前職を解雇や天災事変で退職した場合の転職活動について
転職活動をする求職者のみなさんの多くは、現職に在籍しながら並行して転職活動をしていると思います。
私も、現職で働きながら転職活動をした方が絶対に良いと思います。
という私は何者だという話だと思いますが、私は現在、転職エージェントとして求職者のみなさんの転職支援をしている立場です。
転職活動についての知識は一定以上のものを持っていると自負しています。
しかし、求職者の方のなかには、王道とは違う流れで転職活動をする場合があります。
今回のテーマは解雇や天災事変で退職した場合の転職活動についてご紹介したいと考えています。
少しシビアでデリケートな話になることもあると思いますが、事実としてご紹介しますのでご了承いただければと思います。
今回の記事の目次
王道から外れた転職活動をする理由
まず、転職活動の王道については、先ほどご紹介しましたが、では、王道から外れた転職活動をする理由は何でしょうか。
求職者のみなさんは、一般的に転職をする際に自主退職をすると思います。
ただ世の中には、真面目に仕事をしていても成果が出せず、解雇がきっかけで転職活動を始める方もいます。
また、会社が倒産に至り、退職するしか道がない方もいます。
自然的な天災事変で企業が経営が悪化し解雇され、転職を余儀なくされる方もいます。
こういったことは普通は起こらないと考えがちですが、明日はわが身です。
人生に絶対はないと思いますし、仕事に関してもそれは同じです。
企倒産する可能性はどの企業にもある
起業はリスクが大きいから民間企業へ転職するといった方も多いと思いますが、その企業自体にも倒産リスクはあります。
想像以上に倒産に至る企業の数は多いです。
今の時代、企業独自の企業力はそこまで成長しているとは言えない現実があります。
転職市場には多くの企業が求人を公開して転職活動しやすい状況にありますが、転職先の企業がこの先どうなるかは誰にも分かりません。
解雇や倒産、天災事変で退職する求職者の話
解雇、倒産、天災事変…
求職者のみなさんにとっては絶対に自分が当事者になりたくない退職理由だと思います。
転職エージェントとして、元人事として、この言葉が並ぶと気持ちが落ち込みます。
私も転職エージェントとして、倒産が原因で転職活動を余儀なくされた方の支援をしたことがありますが、面談では泣きながら、『倒産してなかったら、今も普通に前職で働いていたのに…』と後ろ向きのお言葉を連発していました。
私は当事者としての経験はありませんが、この気持ちはすごく分かります。
会社の都合で働く先を失い、無職になり、その尻拭いとして、本来はする必要がない転職活動をしなければならない訳ですから。
退職ということと、無職状態で転職活動をするというダブルのショックが同時に起きていると思います。
しかし、これらのことが起きてしまった以上は、気持ちを切り替えて自分の生活のために転職活動をしなければなりません。
解雇、倒産、天災事変による退職で転職活動をする方法
解雇、倒産、天災事変で前職を退職した方が、自分の転職活動を少し有利にする方法がありますので、ご紹介したいと思います。
まず、退職を余儀なくされる人の味方は雇用保険です。
解雇、倒産、天災事変で退職した求職者の方は、雇用保険をぜひ活用してください。
通常の場合、求職者の就業意欲を低下させないことを目的に、退職後約3カ月間は失業手当を受けることはできない仕組みになっていますが、退職を余儀なくされた方は制限期間なしに失業手当を受給することができます
解雇、倒産、天災事変を理由に退職する求職者の方は特例求職者となり、雇用保険から全面的にバックアップされるのです。
恐らく、解雇、倒産、天災事変で退職する場合、その企業が離職票にその旨を記載してくれると思いますが、もし人事担当が対応してくれない場合は、自分で対応することもできます。
失業手当で、収入は確保できると思うので当面の生活費は安心です。
しかし、失業手当も有限です。
何年も受給することができるものではないので、一定の期間で転職をする必要があります。
転職エージェントをいくつか使う
退職を余儀なくされた方は、転職活動を優先する必要があります。
他の通常の求職者は現職を持ちながら転職活動をする必要がある一方、全力で転職活動ができるというのは前向きに考えて良いと思います。
