ホテルマンになりたい求職者は、長く続ける体力と精神が絶対必要!

みなさん、こんにちは。

突然ですが、シティーホテルやビジネスホテルに宿泊したことはありますでしょうか。ビジネスホテルであれば仕事の出張で利用することも多いと思いますが、シティーホテルは、旅行や何かの記念日といった機会にしか宿泊することはないと思います。

最近は、外資系のホテルも日本に多く進出していて高級感を売りにするホテルもたくさんあります。

ホテルへの宿泊は非日常的な気分を味わうこともできますし、すてきな思い出になると思います。

今回は、ホテルを勤務先にするホテルマンという職種についてご紹介できればと思います。

今回のテーマは?

ホテルマンは、当然、ホテル業界に属する職種になります。

求職者のみなさんはホテルを利用する際に、フロントやお部屋へのサービス提供などで接する機会はあると思いますが、ホテルマンへの転職やホテルマンの働き方はどのようなものか、一般的な職種とは少し性格が違いますので、具体的に知っている方はそこまで多くないと思います。

今回のテーマは、『ホテルマンになりたい求職者は、長く続ける体力と精神が絶対必要!』というタイトルで、ホテルマンを取り巻く環境について、いろいろな視点からご紹介できればと思います。

まずは、ホテルマンとはどのような職種なのか、このあたりから今回の話を起こしていこうと思います。

ホテルマンという職種

冒頭でお伝えした通り、ホテルマンという職種は、ホテル内で仕事をする職種を言いますが、なかには営業職もあり、営業職もホテルマンと広義の意味では言います。

営業職についても軽く触れたいと思いますが、今回は、ホテルマンという職種のなかで、フロント担当とベルボーイを中心にご紹介したいと思います。

ホテルマンと聞くと男性をイメージする方もいるでしょうが、女性もホテル内でフロントやベルガールをしている場合は、総称でホテルマンと言います。

ホテルマンという職種は、世間一般にはそこまで広く知られている職種ではないです。

また、ホテルマンが属するホテル業界そのものが、一般的に知られていても、日本の労働市場全体からみると働いている従業員はそこまで多くないためあまり知られていないとされています。

私も転職エージェントとして求職者のみなさんの転職支援をする以前は、ホテル業界やホテルマンという職種についてほとんど無知の状態でしたし、興味があった訳でもありません。

また、以前は転職を希望して求職者として転職活動をした経験がありますが、その際もホテル業界やホテルマンへの転職は全くのノーマークでした。

恐らく多くの求職者の方も、ホテル業界やホテルマンとしての経験がない方については、そこまで積極的に転職したいと思う業界や職種ではないと思います。

新卒市場では人気のホテルマン

求職者のみなさんが活動する転職市場は、求職者のみなさんを中途採用する企業があってこそ成立する市場です。また、採用にはこの中途採用の他に就活生を対象とした新卒採用もあります。

ホテルマンという職種は新卒市場では人気がある職種です。ホテル業界自体も新卒市場で人気業界の一つです。

ホテル業界やホテルマンがなぜ、新卒市場では人気があるのかと言いますと、就活生は、アルバイトやパートで仕事をした経験はあっても、社会人としてビジネスを経験したことがありません。

また、就活生は年齢がまだ若いということで、自分の就活希望条件に自分のなかでイメージの良い業界や職種、そして、自分の幼い頃からの憧れを中心に決めてしまう傾向があります。

しかし、求職者のみなさんは、誰しも必ず前職や現職を持っていて、年齢が若くても社会人としてビジネスの経験があります。

ある程度、「この業界は評判が良い」「この職種はやりがいがない」などの情報を知ることができ、そのため、 転職市場においてはホテル業界やホテルマンは人気がありません。

逆を言えば、就活生は、しっかりとした判断基準を持っていない方が多いため、ホテル業界やホテルマンを希望する方が多い
と言えます。

後述で詳しくご紹介したいと思いますが、ホテル業界、そしてホテル業界で働くホテルマンという職種は、日本の数ある業界、職種のなかで、常に離職率が上位に入る人の入れ替わりが激しい業界、職種 です。

この情報をある程度、把握している求職者の方もいると思いますし、そもそも労働条件などが自分の希望に合わないということで転職を希望しないと思いますが、このあたりも離職率とともに後述でご紹介したいと思います。

