採用する企業の採用の裏側を教えます!転職は企業の採用事情を知ることが大切!!
みなさん、こんにちは。
転職市場は
- 転職活動をして転職を希望する求職者のみなさん
- 採用活動を行い採用を希望する企業
この両者が主役の市場です。これは当たり前のことですが、この両者の関係性を端的にいうと強者と弱者です。
強者とは採用する企業で、弱者とは転職する求職者のみなさんです。
求人によっては、この関係性が逆転することもありますが、ほとんどの場合この関係性は逆転することはありません。
求職者のみなさんが企業の選考を受ける際、特に面接において、『面接官から見られている』という感覚を持つことが多いと思います。
また、求職者のみなさんは、企業から『採用される』ということを考えていると思います。
いずれの場合も表現が受け身の性格を持ち、求職者の皆さんは『~される』という状況になります。
今回の記事の目次
求職者のみなさんは企業に合わせなければならない
求職者のみなさんは、企業から採用されて転職することができます。
求職者のみなさんにも、もちろん求人を選ぶ権利や企業を選ぶ権利があります。
しかし、求職者のみなさんが置かれた状況は、転職しなければ生活することが難しいという状況にありますので、どうしても弱い立場になってしまいます。
企業も採用しなければ、人材不足により経営をスムーズに行うことや事業を円滑に進めることに支障が出ることがあります。
しかしながら、数の原理が作用します。
仮に採用を前向きに考えている求職者の方が辞退したとしても、企業からすると他にも求職者の方は多くいますし、その求職者の方を絶対に採用しなければいけない理由はありません。
求職者のみなさんのなかには『それは求職者である自分も同じこと』と強気に考える方もいると思います。
しかし、転職市場には多くの求人があるとは言えそれ以上に求職者の数は多いです。
そのため、一つの求人を容易に辞退してしまうと、他の求人で必ず転職できるとは限りません。
企業は、経営をする上で多くの従業員を雇用していますので、仮に採用に苦戦しても組織の人事異動などで対応することはできます。
求職者のみなさんは、仮に転職活動が苦戦したとしても、現職にとどまることは既に考えていないため、転職できないということは大きなマイナスになります。
このような背景があるため求職者のみなさんは、企業に採用されるという立場にあります。
そうならば、採用する企業に合わせて転職活動をすることが必要になります。
私は現在、転職エージェントとして転職支援と企業の採用支援を中立的な立場で活動しています。
ところが両者の関係性を見ると、求職者の立場はどうしても企業に合わせることが必要な、弱者であることが現実にあります。
今回のテーマは?
今回は求職者のみなさんが採用されて、転職先となる企業の採用事情をご紹介したいと思います。
私は転職エージェントとして活動する前は、企業に在籍して十数年、人事の責任者として自分自身が中途採用にも関わってきました。
また、求職者として転職活動をした経験もあります。
求職者として転職活動をしていた時代は、人事としての経験を踏まえて転職活動をしました。
ある程度、企業の思惑やどのような事情が採用にはあるのか把握していましたので、他の求職者の方よりも転職活動は円滑に進めることができたと思っています。
何事もそうですが、相手がいる以上、相手を知ることは自分の武器にもなります。
転職活動も、求職者のみなさんからすると企業という相手がある以上、企業を知ることは自分の転職活動を円滑に進める武器になります。
転職市場の情報だけではなく企業の採用事情を知り、自分の転職活動に役立ててほしいと思います。
企業の採用事情を知ることで、相手の思惑や考えていることが分かるようになり、対応も変えることができると思います。
書類選考や面接においても、相手が良いと考えるような対応をできれば、通過する確率も上がると思います。
元人事として当時の採用事情や、交流がある他の企業の採用事情を踏まえて、転職活動をするみなさんの転職活動に役立てる情報を提供したいと思います。
人事担当者の企業内の立場
企業の採用活動の中心人物は人事担当者です。どの企業の人事担当者も、その企業に在籍する労働者です。
労働者である以上、在籍する企業に労働力を提供し貢献することで給料をもらいます。人事担当者はボランティア従業員ではありません。
企業において人事の役割は
- 人事制度を策定すること
- 採用
が中心になります。人事制度は、人事のなかでも限られた人しか担当することができません。
よって、どの企業でも人事に求める仕事の中心は採用になります。
企業は組織であり、組織は人で成り立っています。
人が企業を支え経営を支えますので、どのような人材を採用するのかにより人事としての評価が決まります。
人事は、企業内において直接、企業の売り上げや利益に貢献するポジションではありません。
企業や経営を支える人を採用する仕事になりますので、将来的に、人事が採用した人が企業に貢献してくれる人材であれば人事の評価は上がります。
そのため、人事は採用においての成功と失敗が自分の評価に直結することになります。
その企業に在籍している以上は、自分の昇給や昇格にダイレクトに影響することになります。
人事は企業内において、そのような立場であるかどうかを把握すること。
それを踏まえて人事担当者に対しての接し方を変えることは、転職活動にも役立つと思います。
人事担当者は強気にならない!
