【転職エージェントが語る】転職時の優良企業チェックはココ!
必死の思いで転職活動した企業が自分と合わず早期退職してしまってはもったいないですよね。
しっかりした転職エージェントは、企業から求人の依頼があった段階で「その企業はどのような企業か」「求職者に紹介して良い企業か」といったスクリーニングをしています。
ただ、それも絶対ではありません。
中にはミスジャッジでそのまま求職者へ紹介し、入社して内部事情が分かったということもあります。
転職エージェントは転職支援のサービスであり、冷たいようですが入社後はほとんど支援できない状況になっています。
今回は、その企業が良いか悪いか自分の目や耳で見極めるための判断材料をご紹介したいと思います。
私自身は、かつて何年も人事として活動し現在は転職エージェントとして活動しているため、このお話で少しでもお役に立てればと思います。
今回の記事の目次
優良企業はどんな会社?
一口に優良企業と言っても人それぞれ価値観が違うためはっきりと定義はできませんが、ある程度の傾向はあります。
私が企業の人事や転職エージェントをしていて取ったアンケート結果で、上位にくる回答内容は次の通りです。
- 離職率が低く、長期的に働ける会社
- 仕事とプライベートのバランスを取れる会社
- 評価制度がしっかりしていて、公平な評価基準がある会社
- 社長の人格が良い会社
- 給料が高い会社
大体の求職者はこれらを優良企業の定義としているようです。
私もこのアンケート結果は納得できましたし、私も求職者だった際は同じように思いました。
では、アンケート結果の各定義の見極めに紹介します。
離職率が低く、長期的に働ける会社の見極め
言うまでもなく、離職率が高い会社は自分もすぐ辞めることになるのではないかと不安になりますよね。
では、離職率が低く長期的に働ける会社はどのように見極めれば良いのでしょうか?
転職エージェントを利用している場合の見極め方
転職エージェントを利用している場合は、求人票に離職率の記載がある場合もあります。
記載がない場合は、キャリアアドバイザーに確認するのが良いです。
企業によっては離職率の定義を曖昧にしていることが多く『離職率1%』ですと言っても、離職率の計算期間や基準が違えば1%ではないことがあります。
離職率の計算は企業によって異なるので、キャリアアドバイザーへ確認する場合は「離職率を教えてください」ではなく「年度単位の離職率を教えてください」と聞いてください。
転職エージェントを利用しない場合は面接で質問する他ありません。
離職率を気にするとネガティブな印象を与えて面接に不利に働くかもしれないと思う場合もあるようですが、今はそのような時代ではありません。
企業も多くの時間や採用コストを費やして採用する訳ですし、短期間で離職されては時間やコストが無駄になりますので遠慮なく聞いて大丈夫です。
離職率が高いかどうかは業界や社風に起因していることもあります。
- 不動産
- 金融
- 人材
の三つは、『新卒で入社してはいけない業界』と言われるぐらいの離職率が高いです。
特に営業職の長期的な勤続は難しいと思います。
また、営業体質の会社は風通しが悪く、軍隊のような強い縦文化であることが多いです。
転職サイトを利用している場合の見極め方
もう一つは、転職サイトです。
転職サイトを定期的に見ていると、『この会社、いつも求人掲載しているよな?』と気付くことがあります。
常に求人を掲載している会社は離職率が高いため、採用しても採用しても離職しているのです。
単に業績が良いから常に採用している可能性もありますが、ずっと採用し続けるのは考えにくいので、このあたりからも見極めは可能だと思います。
仕事とプライベートのバランスを取れる会社の見極め
こういった回答は女性の求職者に多かったです。
離職率も見極めることができますが、先述でご紹介しましたので他の方法をご紹介します。
女性が働きやすい環境を整備しているかどうかで見極める
まず一つ目は、女性が働きやすい環境作りを整備しているかどうかです。
現在、国は、女性の社会進出が多くあり、また、税制的な確保を目的に、『くるみん』という認定マークの制度があります。
一定基準をクリアした企業が女性の働き易やすい環境を整備しているという証明で、ホームページ等にくるみんマークの使用を許可されています。
くるみんマークがある企業は、女性はもちろん性別に関係なく仕事とプライベートのバランスができる環境を持っています。
くるみんマーク取得の企業はワークライフバランスが充実している証拠
福利厚生で見極める
二つ目は福利厚生の充実です。
その中でも、福利厚生として家族への支援を持っている企業はバランスよく仕事ができる環境があると言えるでしょう。
福利厚生は、企業からするとあってもなくても良い制度です。
住宅補助とか、食事補助とか、家族の誕生日にプレゼントを贈るというようなものがあります。
従業員に毎月給料を支払っていれば福利厚生を提供しなくとも全く問題ないのですが、福利厚生が充実している企業は、働く従業員やその家族も企業の家族という考えを持っていて、社風が温かいです。
なお、補足として給料の他に賞与というものがありますが、この賞与についても企業としては支払う必要はないのです。
ですが、賞与は日本文化の特徴で今ではあって当然という立ち位置にあるので、『賞与をくれる良い会社だからバランス取れるだろう』ということにはなりません。
イクメン推奨の企業は間違いない!
