求職者の自己PRが転職活動を有利にする!自己PRが求職者を不利にすることもある!
みなさん、こんにちは。
求職者のみなさんは、転職活動において自分の強みや弱みを理解した上で活動されていますでしょうか。
強みと弱みは、面接では必ずと言って良いほど企業から質問を受けますので、必ず自己分析などを行い、アウトプットできるようにしておく必要があります。
私は転職エージェントとして求職者のみなさんの転職支援をさせて頂いてますが、求職者の方のなかには自分の強みと弱みをあまり把握していない方がいます。
転職活動は、転職先を見つけることが目的ですが、自分のことを知る良い機会でもありますので、自己分析などにより自分を知る機会にして欲しいと思います。
さて、求職者のみなさんは企業の選考を受ける際に、面接の前に書類選考を必ず受けるはずです。
今回のテーマは?
書類選考とは、企業の思惑が大きく働き、企業の採用活動を円滑に無駄なく行うための手段で、多くの求職者の方が苦手とする選考の一つだと思います。
私の求職者時代の話をすると、苦手だったことが結果に表れていて、感覚として面接や適性検査よりも遥かに書類選考の通過率は悪かったと記憶しています。
この記事を読んで頂いている求職者の方のなかにも、他の選考よりも書類選考の通過率が非常に低く、大きな悩みの一つになっている方もいると思います。
今回のテーマは、求職者のみなさんが苦手とする書類選考との関係性が強い自己PRを中心に、いろいろな情報をご紹介できればと考えています。
書類選考と自己PRは関係性が強い?
まず、書類選考と自己PRです。この二つは関係性が強いです。理由は、書類選考には履歴書や職務経歴書が必須であるからです。
この履歴書や職務経歴書には、これまでの業務経験や実績、スキルなどを記載することはもちろんのこと、志望動機なども記載することが普通になっています。
この履歴書や職務経歴書に記載する項目のうち、自己PRという内容も求職者のみなさんにとっては外せない項目だと思います。
履歴書や職務経歴書には成功法則がある?
もちろん、履歴書や職務経歴書には、必ずこうするべきという答えはありません。形式や内容については、求職者のみなさんそれぞれに決めて問題ないです。
しかし、転職活動中の求職者の皆さんからすれば、できることなら書類選考の通過率を上げたいと考えることが普通だと思います。
そのため、明確な答えはないものの、ある程度、『こうした方が良い』という成功法則に近い履歴書や職務経歴書の形式や内容があります。
書類選考という選考特性
書類選考という選考フローは、求職者時代の当時の私も含めて、求職者のみなさんからすると、どうして苦手意識が強いのでしょうか。
理由は、面接との対比で考えると一目瞭然なのです。面接の場合は、実際に企業に訪問して面接官とコミュニケーションを取りながら選考を受けることがでます。
しかし書類選考は、選考の場に求職者の方が同席することはできないため、提出した履歴書や職務経歴書が選考されているのか分からない状況になっています。
人事が着目しているポイントを知ることはできない
また、企業や人事担当者それぞれに書類選考のポイントは異なり、履歴書や職務経歴書の内容のなかで、『この点に着目している』というポイントがあります。
しかし書類選考の場に居合わせることできないため、着目しているポイントに対して、求職者のみなさん自身が補足で加えることもできないのも理由の一つです。
書類選考とは言ってみれば、企業本位の選考とも言え、応募する求職者のみなさんからすると、自分の力ではどうにもできない場合がほとんどなのです。
書類選考はあくまで応募数を減らすための手段
まれに企業のなかには、書類選考において気になるポイントがあれば、転職エージェントなどを通して求職者の方に確認する企業もあります。
しかし、ほとんどの企業では確認ということはなく、気になるポイントがあっても、深追いすることはなく、その段階で見送りにされてしまうことがほとんどです。
よくあることですが、書類選考結果を企業から受ける際に、『この企業はしっかり書類に目を通したのか?』というような理由で見送りを受けることもあります。
企業は、書類選考はあくまで応募数を減らすことを一番に考えており、仮に書類選考に見誤りがあったとしても応募は十分ありますので、気にすることはありません。
企業と求職者の間の温度差
書類選考に対する意識は、求職者のみなさんと企業の間で大きな温度感の差があります。
特に人気企業は書類選考に対する意識は非常に低く、少しでも気になる点があれば、選考見送りとし、履歴書や職務経歴書の他の部分を見ません。
企業は採用活動を行う上で、効率化を重視しているため、応募数が多ければ、それだけ処理選考の手間はかかることになります。
書類選考は見送りを前提に行っている
書類選考は、他の選考フローに比べると手間がかかる選考になります。そのため、書類選考は、見送りにして選考数を減らすことを前提にしています。
書類選考の特性や性格をしっかり理解していないと、求職者のみなさんは、自分の判断で、『これぐらいの内容で大丈夫だろう』と思ってしまいます。
しかし、書類選考する企業からすると、選考の土俵に上げるまでもないという判断で、簡単に見送りにされてしまうこともあります。
企業側の意図を理解して通過率をあげよう
私個人的な意見としては、是非、書類選考における企業の背景を理解して、書類選考の通過率を上げる努力をして欲しいと思います。
書類選考の通過率を上げる方法はいくつかあるのですが、そのなかでも、今回の主役である自己PRについては重要な要素になります。
企業の人事経験をもとに書類選考と自己PRの関係性についてご紹介したいと思います。
人事が着目するポイント
書類選考において、企業の人事担当者が着目するポイントがいくつかあります。なかでも、自己PRはよく見られていることを知って頂ければと思います。
書類選考は、その選考の特性上、時間と手間がかかります。人事担当者は、机上で書類とにらめっこすることになりますので、精神的にもしんどいのです。
私も経験がありますが、書類選考の前半は、疲れもなく精度を担保した状態で書類をチェックするのですが、中盤から後半にかけては、チェックの精度を欠きます。
書類選考では運も試されている!?
