リソウルを使用してみた(転職エージェントプロが語る)
私が3回目の転職活動を決意したのは、社会人になって約13年経った頃でした。
それまで営業職と人事職をそれぞれ経験して自信があったため、より良い環境を求めていたのです。
今回は、そんな時に利用した転職エージェントのリソウルについてご紹介したいと思います。
今回の記事の目次
リソウルとは、どんな転職エージェントなのか?
リソウルは転職エージェントの中では小規模の部類に入り、従業員数も数名単位です。
そのため、企業と求職者を1名で対応するワンフェイス型を採用しています。
ワンフェイス型を採用する転職エージェントにはそれぞれ理由があるのですが、リソウルに関しては情報の一元管理が目的です。
また、役員クラスが直接キャリアアドバイザーとして担当するため、質の高いサポートが受けられます。
さらに、経営陣の人脈からリソウルしか抱えていない求人も複数あります。
他の転職エージェントが発掘していない求人も自らの足で稼ぐようです。
視点が求職者に近く、スマートな転職エージェントではないかと思います。
IT業界、特にベンチャー企業には強みがあり、職種としては営業、管理系部門の職種の求人が多かった記憶があります。
転職エージェントは入れ替わりが激しく企業統合や淘汰(とうた)が多いのですが、小さいながらに今でも存続しているリソウルは力のある転職エージェントだと思います。
登録から担当者決定まで
リソウルは小さい転職エージェントで積極的なプロモーションも行っていないため、転職関係のキーワードで検索しても上位表示されません。
私はある転職サイトに登録しており、そのスカウトサービスで連絡があったのがきっかけでリソウルを知りました。
いきなりメールで連絡がきます。
リソウルからのスカウトメールに返信すると、その日のうちに担当となる女性役員から連絡がありました。
ぜひ一度面談をしたいとあり、場所と時間を決める形になりました。
電話では物腰柔らかい良い方でしたが、面談の際に自己紹介を聞いているとすごく苦労された方で、まさにキャリアウーマンという印象を受けました。
「これは期待できるぞ」と若干、希望を持った覚えがあります。
なおリソウルは従業員が少ないため、担当者変更は恐らく難しいと思います。
ただ、ワンフェイス型でありながらフットワークが軽く、朝早い時間帯から夜遅い時間帯まで連絡がつくため、キャリアアドバイザーの質は本当に高いです。
担当者決定から面談まで
初めての電話で、面談日時が確定します。
基本的にはリソウル本社に訪問しての面談形式になりますが、私の場合は現職が忙しく訪問する時間がなかったため、現職近くの喫茶店での面談をお願いしました。
そのキャリアアドバイザーは問題ないとのことで、柔軟に対応していただき非常に助かりました。
喫茶店の費用はリソウル持ちです。
また、面談までに履歴書と職務経歴書を用意してほしい、できればデータでいただけると効率が良いとのことでした。
現在の転職状況、転職理由、転職条件も取りまとめておいてほしいとのことでした。
これはどの転職エージェントもほぼ同じことを言います。
中には、小さい転職エージェントだからと言って雑に接する求職者がいると聞いたことがありますが、小さい転職エージェントであれば、なおさらしっかりと接した方が良いです。
正直、大手の転職エージェントよりも小回りが利き、非常に質の高いサポートですので。
実際の面談内容
時間5分前ぐらいに指定の喫茶店に入ると、既にキャリアアドバイザーの方は来ていて準備をしていてくれました。
あいさつと、キャリアアドバイザーの自己紹介からスタートしますが、時間もあまりなかったため手短にしていただき、すぐに本題に移りました。
まずは、私から自己紹介も含めて一通りの職歴を説明しました。
その後、ヒアリングとして下記のことを聞かれました。
ヒアリング内容
- 今の職種にこだわりはあるのか?
- これまで一番、自分に合った環境は?
- 自分の性格上、相性の良いタイプと合わないタイプは?