人事担当者は、面接での発言に関してかなり神経質になっています。
というのは今の時代、インターネットの普及により企業の評判が書き込まれて、それが拡散されることがあるためです。
良い評判は書き込みされても問題ないことで、誰に読まれても問題ないのです。
逆に悪い評判を書き込まれてしまうと、それを上司やその企業で働く従業員が見た場合、確実に人事担当者が指摘を受けますし社内的な評判を落とすことになります。
悪い評判は誰しも面白半分で、その内容を広めたり、事実とは違う範囲まで誇張したり誇大表現することがあります。
一度広まった悪い評判は、最悪の場合ブラック企業などと騒がれて、その企業にマイナスの影響を及ぼすことがあります。
そのため人事担当者は、面接では当たり障りなく対応することが基本になっています。
面接中は、求職者のみなさんを否定することはほとんどなく、終始、笑顔で求職者のみなさんを評価しているように対応します。
しかし、それはあくまで表向きなことで、心のなかでは真逆のことを考えていることが多いです。
求職者のみなさんは、この点をしっかり押さえて面接内で調子に乗り過ぎてボロが出たりしないように心掛けましょう。
人事担当者は、結構、策士です。本当のことを、面接内で求職者のみなさんに言うことはほとんどないと思って良いと思います。
本音を話さないということは?
先ほど、人事担当者の面接での対応をご紹介しました。
本音で話すことはほとんどないということは、求職者のみなさんが面接内でその企業の課題や短所を聞いたとしても、当たり障りないことしか教えてくれない。本当の部分は絶対に言わないということです。
求職者のみなさんは、面接内で企業の課題や短所を面接官に聞いたことはないでしょうか?
その答えが、
『残業が恒久的に多い。大体、1日2時間か3時間程度。』
『部署間の連携があまりうまくいっていない部署がある』
など、どこでもありそうな回答をもらったことはないでしょうか?
まさにこのような回答は、どこにでもある企業の文化であり、この課題や短所がない企業はどこにもないと思っても良いでしょう。
特に年齢が若い求職者の方に多いのは、面接を受けた企業の課題や短所が今ご紹介した程度と説明されて、他は良い状況であると考えてしまいます。
そして、その企業への志望度が上がり、内定後に転職するパターンです。
求職者のみなさん、ぜひ冷静に考えていただきたいです。今、私がご紹介した人事担当者がおかれた立場を理解してください。
人事担当者は、自分の評価を気にして、悪評が広まることを恐れて、本当のことは面接では言いません。課題や短所に関しても同じです。
人事担当の評価対象は採用です。
面接は、人事担当者からすると求職者のみなさんを評価する場所です。それと同時に、面接は、その求職者のみなさんに企業の魅力を伝えて転職意欲を上げる場所です。
そのような場所で、求職者のみなさんが志望度を落とすようなことを人事担当者が言うと思いますか?
面接という空間は、建前が基本の表面上のやり取りが多いです。特に人事担当者の場合は、建前が中心です。
人事担当者の言葉を鵜呑みにして、そのまま転職してはいけないのです。
書類選考においても人事担当者の評価が絡んでいる!