私も上司から書類選考のチェックの甘さを指摘されたことがありますが、他の企業の人事担当者も、書類選考の中盤から後半にかけては精度が下がる傾向にあるようです。
人事担当者も人であり、類似したり、偏りがあったりする履歴書や職務経歴書に記載された経験業務を長時間にわたり、確認していたらその精度は下がる一方です。
転職活動は運も必要と言いますが、書類選考においても運が左右することがあります。自分の書類選考が前半で行われるか後半で行われるかで結果が左右されるのです。
求職者によって違いがある項目
先述の通り、企業の人事担当者も書類選考においては非常に苦戦を強いられているのが実情です。苦戦するなかで、最も天敵となることがマンネリ化だと言えます。
求職者のみなさんも経験があるかもしれませんが、同じ業務を長時間繰り返していると、内容だけ見れば、それぞれ違いはあっても、全て同じ内容に感じることはないでしょうか。
私は書類選考で、マンネリ化によりすべての履歴書や職務経歴書が同じに見える錯覚を経験したことがあるのですが、そうなると書類選考の精度はかなり低下してしまいます。
人事が書類選考で目を通すのは『自己PR』
そこで、企業の人事担当者は、自分のマンネリ化を防ぐことも含め、また、求職者のみなさんの差別化を知ることも目的として、業務経験の他に必ず目を通すポイントがあります。
それが自己PRです。自己PRは、転職エージェントや人事の経験がある方であれば、ご理解頂けるかと思いますが、求職者のみなさんの個性が非常に出ます。
同じ内容であっても個性により書き方や表現方法が異なり、業務経験とは違った意味で個性が如実に表れます。
業務経験の差がないので自己PRで判断する
書類選考は、同じ職種であれば、応募資格でスクリーニングしていることもあり、業務経験という意味では、ほとんど差はなく、極論、誰を書類選考で通過させても遜色はないレベルです。
書類選考で求職者のみなさんを判断できるほど、人事担当者も神様レベルにはないため、書類選考のどの点を判断基準にするのかと言いますと、自己PRであることが往々にしてあります。
自己PRこそ、差別化!
今のところ、書類選考においては明確な改善の余地や対策がありません。ですので、人事担当者の興味を引く履歴書や職務経歴書にすることが一つ対策と言えるでしょう。
業務経験などその他のことでも差別化を図ることができれば問題ないのですが、同じ職種で、かつ、同じレイヤーであればどの企業でも経験する業務内容はほぼ同じです。
そうだとすると、やはり自己PRで他の求職者の方との差別化を図ることが一番手っ取り早いですし、一番差別化を図る項目になると私は思っています。
差別化を図るためには志望動機よりも自己PRに力を入れよう!
書類選考には、自己PRの他に差別化を図りやすい項目として志望動機がありますが、志望動機は、基本的に長く記載できないため、差別化を図るまでのアピール度には至りません。
自己PRの方が、自由度は高く記載できる範囲も幅広いと思いますので、志望動機とともに自己PRについても軽視することなく、差別化を図る意味でもこだわった内容にして欲しいと思います。
自己PRにより書類選考の通過率が大きく変わる!
私がここまで自己PRにこだわる理由は、企業から書類選考について、他の求職者の方と特別変わりがないことで、見送りになった求職者の方を多く知っているためです。
また、逆に、業務経験としては他の求職者の方と大して変わりはなくても、自己PRに個性があり、興味を持ってもらったことで、書類選考を通過した求職者の方も知っています。
自己PRに個性を出すことで差別化になる
履歴書や職務経歴書は、自己PRだけで判断されるものではないですが、企業が、中核的な要素である業務経験などで、求職者の方を差別化できないことがあります。
求職者の方に他の求職者と差別化出来るような特徴がない場合は、その求職者の方に対して会いたいとか面接したいと思うことはないと考えた方が良いでしょう。
そこで、自己PRに他の求職者の方との違いや個性があれば、それは一つの差別化になり、企業も書類選考だけではなく会ってみたいと思うと思います。
書類選考通過のコツは人事担当者の立場になって考えること
求職者のみなさんが、企業の人事担当者になったつもりで考えて欲しいのですが、書類の数も膨大で、内容が同じだとすれば、どこで判断し、面接へ通過させますか?
