KIZUNAパートナーズを利用してみた(転職エージェントプロが語る)

私は、これまで3度ほどの転職経験を持ちますが、3度目はこの中でも最も苦戦しました。

3度目の転職は34歳の時です。

当時は、転職市場も景気も悪く求人数自体少ないという状況もあり苦戦したのです。

『これは、やばいぞ』と思った私は、登録する転職エージェントをどんどん増やしていき、少しでも新しい求人に出会えるよう転職エージェントに網を掛けました。

転職エージェントは上限がありませんし何社でも登録して良いですが、情報が増えて混乱することでエージェントとの連絡などのやり取りが煩雑になってしまいます。

私のように異常な数の転職エージェントへ登録することはあまりお勧めしません。

そんな中で、出会った転職エージェントの体験談を今回はご紹介しようと考えます。

KIZUNAパートナーズはどんな会社か?

インターネットで転職エージェントと検索しても上位表示はされない非常に小さい転職エージェントです。

転職エージェントは3割程度が、大手中堅クラスですが、残り7割は小規模クラス、中には個人で転職エージェントをされている会社もあります。

ですのでKIZUNAパートナーズは、転職エージェント業界の中ではある意味普通の事業規模です。

KIZUNAパートナーズは東京都港区にオフィスを構え、そのオフィスはあるマンションの一室です。

ちなみに転職エージェント事業は法的な免許を必要とする有料紹介事業で、転職エージェント事業を行うためにはオフィスのレイアウトなど一定の基準があります。

そのため、KIZUNAパートナーズは転職エージェント事業用にマンションを作り変えており、スペースは狭いもののしっかりと個室が完備され、そこで面談が行われます。

従業員数については社長含めて数人で、一人のキャリアアドバイザーが企業側の担当もしますし、もちろん求職者のキャリアアドバイザーも担当するワンフェス型です。

売上に関しては少額ではありますが、個々の企業や求職者に本当の意味で、二人三脚で行うスタイルで、転職サポートの質はすごく高いです。

求人数は小規模の転職エージェントであるためかなり少ないです。

また積極的に求職者を募集するようなプロモーションも行っていないため、登録している求職者の数も少ないです。

KIZUNAパートナーズへ求人を発行する企業は、企業間での紹介が多く、また、求職者についても同様で、友人知人からの紹介で登録するケースがほとんどです。

私がKIZUNAパートナーズへ登録した背景

私は、先述の通りなかなか転職活動がうまくいかず焦っており、転職エージェントを増やしその中にKIZUNAパートナーズがありました。

きっかけは、とある方からの紹介です。ちなみに私にKIZUNAパートナーズを紹介した方は、私と同じように転職活動に苦戦して、KIZUNAパートナーズへ友人の紹介で登録しています。

基本的な登録ルートは紹介だと思ってください。

余談ですが、私に紹介してくれた方は、48歳で転職回数10回と、転職活動のベテランでした。

KIZUNAパートナーズへ登録している登録者は、結構、焦ったり、困ったりしている方が多いです。

登録から担当者決定まで

KIZUNAパートナーズへの登録は紹介ですので、企業ホームページ(HP)から個人情報を入力してという流れではありませんでした。

私の場合は紹介者の方がKIZUNAパートナーズへ連絡して、登録したい人がいると声を掛けてくれました。

そしてその後、KIZUNAパートナーズの役員の方から電話があり近いうちに食事をしようということになりました。

ちなみにKIZUNAパートナーズには女性のエージェントはいません。

また、私が登録した当時は数人の従業員と言っても全員が役員でした。

私はどのような意味で食事なのか分かりませんでしたが紹介でしたし変なことはないだろうと思い、言われるままに後日食事に行きました。
夕食ではなくランチです。

この食事がKIZUNAパートナーズからすると重要で、「この人は今転職すべきか」食事をしながら見極めるようです。

通常、転職エージェントは、来るもの拒まずが、スタイルですが、KIZUNAパートナーズは、余裕があるのかどうなのか分かりませんが、とにかく、登録者を選びます。

ですので必ず登録できる保証はありません。

そして、そのランチの中で後日来社して面談をしましょうとなります。

面談では、当社の社長も同席してカウンセリングも行いますと言われ、それまでこのような経験がない私はちょっと大きな話になってきたぞとビビった覚えがあります。

これはもしかして登録すると費用が発生するのか?と思っていましたが、KIZUNAパートナーズは登録料は無料で転職サポートの費用も無料です。

ご安心ください。

担当者決定から面談内容まで

担当者が決まるというよりもKIZUNAパートナーズは社長自らが面談にも同席しますので、強いて言うならKIZUNAパートナーズでのキャリアアドバイザーは全員と言った方が良いかもしれません。