企業の選考フローには、ほとんどの場合、面接前に書類選考があります。
この書類選考こそ、求職者のみなさんが苦手とする選考フローだと思います。
人事として仕事をしていた当時の私も、書類選考が非常に面倒でした。
さて、ここで問題です。
なぜ人事であり、書類選考を受ける側でない私が書類選考に対してネガティブに考えていたのでしょうか。
答えは、非常に業務量が多いためです。人事担当者は企業や上司から、採用において、『スピード』と『優秀』を求められます。
まず、『スピード』については、採用は将来的に経営や事業に関わる人材を採用することになりますので、採用の遅れは経営や事業の計画の遅れを意味します。
そのため、どの企業でも採用スピードを上げて採用することが人事担当者には求められていますし、評価項目には『○カ月以内に求人のクローズをする』という内容も実際にあります。
また『優秀』においては、言うまでもありませんが、いかに優秀な人材を採用するかが、経営や事業に良い影響を与えるということで人事担当者の評価項目になっています。
人事は間接部門でありながらも、採用については、営業職と同じく定量的に目標を設定することができる。明確に評価される仕事になっています。
人事には定量的な目標があり、定量的に評価されることがあるために、採用においてはかなり神経質になっています。
私も人事として同じように定量的な目標があり、定量的に評価されることが普通にありました。
採用については、かなり精神的にしんどい思いをしたことがあります。
人事はこの評価を上げるために、採用活動の中心人物として採用を行っています。
企業と人事担当者は違う
冒頭で、転職市場は企業が強者で弱者が求職者のみなさんとご紹介したと思います。ここで言う企業とは企業そのものや経営に関わる立場の人を言います。
同じ企業でも、人事担当者は求職者のみなさんと同じように、人事担当者を取り巻く閑居を考えると明らかに弱者です。
弱者である人事担当者からすると強者は、求職者のみなさんと同じように企業です。
人事担当者は、求職者のみなさんと立場は違えど、同じように強者である企業から評価を受けます。
求職者のみなさんは、選考を受けた企業の人事担当者から異常にしつこく入社を勧誘された経験はありませんか?
もちろん、その求職者の方は優秀であるためもあります。
ところが、人事担当者がしつこく入社を勧誘する場合は、その担当者が経営者や上司から早く採用クローズするように強く言われているのかもしれません。
せっかく内定を出しているにも関わらず辞退されては企業としても経営や事業の遅れになる場合もありますので、避けたいところです。
人事担当者は、内定を出した求職者の方には、何が何でも入社してもらわなければ自分の評価が悪くなることは知っていますのでしつこく入社を勧誘する行動を取ります。
求職者のみなさんは、しつこく勧誘されると、『自分をそこまで求めているのであれば、転職しよう』という、誤解により転職してしまうことがあります。
勧誘には、人事担当者の思惑や自分の評価を気にしているためであることがありますので、勧誘に流されない方が良いと思います。
人事担当者の評価のために、自分の人生が犠牲になることはあってはいけません。求職者のみなさんは、ぜひ、ご注意ください。
書類選考とスピードと生産性
さて、先述で私は、人事として書類選考について、その業務量が多いため面倒になるとご紹介しました。
人事担当者は、『スピード』を企業から求められて採用活動の中心人物として行っているのですが、一番、手間がかかり時間を要する工程が書類選考です。
転職市場では、企業が応募数に上限を設ける場合がよくあります。
求職者のみなさんからすると、結構、厄介なことです。たった1日、応募が遅れただけで、応募すること自体ができないこともあります。
せっかく、自分が希望する条件に合致する求人を見つけても応募できないのは悔しいと思います。
この応募数に上限を設ける場合、企業というよりも人事担当者が独自に行っていることが多いです。
企業や上司からはスピードを求められ、実際の書類選考は非常に手間がかかりスピードを担保したくても担保することができない板挟み状態になっています。
そこで人事担当者は、スピードを意識し、書類選考の手間を簡素化するために応募数に上限を設けるのです。
上限を設けることは、優秀な人材の応募を妨げることにもなりますが、それはあくまで確率論の世界です。
応募数に上限を加えても優秀な人材の応募があることもあります。
