の副産物で、自分のタイミングが主なのではないかと思います。

ということは『たまたま』、転職活動を始めたら市場が求職者に有利な状況となっていて『ラッキー』といえると思います。

転職活動は求職者のそれまでの経験や実績はもちろん大切な要素ですが、『運』というものも多分に影響しているということです。

転職活動は『運』も必要!!

転職エージェントとして求職者の支援を行う今、やっぱり『運ってあるよなぁ』とつくづく思います。

自分がかつて転職活動をしたとき希望した職種の求人も受けますが、その数は当時の3倍、4倍にもなっています。

企業も転職者を採用することは少なからず経営リスクになりますので、業績の状況を見て求人を公開します。

ということは、求職者の転職活動が成功するかどうかは日本の経済や景気にかかっているといった関係性になっています。

求人との出会いも運!

自分にとって魅力的な求人が常に公開されているということはまずありません。

採用する企業が公開する求人の『公開期間』と、求職者が転職活動を行う『活動期間』が合致したときに求人と求職者は出会うことができるのです。

私はかつての転職時に、担当のキャリアアドバイザーから

『あー、もう少し早く転職活動を始めていれば、希望にマッチした求人があったんですが、もうクローズになってしまったんですよね』

ということを言われた経験があります。

当時の私は「運がないなぁ」と思いました。
当時は苦戦中の苦戦状態で少しでも求人を確保しておきたかったので、本当に自分の運のなさを嘆きました。

今の転職市場は、売り手市場で同じような条件の求人は多くありますが、それでも少しの期間のズレで企業や求人と出会うことができなくなることはあります。

こう考えると、運やタイミングは不思議だなと本当に思います。

極端なことを言えば、たった一日だけズレていても、その求人に出会うことはできないのです。

転職活動をされる求職者の方は、ぜひ、『運』や『タイミング』そして、『ご縁』というのも大切にしてみてはいかがかなと思います。

宗教的な感じになるのは避けたいですが、その求人と出会ったのは、いくつかの偶然が呼び込んだことだと思います。

応募しようか辞退しようか悩んでいるレベルの求人については、『運』と『タイミング』を基準に加えても面白いと思います。

今の転職市場は、遊び心も持てる!