ホテルマンのフロント担当

ホテルマンのフロント担当は、基本的にホテルのレセプションと呼ばれるスペースで仕事をすることが中心になります。

仕事内容については、ホテルの宿泊受付が中心で、たまにお客さまのお部屋にサービスを提供することもあります。

求職者のみなさんもホテルを利用する際に

  • 何か食事を持ってきてほしい
  • タオルを余分に欲しい
  • アメニティーが足りない

ということで、お部屋の電話から連絡すると思いますが、その電話の連絡先は、基本的にフロント担当につながります。

フロント担当は、受付業務を中心に各種サービスを足回りの業務を担当することが仕事になります。

ホテルマンのベルボーイ

次にベルボーイですが、ベルボーイは以下の二つの仕事があります。

ベルボーイの仕事

  • ホテルの入り口付近に立ち、お客さまをお迎えすること。
  • お客さまのお部屋からの各種依頼に応えること。

一つ目はホテルの入り口付近に立ち、お客さまをお迎えすることです。これは高級ホテルで行われます。

そして、お客さまがホテルでチェックインを済ませたあとに、お客さまの荷物を代理で持ち運びながら、お客さまをお部屋へアテンドします。

求職者のみなさんも、ホテルマンのベルボーイについては、その服装などがかっこいいと思ったことがあるのではないかと思います。

話が多少、ズレますが、新卒市場の就活生がホテルマンを希望する理由はベルボーイの見た目のかっこよさに引かれてのことです。

私は転職エージェントとして求職者のみなさんの転職支援する一方で、就活生の就職支援も行い、多くの就活生とコミュニケーションする機会があるのですが、ホテル業界やホテルマンを就活希望とする就活生の多くは、今お伝えしたようにベルボーイに憧れを持っているためとよく聞きます。

ベルボーイのもう一つの仕事が、お客さまのお部屋からの各種依頼に応えることです。

ホテルを利用する求職者のなかには、お部屋で注文しお部屋のなかで食事をする方もいますが、その際の、食器その他のものを持ち運ぶこともベルボーイの仕事になります。

フロント担当と多少、重複する部分もありますが、基本的にはベルボーイが中心になりチェックイン後のお客さまのサポートをすることになります。

また、ベルボーイは、1人が複数のお部屋を担当します。

一般体にベルボーイはホテルの入り口のあいさつ担当と思っている方もいますが、ベルボーイはそれだけが仕事ではないです。

ホテルマンの労働条件

さて、ホテルマンの労働条件についてご紹介します。

基本的には、フロント担当とベルボーイはほぼ同じ労働条件になりますので、まとめてご紹介したと思います。

まず、給料については、平均月収が25万円弱ということで、かなり安いです。

ホテルマンという職種を決して卑下するつもりはないですが、ホテルマンの仕事内容は体を使い、お客さまへのホスピタリティーが重要です。

何となくご理解いただけるものと思いますが、頭を使う企画系の仕事内容と比べるとそこまで高い給料ということはありません。

ホテルを経営、運営する企業は、ホテルという形態がそもそもとして労働集約型です。

また、お客さまへのサービス業とも言えるため、多くの従業員を雇用することが必要です。

ホテルは施設です。しかも、大きな施設ですから人件費のほか、高い土地代や運営コストが必要です。

そのため、ホテル業界は利益率がそこまで高いとは言えません。

企業は、事業活動から得た売り上げのなかから運営費などのコストを差し引き、そこから給料を支払います。

利益率が低いということは、それだけ利益が少ないということにもなり、1人の従業員が支払われる給料は安いということになります。

ホテルマンの給料は、日本の平均年収を大きく下回ります。

もし、従業員が新卒から定年までホテルマンとして働き続けたとしても生涯年収は年収と比例してかなり低いとされています。

ちなみに、今、私が25万円弱とお伝えした額は、都心部のホテルマンの場合であり、郊外や地方の場合になると、その額は20万円を下回る給料になります。

ホテルマンの労働時間

次にホテルマンの労働時間ですが、サービス業は一般的に労働時間が長いとされていますが、ホテルマンの場合も例外なく労働時間は長い
です。

求職者のみなさんは、労働基準法について知識はありますでしょうか。労働基準法は求職者のみなさんが転職後に労働者として働く上で密接に関係する法律になります。

労働基準法

労働時間の上限は通常、1日8時間、週40時間が原則になります。

ただし、サービス業や接客業などについては、1日8時間、週40時間では事業や業務に支障が出ると国は考慮して、1日10時間、週52時間まで労働しても良いという特例規定があります。