時間的な余裕は退職を余儀なくされた方のほうが有利です。
1日まるごと転職活動に充てることができる訳ですから、活動量を増やしてほしいです。
現職を持っている方も、複数の転職エージェントを利用することが一般的ですが、その数は多くても5社前後と言われています。
解雇、倒産、天災事変で退職する求職者の方はその2倍、3倍は当たり前。
もっと多くの転職エージェントを同時に利用しても良いと思います。
転職エージェントを何社利用しても全く問題ありません。
求人の数を増やして可能性を広げることが絶対ですので、かなりの数の転職エージェントを利用して良いと思います。
小規模の転職エージェントを積極的に使う
大手の転職エージェントは必須で利用してほしいのですが、小回りが利く小規模の転職エージェントも利用してください。
私の転職エージェントは小規模で求人の数は少ないものの、転職支援は小回りが利き、大手の転職エージェントでは受けることができない特別な転職支援を受けることもできます。
例えば、小規模の転職エージェントは、企業の経営者とダイレクトにつながっていて書類選考や適性検査が無条件で通過するなんてこともあります。
簡単にいうと、選考フローの省略です。
企業の多くは退職理由や転職理由で書類選考の通過率を上げるというようなことはしませんので、解雇、倒産、天災事変で退職する求職者の方にとっても狭き門となります。
その書類選考を無条件で通過できることは、かなりのアドバンテージになります。
私もかつての転職活動でかなり苦戦した経験があり、その際に利用した小規模の転職エージェントに救われた経験があります。
小規模の転職エージェントは隠れた優良の転職エージェントだと思います。
面接では退職理由をしっかり伝える
解雇、倒産、天災事変を理由に退職する求職者の方は面接まで来るとあとはもう少しです。
面接は書類選考と違って、自分の実力がリアルに結果に出る選考です。
この面接では、形式として必ず退職理由を聞かれますが、その際に退職理由をしっかりと伝えましょう。
被害者意識丸出しにして、『自分は悪くない』などと主張するばかりでは面接官の印象は悪いです。
事実は事実として正直に伝えることで良いのですが、伝え方を間違えないようにしましょう。
解雇、倒産、天災事変を理由にする求職者の方は、変な気を回す必要は一切ありません。
ちょっとやってしまった求職者
中には仕事で『ちょっとやってしまった』ということで解雇を受けた求職者の方もなかにはいます。
この『ちょっとやってしまった』タイプの解雇は懲戒解雇と言います。
この場合は雇用保険が面倒をみてくれません。
失業手当に約3カ月間の給付制限期間があります。
懲戒解雇で退職した求職者の方は、転職活動でも相当苦戦すると思います。
懲戒解雇は、転職エージェントであり元人事である私から言わせると最悪な退職理由です。
大半の企業は見送りにすると思います。
私もかつて、懲戒解雇という言葉を見ただけで書類の他の内容は見ずに見送りにしてしまっています。
懲戒解雇はあってはいけない
懲戒解雇は、退職で償いが終わるということはありません。
退職後の方が償い期間は長いと思います。
懲戒解雇を受けるとまともに転職を成功させることはできません。
誰でも転職したくないであろうブラック企業に入る他ないです。
またはコネを利用して転職するしかないと思います。
不幸を幸福に変える!
解雇、倒産、天災事変を理由に持つ求職者の方の心痛はお察ししますが、いつまでもくよくよしていては明るい未来がやって来ません。
運がなかったとしか言いようがないことで、ビジネスにそれ以上の不幸はないと前向きに考えて、あとは上がるだけです。
いつかはこの経験が役に立ち、仕事に生かすことができるかもしれませんし。まずは、不幸を幸福に変える活動量を増やすしかありません。
私は転職エージェントとして退職を余儀なくされた方の支援をしてきましたが、懲戒解雇を除き本人に悪い部分はありませんでしたし、苦労することなく転職できています。
前向きに転職活動をしましょう!
最後になりますが、求職者のみなさんが充実した有意義な転職活動をすることができると信じ、これで話を終わりにしようと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。