ランチの中で、面談に備えて、下記を必ず準備するよう言われました。

面談前に準備した資料

  • 履歴書(データとペーパーの両方)
  • 職務経歴書
  • 履歴書用写真

私は、既に転職活動をスタートしてしばらく経っていたため、全て用意万端でした。

しかし、全く万全ではなかったです。

面談は、史上最強に厳しいダメ出しの嵐で面談の時間は約2時間だったのですが、だいぶ落ち込んで帰宅した覚えがあります。

個人的には当時の私は職種も人事で管理職でしたし、転職も2度経験して平均よりも多くの内定を頂いていたため自信はあったのですが、その自信をへし折られた感じになりました。

確かに言っていることはごもっともなのですが、高圧的な感じでカウンセリングというよりも面談というよりもお説教部屋という感じがしました。

本当にあらゆる面で説教となりその説教内容をご紹介します。

準備が甘い

これは準備するよう言われた書類に英訳版のものを準備しなかったためです。

私は外資系への転職は希望していませんでしたし、そもそも英語はできません。

しかし、KIZUNAパートナーズとしてはどの企業へも対応できるよう準備することは当たり前のことだと指摘をしてきました。

転職軸があいまい

自分では転職軸は定まっていましたし、他の転職エージェントにも問題ない転職軸と言われたのですが、KIZUNAパートナーズではダメでした。

30年後の自分をイメージして逆算して、考えなければならないと指摘を受けました。

正直、

『30年後って、今の歳から考えると定年してる歳だけど・・・』

と突っ込みたくなりましたが(笑)、きっと、長期的な視野で考えろと言いたいんだろうと我慢しました(汗)

志望のポジションの見直し

この経歴では、私の希望する管理職ポジションでの転職は無理だと。仮にできたとしても、それは二流、三流の企業だろうと。

私は心の中で、『なかなか言ってくれるなぁ。』と若干、途中で面談を切り上げて帰りたくなりました(汗)

その他でもまだ説教は続きましたが、ここらで辞めておきますが、とにかく面談はカウンセリングではなく説教です。

ただこれには理由があるのです。後ほどお話します。

それと肝心な面談内容は下記の通りです。

面談でのヒアリング内容

  • 30代の今の年齢で転職することをどう思う?
  • 今までの会社では、どのようなことをやってきたのか?
  • 仕事において自分が得意とする業務は?
  • 自分の今までのキャリアをどう思うか?
  • 自分は右脳派か?左脳派か?
  • スピーチをする際に心掛けていることは?

今までの転職エージェントでは聞かれなかったことが大半でかなり困りました。

しか、私にKIZUNAパートナーズを紹介した方に後で聞いてみると、その方も私と同じような質問があったそうです。

面談内では説教で終わり、求人の紹介は一切ありませんでしたし、後日求人を紹介することもありませんでした。

今回の面談をもとに再度、転職するかどうか見つめ直して、KIZUNAパートナーズから紹介を受ける場合は、英訳版のレジュメの提出ともちろん日本語版のレジュメも修正して再提出と言われました。

正直その日はここに登録しても良い転職活動はできないなと思いましたが、紹介者の方に相談したら、登録は絶対にしておくきだと言われました。

仕方なく日本語版のレジュメを修正し、できない英語版もヤフー翻訳を利用して作って再提出し登録しました。

KIZUNAパートナーズの取引先企業

ここまで読むと、KIZUNAパートナーズって登録者に困ってないんだろうな、結構上から目線の転職エージェントだなと思うでしょう。
私も当時全く同じように思いました。

しかし、この対応には理由があったのです

後日再提出のために、オフィスに訪問したところこのようなことを言われたのです。

『当社は他の転職エージェントと求人レベルが違います。
他の転職エージェントでは受注できない、独占的な求人またはハイクラス層の求人ばかりです。

しかも人事ではなく直接その企業の社長から求人をもらっていますから、紹介にはそれなりの責任があります。

だから、「他の転職エージェントでは何も言われない内容も、当社ではレベルが違いますので、どの登録希望者も1回目の面談で登録はしません」と。

これを聞いて『なるほどな』と思ったと共にその企業の社長からの直接の受注と聞いてまたまた私はビビりました。

しかし何事も経験だし取りあえずやってみようと思いましたが、まずこの転職エージェントはレベルが高いし、内定はないと半分以上思っていました(汗)

