WEBデザイナーの転職についてエージェントにきいてみた

WEBデザイナーは代理店と似ている


まず1個目のWEBデザイナーの転職ってことなんですが。普通の職種とWEBデザイナーの転職って何が違うんですかね?


そうですね。
例えば、1社目は新卒でWEBの制作会社に行きそこでWEBデザイナーをやっていたけれど、膨大な業務を割と安いお給料でこなしていく仕事なんで、キャリアアップしたいなぁと思い転職活動を始めるのは一般的な流れですね。
営業だったら営業で自社の商品を扱ってるっていうのが一般的であるのに対して、自分のところの商材じゃないもの扱ってる。代理店のように。
それで最初のキャリアをスタートするのが一般的という点が、普通の転職と違うのかなあと思います。


なるほど。WEBデザイナーの転職は代理店と同じかー。

企業はWEBデザイナーの人物像を絞り込んで求人する


なので、1社目の制作会社で広く浅くいろいろやっているような人だと、“ファッション業界のWEBデザイナー”とかで採用人数が高いんです。ファッション業界もネットで商品を売ったりしますからね。
だからといって、良い求人があって受けようとした際に、
「私、制作会社でいろいろやってきました」
「WEBデザインできます」と言っても
じゃああなた、
「ファッション業界のWEBデザインやったことあるの?」と言い返されてしまいます。
結局、ある程度人気のあるところにキャリアアップとして行こうとして突っ込もうとすると、
「そのコンテンツ、その商材とかやったことあんの?」
みたいに言われてしまい、その辺が転職するときの注意点・ネックになりますね。


営業職だと、どの業種でも営業は必要っていうことで比較的転職しやすいみたいな話と似ていると思うんです。業界だったら業界ごとの商品知識が必要っていう部分は営業にもありますよね。


そうですね。そういう意味では営業と一緒なんでしょうけど、さらに「やってきたコンテンツ」をいろいろ突っ込まれるので、その部分でちょっと大変だなあとは感じますね。

例えば「やってきたコンテンツ」っていうのは制作実績とかってことですか。

そうですね。ポートフォリオを用意しますね。
あとは、例えばファッション業界だと
「私、ファッションのホームページ作ったことありますよ」とアピールしても、
「うちは、自社のファッションサイトでECやってます。ECの経験はありますか?」と言われてしまい、
「ECの経験は無いです・・・」と、
こんなパターンはありますね。どうしても企業が求めているレベルも非常に高いです。
そういうギャップってどの転職でもあるんでしょうけど、WEBデザインでは顕著かもしれないですね。

基準が高いっていうことですか?

基準というよりも、企業が欲しい人の人物像を絞り込んでいるんですよね。
すごいピンポイントで企業が求めているので、せっかくWEBデザインの経験があっても、そこの「ピンポイント」に当てはまらないと優秀な人でも採用に至らないですね。

ポテンシャル採用もなくはない

例えば30歳前とかの若い年齢だと、あまり経験がなくても意欲が買われてデザイナーが雇われたりすることはありますか?

まあ、そうですね。ポテンシャルで採用される事とは、ある程度あります。だけど、やはり、ある程度近しい経験のような事は問われますね。
「若いからポテンシャルで見てくれるかなー」と思って書類を送ったりすると意外とはじかれたりとかします。

そうなんですか。ちなみにその若いというのは何歳ぐらいなんですか?

30を超えると“ドンピシャ”じゃないとなかなか採用にいたらないなぁと感じます。
20代中盤ぐらい、第2新卒にちょっと毛が生えたぐらいだと、かすってても採ってくれるかなぁみたいな事はあるのですが。

“ドンピシャ”というのは、そのスキル的な部分でということですよね?モチベーションとかじゃなくて。
先ほど若い方を送っても駄目だったというお話だと、例えば25、26とかっていう年齢でも、スキル的に“かする”程度だとやはり落とされることが多いみたいなことですか?

そうですね。
さっき言ったように、20代半ばの人で、制作会社でいろいろやっていたので良いんじゃない。と思って送ると、ECの経験がちょっと足りなくて・・・。のような。
もちろん企業さんにもよるんですけど。大きいところは大きいところで大量に声をかけて、わーっと集めてその中から優秀な人だけ採ります
それはそれでハードルは高いですが。


いろいろと難しいですねー・・・


結局、じゃあ小さい会社はどうか?と言えば、小さい会社は体力がないから、やっぱりドンピシャな人じゃないと採らない。つまり結局一緒ですね。
かと言って制作会社で経験を積んでから転職しているのに、比較的に採用広くしてならと、また制作会社では・・・
制作会社からキャリアアップと思って転職して、また制作会社に行っても意味ないですね。そういったジレンマはありますよね。
WEBデザイナーの求人自体は非常に多いと思うんですよ。ある意味では引く手あまたのようにも見えるんですけども、いざちょっとこう実際動いてみたりお手伝いしたりしてみると、その辺の温度差は感じますね。

WEBデザイナーを二つに分けるとEC系とホームページ制作系

そのWEBデザインという職種の中でも、いろいろ区分があるということですか?