実際に、他の企業の人事担当者にどのような書類であれば通過して面接したいと思いますか?とヒアリングしてみたところ、今、お伝えしたように差別化や個性と言っていました。
書類選考の通率は他の選考フローに比べると明らかに悪いのですが、それならば、なぜ、通過率が悪いのかを知り、それを解決する方法を実行してみることが大事だと思います。
通過率が上がる自己PR
差別化を図る術としては、自己PRが最も良いことは先述でお伝えした通りですが、では、どのような自己PRが企業からの高い評価を受けて、差別化に繋がるのでしょうか。
あくまで参考レベルになりますが、私の転職エージェント、人事、求職者の三つの経験を踏まえて、通過率が上がる自己PRの内容についてご紹介したいと思います。
自己PRは長すぎず短すぎず
まず、形式については、A4用紙1枚程度にして欲しいと思います。何枚にも渡り自己PRを記載してしまうと、書類選考する人事担当者からすると読む気がなくなってしまいます。
ボリューム的には長すぎず短すぎずというぐらいが丁度良く、私の経験上、書類選考において一番、読みやすいボリュームがA4用紙1枚程度だと思います。
求職者の方の中には、思いを込めるという意味で手書きにしている方もいますが、書類選考において、手書きかPCを使って記載するかで選考に影響することはありません。
強みと弱みのバランス
自己PRの中心は、やはり、自分の強みと弱みだと思いますが、この強みと弱みはどちらに偏っても良くないです。
強みを中心に書いてしまうと、弱みを隠していると勘ぐりますし、弱みを中心に書いてしまっては自己PRでありながら、内容は自己PRになりません。
強みと弱みは6:4
全体を10とするならば、6が強み、4が弱みぐらいがバランスが取られていると思います。
書く順番ですが、強みの6のうちの3の割合を先に記載して、中盤に弱みの4の部分を挿入します。
そして、最後に強みの残りの3の割合を加えて全体の構成としては、強みで弱みをサンドするイメージが理想だと思います。
強みで弱みを挟み込む
強みで弱みをサンドすることにより、弱みの部分が強調されず、強みが弱みをうまく隠すことができると思います。
また、できればですが、強みが弱みの一部でもあることを示す表現だとベストだと思います。
つまり、弱みを単独で表現するのではなく、強みを表現する際に弱みも含めるという表現方法の方が、相手に与える弱みの印象は軽減されると思います。
書類選考の自己PRは言葉ではなく文字であることを忘れない
書類選考の場合は、自分の言葉で伝えることができませんし、文字になると同じ内容でも角が立ってしまったり、誤解を招く表現になることもあります。
是非、このあたりも求職者としての立場を忘れずに、相手を不快にさせない表現方法を使って頂ければと思います。
求職者の方のなかには、自己PRについて、異常に長い内容を記載している方もいますが、自己PRは簡潔に長すぎないことが良いでしょう。
自分の人生との一貫性ある自己PR
自己PRの良いところは、ビジネスに特化する必要性がないことです。そのため、自己PRは自分の人生全体を包括的に考えて記載することができます。
例えば、幼少期から学生時代まで一貫して何かを継続的に続けてきたことにより、得た強み、または弱みなどを仕事に置き換えて記載することも一つの方法だと思います。
自己PRには、一貫性というキーワードが重要
私も人事として多くの書類選考や自己PRを見てきましたが、自己PRの内容に一貫性があると妙に納得してしまい、面接してみようかなと思うことがよくありました。
求職者のみなさんも立場を変えて考えて欲しいのですが、バラバラの自己PRの内容よりも一貫性のある内容の自己PRの方が理由は違えど、共感できる範囲は広いと思います。
自己PRで転職活動を有利に進める!
自己PRは、書類選考においては中核的であり重要な要素を持つ内容ですが、自己PRは、書類選考後の面接などでも大いに役立つことです。
正確なブレない自己PRを作るためには、自己分析を徹底して欲しいです。自己分析を行うことで、必ず自己PRに必要なファクトは発見することができます。
自己分析がしっかりできていれば、書き方や表現方法だけの問題ですので、転職エージェントを利用している場合はアドバイスを受けることで十分、事足ります。
逆に、いい加減な適当な自己PRを作ってしまうと、書類選考ではかなり分が悪いと考えて欲しいです。他の求職者の方とは、ある意味差別化になってしまいます。
大げさな話ではなく、書類選考の通過率は、自己PRで判断される場合が多いですので、今回を機会に今一度、自己PRの重要性を認識して欲しいと思います。
最後になりますが、求職者のみなさんの転職活動が充実し有意義なものであり、転職後も自分らしく仕事ができることを祈り、今回の話を終わりにしようと思います。