KIZUNAパートナーズでは、一般の転職市場に出回らない社長マターの求人やハイクラス求人しか取り扱いがありません。

また、取引する企業も信用調査で与信を行い、長年業績が好調の企業としか取引しないらしいです。

また、KIZUNAパートナーズの社長はじめ役員の全てが豊富なネットワークがあり、各業界のさまざまな企業の経営陣との人脈があり信頼を得ている企業です。

応募企業の選定と決定まで

有名企業の紹介、選考

後日、KIZUNAパートナーズから1社だけ(笑)、紹介がありました。

人事の部長クラスの求人で、企業自体も一部上場で、誰もが知っている有名企業です。

求人票を見た時にこんな求人今までどこからも紹介がなかったと思いましたが、あれだけ説教しただけのことはあるなぁ、さすがだなぁと思いました。

応募するためにはまたの面談が必要でした。面接の練習や自己分析など多岐にわたりレクチャーが入ります。

KIZUNAパートナーズからしても、中途半端な求職者を紹介しては信頼関係に影響するからでしょう。かなり厳しくレクチャーされます。

そして、しっかり面接の受け答えができて、しかも自己分析なども準備万端と判断されると面接です。

あれ?書類選考は?と思う方が全員でしょう。私もこの記事を読む側であれば、同じように思います。

KIZUNAパートナーズからの選考は、書類選考がないのです。

無条件パスです。それは、KIZUNAパートナーズをその企業それぞれが全幅の信頼を置いている証しです。

ですので、応募前にかなりかなりかなり厳しいレクチャーがあるのです。

複数の求人を薦めることはない

KIZUNAパートナーズの紹介スタイルは、1企業につき、または1職種につき、紹介者は1名となります。

また、1名につき、同時に複数の求人を紹介してくれることはありません。

1社に応募して、ダメなら次の企業を紹介するという流れです。
スタイルは完全に数より質です。

これは、職エージェントからすると非常に不器用と言いますか非効率ですが、お客さまである求人企業や求職者にとってはありがたい以外にないのです。

求人企業からすると、一度に何名も紹介され書類選考に係る事務処理が増えることも防げますし、面接する時間もかなり圧縮できます。

また求職者からしても、ライバルはできれば少ない方が良いのですから、何名も自分と同じように紹介されるよりは自分に集中してもらえた方がうれしいものです。

KIZUNAパートナーズは、1名の入社についての紹介手数料が通常より高く設定されているため、このモデルが通用します。

恐らく他の転職エージェントがこの方法を採ったら、事業として成り立たないと思います。それだけ質にこだわった転職エージェント事業を展開しています。

結論的には、KIZUNAパートナーズからの書類選考通過率は100%に近いです。

選考から内定を勝ち得るまで

一般的には狭き門の書類選考をフリーパスで通過すると次は面接です。
ちなみにいきなり役員面接です。

面接でも、現場担当をふっ飛ばし、優遇されます。

ディズニーランドにある、乗り物に早く乗れるチケットみたいな感じです。

面接回数は、この回を含めて2回でこの回を通過すると最後は社長面接です。

ちなみに私は、この企業から内定を頂きましたが内定辞退しました。

理由は当時の自分に見合う企業レベルや業務レベルではなかったためです。

非常にもったいないと思いましたが、あまり欲を出してKIZUNAパートナーズに迷惑を掛けてもまずいと思いました。

これだけ企業に信頼を得ているため、入社した求職者のレベルの低さによりその後の取引に影響してはまずいと考えてしまったのです。

なぜか求職者としては考えなくても良いような責任まで考えてしまったのがKIZUNAパートナーズの紹介でした。

なお、KIZUNAパートナーズ経由で私に紹介してくれた方は入社しています。

KIZUNAパートナーズの求人はもともと、好条件のものばかりであり、KIZUNAパートナーズ自体その企業の社長から大きな信頼を得ているためスムーズに条件が決まったそうです。

好条件での転職を希望するならKIZUNAパートナーズ

KIZUNAパートナーズでは、通常の登録はほとんど行っていませんが、HPがありますし現在では直接登録も可能となっているようです。

ただ、KIZUNAパートナーズと企業人事として取引している私の知り合いから聞きましたが、当時と求人紹介の進め方求人の内容どれも変わっていないためレベルは非常に高いそうです。

多くの経験や知識を積みハイクラスの人材という方にはKIZUNAパートナーズはお勧めだと思います。

当時の私のように苦戦していても、自分のレベルを見極めてKIZUNAパートナーズへの登録のために連絡するかどうかは吟味した方が良いです。

私のように自分のレベルとは異なる企業へ面接に進むこととなるため、自信がなくなり辞退する可能性も当然にありますから。

私からのアドバイス

KIZUNAパートナーズのように小規模で運営している転職エージェントは数多くあります。

私のアドバイスとしては、困った結果小規模の転職エージェントを活用するよりも、はじめから求人を見落とさないために小規模の転職エージェントも活用する方が良いです。

また、小規模の転職エージェントは、求人数も少ない、取引企業も少ない、登録者数も少ないですが、小回りの利いたこまめなサポートが売りです。

ぜひ、このようなサービスを受けた方、KIZUNAパートナーズも含めて登録してみてはいかがでしょうか。

皆さんの転職活動の成功を祈り、このあたりで今回は終わりにしようと思います。

この記事の筆者

小玉 崇(仮名)
1975年生まれの40歳。人材業界にて転職者の支援に一貫して従事。転職者に常に寄り添う事をモットーに、転職後のフォローも行いながら、これまで数百名の転職者を支援。特にIT業界やベンチャー企業へのパイプが強みとしながら、現在も初心を忘れず人材業界で日々、精進中。人材業界は経済の波に左右されやすい業界であるため、先を見ながら転職者のエージェント活動を行っている。

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