もう一つ、絶対にバランスよく働けると言えるものがあります。
最近流行のイクメンを推奨している場合です。
最近は法令が改正されて、男性も育児休業を取得できますし、国が取得を推奨しています。
しかし、それはまだ努力義務であり義務規定ではありません。
そのため多くの企業では推奨はもちろん、休業してはいけない雰囲気が非常に強く残っています。
このような状況の中で積極的にイクメンを推奨する企業は、男性であっても家庭を大事にしてほしいという思いがあるので、間違いなくバランスが取れる環境だと思います。
ちなみに、日本のイクメン取得率は5%あるかないかぐらいですので、かなり低いです。
評価制度がしっかりしていて、公平な評価基準がある会社の見極め
どんなに頑張って働いても、正当な評価をされないのであればモチベーションが低下して、最悪は会社を辞めることになります。
ですので、転職先が正当な評価をしてくれる企業かどうかをしっり見極める必要があります。
転職エージェントを利用する場合、求人票にどのような評価基準があるのか記載もありますし、面接でも入社後の評価制度は聞いた方が良いです。
なお、インターネットには企業の評判を書いている口コミサイトがありますが、あまり信用しない方が良いです。
元従業員とか面接を受けたとか、どのような立場の人が書いたものかある程度分かりますが、このよう口コミサイトに投稿する人には根底に妬みやひがみがあり、あえて評判を下げる内容を書く場合が多いです。
「評価制度はあるもののしっかり評価されなかった」とかネガティブは書き込みが多いですが、こういった人は他人の責任にすることが多く、実はしっかり評価されてごく普通の正当な評価だったりします。
評価制度は企業の内部情報に該当し直接は表に出ないため、面接の場で自ら確認しましょう。
社長の人格が良い会社の見極め
特にベンチャー企業は社長が全ての部署の最終決定権を持つことが多いです。
このため、会社の社風に社長の性格や考え方がリアルに表現されています。
その企業の社長と直接話す機会はほとんどありませんが、最終面接は社長であることがほとんどです。
最終面接で社長の言動や表情、考え方に共感できるかどうかを見極めの材料にしてください。
言い換えると、社長と自分の相性とも言えます。
どんなに素晴らしい人格の社長であっても、自分の考えや性格と合致しなければ素晴らしい社長とは言えないでしょう。
社長と自分の相性が良ければ、自分にとっての優良企業と言えると思います。
給料が高い会社の見極め
これは男性に多いアンケート結果でした。
この場合の見極めは比較的簡単かなと思います。
転職エージェントを利用する場合は求人票を見れば良いですし、転職サイトを利用する場合は掲載要綱を確認です。
ただ、年収欄に『360万~1000万』という、やけに幅がある場合は注意して下さい。
この場合、恐らく年収は360万からのスタートとなると思います。
年収をフックに動機づけを図る採用戦略ですので、きちんと見極めましょう。
また、とにかく給料が高ければ良いと考える方は、業界や職種でも絞ることができます。
不動産、金融業界に給料が高い企業は多くありますが、離職率が高い業界ですのでハイリスクハイリターンです。
職種については、営業系で、特に新規営業に注力している場合は給料が高いです。
この場合、営業部署はその企業の花形的なポジションとなり、成果の分だけ高い給料を目指すことができます。
ただ、この場合も仕事は非常にハードですのでハイリスクハイリターンです。
給料が高い会社を優良企業と考える人には、必ずリスクが伴うとお考えいただいた方が良いと考えます。
女性の多い企業はどうか?
いくつかご紹介してきましたが、他にもいくつかあります。
女性が多い職場は一般的に、女性特有の仲良いグループが形成されていて男性は居心地が良くないと感じる場合があるでしょうし、女性の中にもグループに入ることを望まない人もいるでしょう。
しかし、このような状況を楽しめる人は、女性が多い職場は一般的には優良企業である確率が高いです。
女性が多い場合は風通しが良いことが特徴ですので、女性特有の環境に我慢ができるという方には優良企業となると思います。
最後に・・・
いろいろとご紹介しましたが、今回のご紹介はあくまで私の人事時代や転職エージェントとしてのアンケートをもとにしたものです。
優良企業の定義という質問に対してのアンケート上位にランクインしたものを優良企業と定義しています。
世間一般のものとは違う価値観や考えを持っている方もいると思いますので、今回の情報を参考程度として、面接などでご自身の目や耳で確認した方が良いと思います。
皆さんの転職成功が実現するよう、また優良企業への転職が実現しますよう祈り、これで今回は終わりにしようと思います。