求職者のみなさんからすると、そして恐らく現役のホテルマンとしてもありがたくないと思いますが、ホテルマンはまさにこの労働時間の特例が認められる職種になっています。

よって、 必然的に通常の職種よりも所定労働時間が長くなっています。

また、ホテルは24時間体制でお客さまへサービスを提供します。

それに対応するために、ホテルマンは1カ月単位でシフト制を組み、早朝勤務の場合もあれば、深夜業務の場合もあります。

日によって違いますが、大体の求職者の方ができれば避けたい時間帯が、ホテルマンの当たり前な労働時間帯になります。

ホテルマンの休憩と休日

ホテルマンの休憩と休日ですが、休憩については待遇が良いです。

ホテルには宿泊室の他、複数の料理店が入っていて、休憩時間に社員割引で食事することもできます。

また、休憩時間については、労働時間が長いということを考慮されて、1時間の休憩に加えて30分、他の時間帯に取得することができます。

休日については、ホテルマンは年間休日日数が100日を切る場合もあり、休日日数は少ないです。

また、土日や祝祭日はホテル業界は売り上げを上げる稼働日になりますので、休日になるということはほとんどありません。

基本的に、平日休みで、しかも一週間に1日または2日ということで通常よりも少なくなっています。

このように、 仕事内容としてはそこまで高度なスキルや能力を必要としませんが、労働時間などの労働条件が厳しく、その上給料が安い
です。

このことを知っている求職者の方も転職市場にはいますので、ホテルマンという職種は人気がないとされています。

私は転職エージェントとして、ホテルマンの求人も抱えています。

しかし、サービス業の経験がある求職者の方や、経験はなくても転職先にサービス業の職種を希望する求職者の方にホテルマンの求人を紹介しても、なかなか応募したいという方はいないです。

ホテルマンの離職率

このようにホテルマンの労働環境はブラックではないですが、良いとは決して言えない環境です。

労働時間と給料を比較して時給を算出すると、もしかすると、都内のコンビニでアルバイトした方が時給は高いのではないかと思うぐらい安いです。

人は生活のために仕事をしますし、生活さえできればそれで良いということはなく、ある程度、余暇を楽しみ、将来のために貯金も必要です。

そう考えると、ホテルマンとして働くことは、生活以外の余暇などが難しい状況です。

この給料と労働時間、そして自分の生活を考えると、 なかなか継続して仕事を続けることが難しいため、ホテルマンの離職率は高くなっています。

面白いデータがあり、離職する属性を見ると転職して入社した労働者よりも新卒として入社した労働者の方が圧倒的に離職する割合が高いことです。

新卒入社の方々は、ホテルマンへの憧れや、豪華な施設のホテルを職場にすることがモチベーションで入社します。

そして実際に労働者として働いてみると、入社前のかっこいいイメージや豪華な施設も、気持ちが飽きてしまい、そうなると残るものは、労働時間とは割に合わない安い給料という現実だけです。

また、結婚を機にホテル業界やホテルマンを退職する方が多いです。

独身時代であればホテルマンとして働き続けることはできたとしても、結婚などを控えている場合は、ホテルマンの給料では将来的に不安が大きくいのです。

私の転職エージェントに元ホテルマンの求職者の方が登録していただいているのですが、その求職者の方は、まさに今は私がご紹介した通り、ホテルマンを辞めた理由は、『結婚を機にもっと高い給料を期待できる仕事に就きたいから』と言っています。

ホテルマンとして働く女性

ホテルで働くホテルマンは、男性だけではなく多くの女性も活躍しています。むしろ、 最近のホテル業界は、女性が中心の業界とも言われています。

男性よりも女性の方がきめ細かなサービスができるとして、ホテルを運営する企業は男性よりも女性を優遇して採用することが増えているためです。

ホテルマンとして働く女性は、男性よりも体力的に弱い部分があり、労働時間の意味ではタフな面もあります。

しかし仕事内容はそこまでタフということはなく、女性ならではのお客さまサービスができるため、女性には向いている職種だと思います。

労働時間と給料の部分さえクリアできるのであれば、今のホテル業界は女性上位の文化になっていますし、女性の方が向いている職種とも言われていますので、女性の求職者の方は応募してみても良いと思います。

