転職活動は人生に繋がる大事なこと!安易な安直な判断は転落人生の始まり!!
あなたは今自分が行っている転職活動について、どのようにお考えですか?
私は現在、転職エージェントとして多くの求職者の方の転職支援をさせていただいていて、多くの求職者の方を見ています。
転職エージェントとして活動をする前は、企業の人事部長として採用活動に十数年携わり、そのときも選考を通じて多くの求職者の方を見てきています。
自分自身、採用される立場として何度か転職活動を行ってきました。
こういった経験も踏まえつつ、転職について今一度考えてほしいと思っています。
転職活動や転職は安易な気持ちですることではないということを強く言いたいです。
今回のテーマは?
転職活動は、簡単に言えば、仕事を探す行動であり、転職は仕事を変えることを意味します。
仕事は人生の大半を費やすことであり、仕事を通じて生活を保つことができます。
転職活動をされているあなたは、どのような理由で転職活動をしているのでしょうか?どのような理由で転職を決意するのでしょうか?
転職活動を、単純に仕事を変えるための行動と考えている方もいらっしゃると思いますが、その転職活動が、自分にどのような影響を与えるのか考えたことはありますか?
先ほど、お話したように、転職活動は人生に大きな影響を与える人生のターニングポイントでもあります。
私は、転職エージェントとして、転職で良い方向に向かった方も、人生が転落している方も知っています。
やっている行動は同じでも、転職活動や転職に対する考え方の重みでその後が変わってくるように思います。
人生の時間の使い方
人間であれば、誰しも生まれた瞬間から平等な時間を持っています。
生まれた環境や外的な要因は違っても、時間だけはいつでも平等です。
人は社会人になると、この時間を仕事に費やすことになります。
食事時間、睡眠時間、趣味に使う時間などもあると思いますが、一日の半分以上は仕事に費やしていると思います。
転職は仕事を変えることですので、人生の大半をかけた行為だということです。
私は、転職エージェントで求職者のみなさんにこの話を必ずしています。
転職は仕事に直結することで、転職活動は、仕事に直結する転職の準備期間です。
転職が失敗する意味
転職が失敗するということは、人生の失敗に直結します。
その時仕事でうまくいかないことがあれば、プライベートで楽しいことがあっても100%楽しむことは難しいと思いますし、予定をキャンセルして職場に向かうこともあると思います。
私も自分自身で経験がありますが、どれだけ楽しいことがあっても、仕事でつまずいている場合、頭から仕事のことが離れませんでした。
私は新卒で営業職として入社したころ、休日に義務がないにも関わらず、成績が気になって営業活動をしたこともありますし、休日に1人で街中を歩いているときに目に入った会社をメモして、週明けにテレアポをした経験もあります。
仕事が人生に与える影響は大きく、日常生活の楽しみを奪うということもあるのです。
転職は例外なく成功しなければならない
転職市場は時間と違って、どのような求職者の方にも平等な市場ではありません。
転職市場は、転職活動をする求職者のみなさんが、求人を公開して採用活動を行う企業から評価を受けて転職する市場です。
企業が評価をする経験などの要素がみなさんの最大の武器であり、求職者の方それぞれに違います。
他にも年齢や性別、性格の違いもあり、いかに他の求職者の方よりも高い評価を受けるかにより、転職活動は変わります。
平等ではなく競争市場である転職市場では、自分の希望通りの企業に転職できた人もいれば、自分の意図していない企業に転職してしまう方もいます。
転職とは、求職者の人生を好転させるような活動ではありますが、人生にマイナスな影響を与えることもある恐ろしい行動です。
転職で人生が好転した求職者
ここで、転職が人生に好転をもたらした方の転職支援を通したエピソードをご紹介したいと思います。
私は、転職エージェントとして、転職の成功はあっても、失敗は絶対にあってはいけないことだと思います。
転職に不思議な成功はあっても、不思議な失敗はありません。失敗にはそれなりの理由があると思います。
私が今回、ご紹介する求職者の方は高卒で、学歴としては劣ります。
しかし、新卒から一貫して営業職として10年間、同じ企業で営業職として地道に働いていた方です。
面談を通して、不器用でも真面目な性格だということはすぐに分かり、学歴は劣るとしても良い転職ができるのではないかと思っていました。
しかし私の読みは当たらず、高卒では応募することすらできない求人が多く、のっけから苦戦が続きました。
私は転職エージェントとして、真面目で素直なその求職者が学歴に負けてほしくないと思い励まし続けましたし、取引がある企業に高卒でも応募を認めてほしいというお願いもしました。
しかし、転職エージェントが採用基準などに関与することはほとんどできない立場で簡単なものではなかったです。
苦戦状態が続いたなかで、良好な関係にあったある企業から例外的に、書類選考は無条件通過で、面接まで持っていくことができました。
その企業とは?