今、転職活動をされている求職者の方は本当に運が良いです。

同じような条件の求人が次から次へと公開される状況です。

良い意味で、転職活動に対して遊び心を持っても良いぐらいの環境です。

私がいう遊び心とは、本命群となる企業以外の選考にも応募して、実践的な面接練習をしてみることなどを言っています。

書類選考は通過率が高いので、面接の機会は増えると思います。

面接は慣れというものが大きく、求職者によっては面接でがちがちになってしまい選考見送りになる方もいます。

そのような求職者は特に遊び心を持って、面接練習のために本命群ではない企業へも応募して面接練習の機会を作るのも良いでしょう。

企業の選考も運が影響している

続いては実際に企業の選考を受けている段階でも『運』が影響することがあります。

それは言葉を換えると『相性』ということにもなります。

選考フローをいくつかのフェーズで分けて、『運』や『相性』についてご紹介したいと思います。

書類選考の場合

私はかつて企業の人事として採用にも従事していますので、その事情を踏まえてお伝えします。

企業の書類選考は以下のようなパターンがあります。

企業の書類選考

  1. それなりの応募数がたまってから一気に片付ける企業
  2. 1日単位で書類選考を行う企業

1日単位で行う場合よりも一気に書類選考を行う企業の場合は、書類選考の質はかなり下がります。

この書類選考の方法を求職者のみなさんが企業にオーダーすることはできないと思います。現実的には不可能です。

また企業の人事担当は人ですから好みがあり、どのような形式の履歴書・職務経歴書を書くのかによって書類選考の通過も変わってきます

このように書類選考のタイミングでも、『運』や人事担当者との『相性』が起因しています。

余談ですが、書類選考はすべての選考フローのなかで最も通過率の低い選考フェーズになりますが結構適当に行われています。

書類選考で見送りになっても、あまりまともに選考してないんだろうとプラスに考えた方が良いです。

あまりに書類選考で落ちることで、自信をなくす求職者の方もいますが、『運』や『相性』が影響していることを踏まえると、そこまで落ち込む必要はないと思います。

面接の場合

面接は企業の人事担当者や決裁権を持つ面接官と直接、会うことになります。

直接的な選考のため『運』や『相性』は影響しないのでは?と思う方もいると思いますが、面接こそ『運』や『相性』が左右することが多いです。

求職者のみなさんも、面接官も、当たり前ながら人です。
人と人がお付き合いする場合は相性があります。

面接も恋愛や営業活動とまったく同じです。

恋愛も相性が影響しますし、営業担当として営業先と商談する際も、相手企業の担当者との相性が影響します。

求職者は面接の場であいさつするまでは面接官が男性か女性か、どのような年齢か、どのようなタイプの面接官なのか一切分かりません。

性格的な問題や考え方が自分とは合わない面接官が面接をした場合、その面接官を通じてその企業と『相性』が合わないと感じるかもしれません。

このように、面接官との『相性』は面接において重要になります。

『運も実力のうち』という言葉があるように、『運』を引き寄せて自分と合う相性の面接官が面接を担当したことで、その面接をクリアするということもよくあると思います。

経営者との面接

どの企業でもほとんどの場合は、ミスマッチを防ぐために複数回の面接を行うことが一般的です。

その面接の中で、最終面接はその企業の経営者やその企業の上層部の方が面接をすることが多いです。

企業の最高責任者は社長です。
社長との『相性』が良ければ恐らく面接結果も良いものになるでしょうし、イコールで内定ということになります。

企業の面接は面接の前半と後半で意味が異なります。

前半と後半の面接における意味の違い
  • 1次面接や2次面接:通過させることを前提とした面接基準も比較的、緩いことが多い
  • 3次面接や最終面接:ほかの候補者との相対的な判断を強く意識しますので、見送りにする面接の意味が強い

後半の面接フェーズでは、企業は相対的な評価を強く意識するので、『相性』は特に大切です

当然社長との『相性』も自分では決められませんので、求職者からすると、『運』が左右することになります。

ここまで『運』や『相性』と連呼していますので『運』だけで転職活動が何とかなると思われては困るのですが、転職活動において、『運』の要素は絶対的にあると思います。

内定通知面談の場合

見事、すべての選考をクリアすると、次はオファー面談という名の内定通知面談があります。

転職エージェントを利用している場合でも、最近は求職者が内定通知面談に出向き、条件の付け合わせを行うことが増えています。

この内定通知面談でも、実は『運』が必要です。

内定通知面談は、一般的にその企業の人事の採用担当と労務担当の両名が同席して行いますが、労務担当は法律にどっぷりつかっていることが多く頭の固い人がそれなりにいます

私は労務の経験もありますが、労務担当の考えがその企業の就業規則やその他の規定に大きく影響している場合があります。

ここでも、このような理由で、『運』が影響しています。

私は労務担当の人柄がその企業の社風に多分に影響することを知っていたため、求職者として転職活動した時代に、労務担当の人柄でその企業を辞退したこともあります。

内定通知面談ではぜひ労務担当の人柄もチェックしてみると良いかと思います。

努力が『運』を引き寄せる

『運』を引き寄せることができる人は、『運』が味方するぐらい日頃から努力をしているのではないかと思うのです。

私なりの『運も実力のうち』を解釈すると『努力が運を引き寄せる』ということです。
求職者のみなさんは、この私の解釈をどう思いますか?

何か哲学的な話をしてしまっていますが、みなさんの今の仕事でこのような状況はないでしょう?

転職活動でも、努力して自分に合う転職エージェントを探していると、その転職エージェントが自分の条件に合う求人を持っていたということもあると思います。

日頃の努力が、ふとしたときに『ラッキー、運があった』というような結果をもたらすのではないかと思います。

ですので、求職者のみなさんは最初から『運』に頼った転職活動をするのではなく、ひたすら転職活動を行い結果的に『運』が自分を味方したという状況であれば、最高ではないかと思います。

転職活動において『運』が左右するのが割合であれ、求職者はそれまで100%の努力をしなければ『運』は引き寄せられないのではないかと思います。

転職後も『運』!?

求職者のみなさんは、内定を勝ち取り転職決定までを転職活動と考えていると思います。

しかし、転職エージェントとして言わせていただくならば、転職後、数カ月も転職活動に含みます。

その企業の従業員で何人くらいと相性が合うのか、また、実際に働いてみてその企業の性格である社風や文化にどれだけなじめるのかが大事です。

この点だけは、選考フローでは絶対に知り得ることはできません。

転職後の『相性』こそ、求職者からするとその後の人生を左右しかねない『運』だと思います。

選考中であれば、その企業と相性が合わないと思えば辞退することもできるでしょう。

しかし転職先の企業を退職してしまうと、その求職者はいきなり無職となります。
短期間に職歴を増やした状態で再度転職活動をすることになってしまいます。

今の転職市場がいかに求職者が有利の売り手市場と言っても、短期間に職歴を増やし無職の状態で転職活動を再開することはなかなかリスクがあります。

転職活動では、『運』と『努力』が大事!!!

今回は『運』を中心に転職活動についてご紹介しましたが、『運』だけで転職活動が充実するということはありませんし、『運』だけで、転職決定することはありません。

『運』を転職活動で引き寄せるためには、やはり、『努力』ありきだと思います。

努力がなくして『運』を引き寄せることは恐らく難しいと思いますし、努力なしに引き寄せる『運』は大した『運』ではないと思います。

転職活動は『運』を前提に考えるのではなく、それまでの努力で身に付けた経験や知識、実績を武器にしてみてください

その場合『運』が求職者のみなさんの味方をするのかなと思います。

最後になりますが、求職者のみなさんが『努力』を一番に『運』も味方につけて今の売り手市場で最高の転職ができることを祈り、今回のテーマは終わりにしようと思います。

最後までお読みいただきありがとうとございました!

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