そのため、人事担当者は応募数に上限を設定してスピードを重視しています。求職者のみなさんは、上限がある求人の場合は1日も早く応募した方が良いです。
人事担当者の評価項目にスピード感があり、書類選考の手間を省くことに生かしていますので。
書類選考の手間をもっと省く方法
人事担当者は、さらに書類選考の手間を省きスピードを意識するために、一目で分かる学歴を重視している場合があります。
求職者のみなさんからすると、非常にありがた迷惑の話になります。
もちろん、企業の文化で学歴偏重を取る企業もあります。その場合、過去の採用実績を転職エージェントなどから聞くことで分かります。
学歴偏重の文化を持たない企業でも、人事担当者の書類選考の手間を省くために、学歴カット方法を書類選考に入れている場合があります。
私はさすがに人事時代にこのようなことはしたことはありませんが、企業のなかには、人事担当者の判断で、学歴カット方法を取り入れる場合もあります。
その場合、いかに業務経験が求人の条件を上回っていても、書類選考が通過するということはありません。
求職者のみなさんは、書類選考で見送りが続くと自信を失い転職活動に対して、当初の希望条件を広げたり転職条件を下げたりすることがあります。
転職活動における選考は、書類選考と面接です。
この裏事情を知れば分かると思いますが、書類選考とは、選考とは言えない単なるスクリーニング作業です。
この単なるスクリーニング作業で見送りが続くからと言って自信を失う必要は一切ありませんし、気にすることも全くありません。
面接で見送りが続く場合は、どこかに問題がある場合が多いですので求職者の方は改善が必要だと思いますが、書類選考はその性格が全く違います。
あえて言いますが、求職者のみなさんは『書類選考ごとき』で、自分の人生を左右する転職活動の条件を無意味に広げたり引き下げてはいけません。
希望とは違う企業に結果的に転職することは絶対にやめていただきたいと思います。
書類選考は無意味
元人事として、現在、転職エージェントとしての経験を持つ私から言わせると書類選考は無意味なものです。
選考とは言えない性格を持ち、しかも、その性格は、求職者のことは考えず、企業の採用活動だけを考えているための方法です。
求職者のみなさんは企業の選考を受けるにあたり、大半の場合、書類選考からスタートすると思います。
書類選考は、単に企業が採用活動の生産性を上げ、業務量を減らすことが目的です。求職者のみなさんは、書類選考の結果が良くても悪くても無意味なもので、本当の選考は面接だと考えた方が良いです。
転職エージェントとして企業の採用支援をしていますが、どの企業も、書類選考については業務の簡素化が目的と言っています。
時間があるならば、時間が許されるならば全員と会って判断することがベストと思っています。
書類選考で自信を失うことは、全く意味のないことです。今、転職活動をしていて書類選考で見送りが続く方は、運がなかったと前向きに考えるぐらいがちょうど良いと思います。
求職者として転職活動をしていた当時の私は、書類選考についての裏事情は既に知っていました。結果に対して快く思うことはありませんでしたが、自信喪失になることはありませんでした。
今の転職市場は、求職者のみなさんにとっては幸いなことに売り手市場で求人が多くあります。
書類選考の結果で一喜一憂するよりも、他の求人にどんどん応募した方が『転職活動の生産性』は高いと思います。
企業と人事の考え方に違いがある!
企業と人事担当者の関係は、既にお伝えしたように強者と弱者です。
評価する側の企業と評価される側の人事担当者ということで、立場は違います。
採用活動は企業が行うものですが、実際の実務は人事担当者が行います。
企業が理想とする採用活動や、採用を実務として行う業務は違いがあります。
面接の前半は人事担当者が担当しますので、求職者のみなさんは人事担当者の思惑に合わせて面接を受けることが必要です。
一方で面接後半は人事担当者の上司や社長が担当することが普通ですので、企業に合わせた対応をすることが必要です。
つまり求職者のみなさんは、同じ企業の選考でありながら、選考の途中で柔軟に対応を変えて相手に合わせることが求められます。
企業の組織は、上層部と現場で考え方が違い面倒臭い部分があります。それは選考においても同じです。
求職者のみなさんは、相手の状況を知り、相手の実情を知り、相手に合わせることが選考突破のポイントの一つになります。
ぜひこの部分を柔軟にご理解いただき、ご自身の転職活動に役立てていただければと思います。