その企業は、今では誰もが知るIT業界のメガベンチャー企業です。
当時は急成長していたものの、今のような企業規模や知名度はありませんでした。
しかし、私は絶対に成長する企業だと予感していたので、転職を勧めました。
面接官も真面目さやひたむきな姿勢を高評価して、大卒でもなかなか内定を勝ち取ることが難しいその企業から内定をもらうことができています。
転職後は役職なしで、給料も前職より低いものとなりましたが、転職後の昇給や昇格のスピードが明らかに違いました。
私も営業職として働いた経験があり、直感的な部分で求職者が内定先の企業との相性が合うと感じ、絶対に出世できるという自信がありました。
この「IT業界のメガベンチャー企業」の時価総額は、そこそこの大手業を上回り、毎年求職者の人気上位に入る企業です。
今では中途採用の基準が高くなり、私も求職者の方を紹介していますが、ほとんど見送りになっています。
その求職者の今
その求職者は、私の確信に近い予想通り、転職後も真面目に働き続けて、順調に出世して今では誰もが知る企業の執行役員です。
その企業で高卒の役員は誰もいませんし、その求職者の方が最初であり唯一です。
私も、さすがに執行役員まで登り詰めるとは思ってはいませんでした。
年収についても、転職時は月収30万円弱のところが今では10倍ぐらいです。
たまに食事をしますが、私を恩人のように接してくるので、非常に困惑しています(汗)
この求職者は、私が見たなかで一番、転職成功したと思っています。
転職成功とは自分の希望通りの求人に転職できたことではなく、転職後に長く働き充実した働き方ができ、良い労働条件を手に入れることです。
転職はゴールではなく、単なるスタートに過ぎません。
どれだけ希望通りの求人で転職できたとしても、転職後に自分が希望したような働き方ができないようでは成功とは言えません。
転職はゴールでも目的でもなく、仕事のための手段です。
この視点を間違えるとかなり浅い転職になってしまいますので、本当の成功は転職後にあると思ってください。
転職で人生が転落した求職者
次に、転職で人生が転落した求職者の話です。
求職者のみなさんには、転職失敗を考えてほしくないですが、リスクマネジメントという意味で頭の片隅に入れてほしいと思います。
転職エージェントとして、転職失敗している求職者の方も数多く見ていますが、これだけ極端に転職が人生に悪影響を与えたケースを私は知りません。
この求職者の場合は、それまでの経歴に自信があったため、現職をきっぱりやめて短期間で転職を決めるということでした。
私の転職エージェントに登録にいらしたときには既に現職を退職していたのですが、どれだけ経歴に自信があっても一見効率的に見える現職の退職はやめてほしいです。
転職活動自体は確かに効率的なのですが、安定のある生活は送れませんし、いつ転職ができるかも分かりません。
また、転職活動は、あくまで手段や方法であり、仕事を変えるための準備期間です。転職活動をすることで給料が入るということもありません。
自信がある経歴
その求職者は確かに悪い経歴ではないですが、現職を辞めても企業から引く手あまたとは言えない程度の経歴だと感じました。
実際に転職活動をしても書類選考で見送りになることが多く、通過割合は一般的な求職者の方と同じぐらいでした。
この求職者のまずかった点は、現職を退職してしまったことの他に年齢があります。
この求職者は45歳で総務部長でした。
年齢が上がり役職が高くなると、企業の多くはヘッドハンティングに軸足を置き採用活動を行う傾向があります。
総務部長であり、年齢が45歳となると、一般の転職市場には求人数が少なく転職活動はそもそも苦戦します。
この求職者の方の経歴はヘッドハンティング市場では通用しない経歴です。
この求職者は、1年程度、仕事をしなくても生活できる貯金がありましたが、結婚していて専業主婦の奥さまと小学生の子供が2人いました。
結局、転職決定したのは2年後です。
途中から奥さまもパートに出て働きましたが、生活水準に追いつくぐらいの収入ではなく、かなり困窮していたそうです。
史上最大の転落
この求職者は総務部長で転職することはできず、不動産営業として転職しています。
不動産業界はハードワークで離職率が高く、営業職はかなり厳しいとは言え、転職できたことはひとまず良いと思います。
ただ、この求職者は無収入期間に妻の収入に頼ってしまったため、奥さんが愛想をつかせて子供と一緒に家を出てしまったのです。
転職後に生活を安定させて迎えに行くつもりで必死に働いたそうですが、今まで間接部門の総務で長年仕事をしてきた人が一番ハードな業界の一番ハードな職種で簡単にうまくいくはずがありませんでした。
上司も自分の年齢より一回り下だったようで、プライドが邪魔をして転職から1年で退職しています。
そのとき私のもとに相談に来たのですが、さすがにどうにもできないという状況で、結局離婚し仕事をなくし、貯金もないという最悪な事態でした。
転職はこのような悲劇を招くこともあります。
家族の人生も大きく変えることになります。
この求職者の方のように人生を転落させてしまった方は他にもいますが、これだけ全てを失った方は他にいません。
私は、転職は人生に大きな影響を及ぼす非常に怖いことだと思っていますので、転職を簡単に考えていたり、逃げ道のように考えている方には転職をしないようにアドバイスしています。
人生=転職+仕事
ビジネスマンにとって、一家の大黒柱となる方にとっては、仕事が人生に与えるインパクトは大きいです。
その仕事を探す手段が転職活動であり、仕事を始めるスタート地点が転職です。
転職を軽々しく考えて、内定が出たので転職を決めたなんて安直な判断はやめましょう。
転職は重いことだと再認識していただきたいと思います。
最後になりますが、求職者のみなさんの転職活動が充実し有意義なものであることを祈り、これで話を終わりにしようと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。