少し補足しますが、男性、女性に限らずホテルマンとして働く労働者は、給料が安いということがあり、一人暮らしよりも実家暮らしの方が多いことも特徴の一つです。

女性の求職者の方で、実家暮らしをされている方は、給料面も家賃は必要ないと思いますので、そうすると普通のOLと同じ給料になるのかなと思います。

転職市場におけるホテルマン

転職市場におけるホテルマンの求人ですが、転職エージェントにも求人はありますが、転職サイトに多く求人が掲載されていますので、転職サイトも軽視せずに利用した方が良いと思います。

ホテルマンの求人については、離職率が高いため、多くのホテルが求人を公開しています。

ホテルマンを希望する求職者のみなさんにとっては転職しやすい状況にあると思います。

ただ、 ホテル業界は全体的に新卒文化
です。

転職しやすいと言っても、ホテルのなかには新卒しか採用しないホテルもありますので、このあたりはあらかじめ情報収集した方が良いと思います。

また、ホテルに直接、採用しているかどうかを問い合わせすることも転職活動の一つだと思います。

ホテルマンの選考基準

ホテルマンの選考基準は、学歴は関係なく高校、短大、専門学校を卒業した求職者の方でも応募資格があります。

また、性別については、先述の通り、男性よりも女性の方が有利な状況になりつつあります。

新卒採用では、適性検査があったり選考ハードルは高かったりするのですが、中途採用においては、決して高い選考基準にはなっていません。

ホテルマンを希望する求職者の方にとってはありがたいことだと思います。

労働時間は長く給料は安いですし、選考ハードルはそこまで高いものではないですが、ホテル業界はブラック業界ではない ので、この点はご安心いただけるのではないかと思います。

ホテルマンの選考内容

ホテルマンの選考内容は、まず書類選考があり、次いで面接を2回ほど行い、内定となります。

適性検査はないホテルが多い です。

面接内容については、私もある有名ホテルのホテルマンの面接に同行したことがありますが、特別な質問はなく、ごく普通の内容です。

ただ、ホテルによっては、「多くのホテルがあるなかで、なぜ、そのホテルを希望するのか」を気にするホテルがありますので、質問を受けた際に、しっかり、そのホテルでなければいけない理由を持っておいた方が良いと思います。

つまり、必然性ということになります。

事業内容ではなく、ホテルのホームページなどから、 そのホテルのこだわりや、ホテルを経営する企業の企業理念をヒントに必然性となる志望理由を準備した方が良い と思います。

ホテルマンのヘッドハンティング状況

最近、外資系のホテルや高級ホテルが新規参入することが増えていると冒頭でご紹介しましたが、 ホテルマンは結構、他のホテルからヘッドハンティングを受けることが多いです。

ホテルによっては、一般の転職市場に求人を公開して中途採用活動をするよりも、自分が宿泊客としてホテルに泊まり、実際にホテルマンの接客の質を体感して優秀と感じたホテルマンをヘッドハンティングすることもあるそうです。

先ほど、離職率が高いとご紹介しましたが、ホテル業界やホテルマンの離職率には、ヘッドハンティングによる退職も含まれています。

ホテルマンとしての転職を希望する求職者の方は、ヘッドハンティングを受ける現役のホテルマンとも競い勝ち抜かなければなりません。

高級ホテルであればあるだけ、ヘッドハンティングする機会は多いですので、ホテルマンの転職市場はそこまで難しくないとしても、高級ホテルはやや別物だとも言えます。

ホテルマンになりたい求職者は、長く続ける体力と精神が絶対必要!

ここまでホテル業界のお話も含めてホテルマンについてご紹介しましたが、求職者のみなさんはホテルマンについて、どのようなイメージを持ちましたか?

私も転職エージェントとなってからホテル業界やホテルマンの職種を具体的に知りました。

求職者のみなさんは、転職活動において、あまり知らない業界や職種については徹底的に調べた方が良いです。

その例の一つがホテルマンだと思います。

ホテルマンとして働くということは、労働時間が通常よりも長いですし、労働時間が長い上に、安い給料となっています。

福利厚生に自分が在籍するホテルの宿泊を無料、または、割引で利用できるメリットはあっても、体力は必要ですし、早朝や深夜の時間帯にも当たり前のように仕事をするため、精神的にもタフであることが求められます。

ホテルマンは離職率が高いため、求職者の方もその部分については、 今一度、再検討してからホテルマンの求人に応募した方がリスクは少ない と思います。

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