今まであった様々な転職理由
今回、ご紹介するお話は『今までにあったさまざまな転職理由』です。
私が約3年間、転職エージェントとして活動してきた中で、皆さんの今後の転職活動に役立ちそうな内容をご紹介したいと思います。
20代前半の転職理由
まずは、第2新卒と言われる20代前半に多い転職理由です。
新卒で希望の会社に入社できなかったため、自分が納得できる会社で働きたい
この転職理由は景気が悪い時代によく見られます。
私が大学だった時代は就職氷河期でしたが、同様の理由で転職を希望する友人がたくさんいました。
しかし、この理由は実にネガティブです。
日本経済の景気が起因するため同情の余地はありますが、本人の今後のキャリアを考えると得策とは言えないでしょう。
このような理由で転職する方は転職を繰り返す傾向にあり、キャリアダウンの道を歩む事が多くあります。
転職エージェントとして、ぜひ今の職場の環境に対して柔軟に対応して3年は我慢した方が良いと思います。
20代前半で3年も継続的に就業できない人材への視線は結構冷ややかです。
労働時間が長いなど、労働環境に不満がある
この場合は、仕事について理解していないケースが多いです。
自分の企業がいたって普通の企業でもブラック企業なのではないかと疑ってしまっている状態です。
ブラック企業とは
- 残業代が支払われない
- 有休がない
- 月の残業時間が100時間を軽く超える
といった会社で、そうでないのであれば本人の甘えです。
大手企業は残業が少ないなどの利点がありますが、給与面はあまり高いとは言えません。
一方、ベンチャー企業で働く場合は労働時間が長く、裁量のある仕事に早くからつけるため給与は良いです。
この2つの背景を理解せず、労働環境に不満があるという理由で転職活動をするのは控えた方が良いです。
人間には慣れという特別なスキルがありますので、その環境に慣れて逆に居心地が良くなったりするものです。
やりたい事ができないから辞めたい!?
次の転職理由は『今の会社でやりたいことができないから辞めたい』です。
この理由は非常に危険です。なぜならば、世の中に最初からやりたいことができる会社はないに等しいからです。
環境を変えれば何とかなるだろうという方が多いのですが、転職してもすぐにやりたいことができる会社は残念ながらありません。
私の転職エージェントにも、転職すると今の不満が全て解決されて自分の思い描く環境で仕事ができると思っているような方が多くいらっしゃいます。
転職という行動を移す前に、今の職場環境に向き合い解決しようとする努力をすることが重要です。
これをせず転職するのが癖になり、気付いた時には転職回数が異常なほどになっている人も中にはいますから。
30代、40代になってもこの理由ですぐ会社を変えたいと思ったら、もう取り返しはつきません。
女性特有の転職理由
私の転職エージェントにも女性の登録者は数多くいるのですが、女性特有の転職理由があります。
結婚し、子供ができても働ける企業に転職したいというものです。
近年、ワークライフバランスという制度も手伝って女性の社会進出が目立ちますし、女性の管理職を積極的に採用する企業もありますが、そういった企業は統計的に10%あるかないかぐらいです。
この転職理由は、非常に理解できますね。
それを理解する企業は増えてはいますが、まだまだ数は少ないです。
この場合のアドバイスとしては、公的制度を積極的に活用しながら転職活動を進めることです。
具体的には、ベンチャー企業やIT系の企業が採用人気を高めるために、女性が働きやすい環境を売りにしていることが多いです。
そのような求人を持っていそうな転職エージェントを積極的に活用してはいかがでしょうか。
セクハラとパワハラ
転職エージェントをしているとこの事例はやけに詳しくなります。
登録者の性別に関係なく、この理由で転職を希望する方が多いです。
しかし、このセクハラとパワハラは実に難しいのです。
男女雇用機会均等法という法律にセクハラやパワハラの規定があるのですが、仮にこういったことが起きても罰則規定がないのです。
この法律の条文を読んでいただければ分かりますが、明確な定義がありません。
『これをしたら、あれを言ったらダメ』というものがないのです。
例えば、人によって不快に感じる方もいれば、そうでない方もいるといった場合は、人に起因するためセクハラではありません。
また、パワハラについては「上司に営業成績が悪いため怒られた」というぐらいではパワハラになりません。
これが、暴言となる内容や人間否定となるような内容であればパワハラに値します。
自分でセクハラやパワハラだと認識しても一般的には違うことがあり、転職エージェントに面談に行っても時間がもったいないので、ご注意ください。
完全にセクハラやパワハラではない具体例を挙げますので、笑い話だと思って読んでいただければと思います。
理由その1:上司に「少し丸くなったよね?」と言われた。
このセリフだけ聞くと、体形的なことを意味すると捉える人もいるでしょう。
しかし、面談でその前後のやり取りも聞いたのですが、明らかに体形ではなく「性格が丸くなった、落ち着いたね」という意味で発した言葉だったようです。
本人は自分の体形に自信がなく、言葉の意図を勘違いしたようです。
「誰かに相談できなかったのかな?」とちょっと苦笑いでしたが、その方はショックを受け有休を取って登録面談に来たため、相談もしていないのです。
結局、この登録者は「それでも転職したい」という事で、セクハラを理由として転職活動を行いました。
理由その2:上司に骨折させられた
これも字面だけ見れば、明らかにパワハラのように思えますよね。
確かに骨折したのは間違いないのですが、なぜ骨折したかが問題でした。
その登録者の会社では定期的に全社懇親会があり、その時の催し事で腕相撲大会があったのです。
そこで、対戦相手がたまたま直属の上司になり、その上司は体育会系だったのです。
一気に負けて、その勢いで腕の骨が折れたそうです(汗)
本人も言っていましたが、その方は先入観が強いようで、
「上司との腕相撲は完全に仕組まれた」
「負けて痛んでいる姿をみんなに笑われた」
と言っていました。
こういった環境がその方には許せなかったそうです。
その方にもお伝えしましたが、これは遊びの延長でパワハラにはなりません。
会社で起きた災害その他の場合、労災認定されることがありますが、この場合は労災認定もされなかったようですから。
結局、その方はそれでも納得がいかないということで転職活動を始めてしまいました。
非常にもったいないことですね。
転職エージェントとして
いくつか具体的な理由を並べて今までにあった転職理由をご紹介しましたが、いかがでしょうか?
今回は「これらの理由では転職活動はしない方が良い」という内容が中心ですが、自分の今後のキャリアを見据えて、ポジティブな理由、誰が聞いても納得できる理由で転職するため、転職エージェントを利用する方もいますし、その場合の方が多いです。
転職は、不満を理由にせず、とにかく前向きに、短期的ではなく中初期的な視点で自分のキャリアビジョンを明確にして行うのが理想です。
今回のお話が皆さんにとって有益な情報となればうれしいです。
転職成功できるよう祈りながら、このあたりで終わりにしようと思います。