そうですね。繰り返しになりますが、自分に、その企業の求めるコンテンツにすぐ対応できるかどうかということです。

EC以外では、どういったものがWEBデザイナーに要求されるのですか?

ECのようにお金の発生するサイト自体の需要がビジネスになっているものと、ホームページ的にとりあえず観覧してください的なものとでは、企業さんのほうから、結構違うとは言われますね。

そうしたら要は、“EC系” あとは“ホームページ制作系”、大きく分けるとその二つという事でしょうか?

そうですね。

またさらにその中で、ちょっと分かれたりするってことなんですか。

結局あとは、どの業界みたいな。

なるほど。大きく分けて“EC系” あとは“ホームページ制作系”の二つだったら、言ってしまえばEC系をやっている方は比較的いろいろな職種があるのかなあ。っていう風に聞いてて思いました。そうすうと、やはり“EC系”をやっている方がよいのでしょうか?

そうですね。ECやってるほうがいいですね。はい。

即戦力でないとエージェントは手伝いにくい

なるほど。
先ほどの、企業がすごい求めてるのが明確だというお話ですけど、具体的には例えばどんな感じなんですか。どういう人を求めてたりされるんですか?


一言で言うと、自分と同じ、自社と同じ分野のWEBデザインやってきた人。転職サイトのWEBデザインだったら転職サイトのWEBデザインやってきた人。ファッション通販のWEBデザインならファッション通販のWEBデザインやってきた人。ということです。

なるほど。ファッション通販だったら、ファッション通販のデザインしている人のほうが、全然、違うんですかね。?
ファッション業界の、例えばデザインの志向とかを知ってるからということなんですか?そういう人を求めるのは。


そうですね。例えばファッション通販サイトのデザインで言えば、ポイントになってくるのは、手に取れない状態でその服の良さを伝えることです。
ファッションのWEBの通販に関しては、実店舗と違い試着できないので、目に触れてできない部分をどう補うかっていうところが最大の課題です。
ファッションの通販であれば全部が全部、そこが課題なので、それをどう埋めるかのテクを持ってる人とかを求めますね。

すごいイメージできてきました。


就活のサイトのデザインで言えば、結局、クリックさせてどれだけエントリーを稼ぐかの勝負です。
クリック数をいかに少なくするとか、かと言って魅力は伝えなくちゃいけないから、どれだけ見やすいページを作るかとか。
そういう部分が通販サイトとはまた違って、求人サイトは求人サイトでどう見やすくさせるかが大切です。例えば、写真を大きくするとか。
あと転職サイトで言えば、決まったフォーマットの中でやっています。その決まったフォーマットで最大限いろんなことができるようにするにはということは考えます。
そんな感じで、各分野でそれぞれ求められるものはあります

おっしゃられるように、そう言われるとそれぞれ違いますね、一口にデザインといっても。

はい。

もし仮に、「転職系のデザインをしてました」という人が、ファッション系に転職したいと相談しに来た場合って、どのようなアドバイスをされますか?

完全に転職サイト、完全なる転職サイトのWEBデザインしかやってない人ですよね。

そうですね。一応そういう設定で。

僕らの仕事で手伝える範囲では、厳しいというのが正直なところなんですけれども・・・
どうしても紹介を使うとその分ハードルが上がるので。
ただ、本人が是が非でもというのであれば。自分で転職サイト見ながら少しでも自己応募を勧めます。一応、書類出すだけ出してみたら?駄目もとでも。って言いますね。

紹介すると、つまりエージェントを使うとハードルが上がるっていうことですか?


紹介会社って基本的には即戦力の採用のお手伝いです。
どうしても紹介料が発生する分、あまり未経験の人の採用はしないですね。未経験の採用も手伝うんですけど、その時は、ほとんどが採れてない非常に不人気な職場だったりします。


紹介会社は即戦力の採用のお手伝いかー。勉強になります。


実質的には経験者のお手伝いしかしてないので、それでも未経験者の方が自力で何とかっていうんであれば、可能性は低くてもまずはエントリーを勧めます。自分で受けてみなはれ!っていうのと、あともう一つキャリアパスというか段階を経て、というのであれば、ファッションに特化したWEBの制作会社とかもあるんですよ。

なるほど、なるほど。

ファッションサイトの方が転職サイトよりも格上!


先ほどと逆で、ファッションデザインされた方が、転職サイトデザイン行きたいっていう場合のお話してもよいですか。
転職サイトだと、決まったフォーマットがあり、最終的に申し込みを押させる、そういった何か部分が特徴的というお話でしたよね。
そうすると、例えばファッションサイト関係で働かれてる方が、自分でサイトか何か作ってアフィリエイトをやってて、アフィリエイトで実際にこれだけの成果があるみたいな。そういうのって実績にはなるんですか?


難しいですね。これも紹介っていう立場で見てるからなんで、ご自身でやられる場合はちょっと違うかもしれないですけれども。
フリーでやってるとか自分でやったとかっていう実績って、結構、僕らが推薦するときには評価低いんですよ。


そうなんですね。それは何か理由があるんですか?

やっぱり個人でやってるっていうのと、組織でばちっと数字が決まった中でやっているっていうのでは評価が違いますね。根本的に、日本的な考え方があるんで、企業も。
フリーとどっかの企業会社でやってるのと、評価が違うんですよね。変な話フリーの人はフリーでそのままやってりゃいいじゃんみたいな。

なるほど、なるほど。

はい。というふうに、人事も採る以上、採る責任があるんで、企業で働いているというお墨付きのある方が、どうしても無難なんで。

ちなみになんですけど、さっき出たところで、例えばファッション業界のWEBデザインやってた人が転職サイトのWEBデザインってなったときは、かなりハードルは低いと思いますよ。転職しやすいと思います。

何でですか?

やっぱり求められるレベルが低いのでね。ただし、ただし、あんまりそういう人そもそもいないですね。

そういうことですね。

はい。やっぱ転職サイトのWEBデザインやってるのと、アパレルのサイトのWEBデザインやってるんだったら、アパレルのサイトのWEBデザイン方が面白いんで。

今の話を聞いていると、WEBデザインの中で、順序というか難易度のようなものがあると思うんですが、それを何かざっくりとでいいんで教えてもらってもいいですか?

それは何とも言えないです。序列、序列って言われると――、

何でしょうか・・・
今のお話ですと、「こっからこっち」だったら転職しやすいとか、「こっちからこっち」だと難しいっていうのがあるような気がしたんですが。それとかざっくりと教えてもらいないなあと思って。

そう言われると難しいですね。感覚値でやってるものなんで、本当に何とも言えないですね。


アパレル系というのはクリエイティブ系ということですか?
転職系のWEBデザインって、どちらかと言うと、LPっていう何かを成約させるためのっていうデザインですね。
私もそういった会社で勤めてて、ディレクターやってたんでよくわかるんですけど、おおまかに分けると転職サイトのように、「成約させるためのデザインか」もしくは、「見せるためのデザイン」か。
大きく分けて二つという捉え方でよろしいんですか?

そうですね。
結局転職サイトみたいな無機質なもの、ビジネスによってるものっていうのは、どれだけクリックさせるかみたいなすごいロジックでやっているところがあります。
アパレルとかそういう他のものにしても、例えば富裕層向けの高価なものを売るサイトとかってのはイメージ作りとかからバックボーンが違うじゃないですか。
強い感性で勝負するじゃないですか。そういうところが面白いでしょうね。

つまり、そういったクリエイティブなデザインを経験されている方っていうのは、ある程度慣れると、転職系のデザインもすぐできるみたいな感じで、転職しやすいっていうような考え方でよろしいんですか。

そうですね。ただ繰り返しになりますが、そもそもそんな志向の人あんまりいないですが。都落ちじゃないですけど――、

そしたらあれですよね。もし転職系から、花形というかクリエイティブ系にっていう場合ですと、そういった安い制作会社から始めるしか、あんまりアプローチ手段としてはないということなんですかね?

そうですね。僕らの仕事というのは、そういう意味では“ドンピシャ”の人しか送れない、狭い領域の仕事になっちゃっているので。

ただ若くてもダメなんですね。新卒とか第2新卒ぐらいだったら、未経験でいけるかもしれないっていう感じなんですか?

若い人のほうが嫌なパターンは、例えばファッションなんか特にそうかもしれないですけど、『もうずっとそこでやりたくて』っていう人が多いんで。
専門学校とかに行ってWEBデザインの仕事を勉強して、なおかつファッションのところにうまく拾ってもらってみたいな、そんな人が多いんじゃないですかね。

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