- 自分のストロングポイントとウイークポイントは?
- 現職の入社理由と退職(希望)理由
- 転職の諸条件(会社規模、職種、勤務地、年収、労働時間など)
ここまでは一般的な内容です。
そして、その後の面談時間を使って今回のきっかけとなった求人の紹介と、事前に探してくれた他の求人をいくつか紹介いただきました。
求人の紹介について
面談内で求人の紹介は全部で20社ほどだったと思います。
そのうちの15社は既にその他の転職エージェントから紹介されていて、見送ったものでした。
残りの5社は新しい求人で、そのうちの3社に応募しようと考え、その場で意思を伝えました。
短い面談ながらも求人の要約をしっかり説明してくれたので、特に迷うことはありませんでした。
そして、既に他の転職エージェントから紹介されていた求人をよく見ると、リソウルでは若干条件が異なる求人だったのです。
職種は変わりませんが、給与や役職、転職後の業務内容が他の転職エージェントからの紹介内容と違うのです。
やはり、企業の経営層と強い信頼関係があるために、求人が他の転職エージェントより上回るものになっているのだと思います。
結果、私は面談で紹介された求人のうち、新規3社と他に2社の応募をしています。
リソウルとの面談後のやり取り
面談が終わると、その後のやり取りは電話とメールになります。
また、リソウルは丁寧に選考結果についてお話したいとのことで、わざわざ現職近くまで足を運んでくれます。
かれこれ3回ほど来ていただきました。
直接会っての手法を重要としているため、特に登録直後で信頼関係が浅い場合はそういった傾向が強いです。
もちろん無理にということではないので、直接会う必要を感じない場合はその旨を伝えれば問題ないようです。
リソウルの書類選考通過率について
書類選考は、どの転職エージェントでも選考の流れの中で通過率が一番低いです。
リソウルでも、残念ながら5社応募のうち3社が見送りでした。
転職1度目は書類選考通過率で人間として否定されている感じになっていましたが、3度目ともなればこれくらい楽勝でした(笑)
皆さんも恐らく私と同じ状況になると思いますが、書類選考の通過率はみんな一緒で一番低いので、ある意味ご安心を。
リソウルでは履歴書と職務経歴書の添削サービスをしてくれますが、それでも通過率は上がりませんでした。
選考から内定を勝ち得るまで
残った2社のうち1社からは内定をいただき、もう1社は見送りとなりました。
リソウルでは面接前にその企業が過去にどのような面接をしたのか教えてくれますし、面接官の特徴も教えてくれます。
また、その企業が好む人物像も共有がありますが、いまさら自分の人物像を変えることもできないですから、これはあまり意味がなかったように思います。
リソウルでも他の転職エージェント同様に、面接後の電話は必須となります。
その企業への志望度が高かったりすると後押ししてくれますし、次に受ける求職者に対して直近の面接内容を共有する意味もあります。
今もまだ存在しているか分かりませんが、統計をもとに適性検査で出題される可能性が高い順に問題をまとめたリソウル独自のテキストがあり、それを借りることもできました。
もしかしたら、私を担当したキャリアアドバイザー自身のものかもしれませんが、非常に参考になった良いテキストです。
リソウルの威力その1:再チャレンジができた
リソウルでは他の転職エージェントでは見送りだった求人に再チャレンジすることができました。
ある転職エージェントから紹介された求人が諦めきれずいたのですが、そのことをキャリアアドバイザーへ伝えると『企業にこの旨、伝えてみます』とありました。
その後、何と書類選考を通過したんです。
他の転職エージェントでは書類選考で見送りだったのですが、リソウルお見事という結果でした。
今後、転職活動していて諦めきれない求人と出会ったら相談してみてください。
小さい転職エージェントは企業との関係性が強いため、書類選考を通過できる可能性があります。
ただ、面接で見送りになった場合はリソウルでも無理だとのことです。
リソウルの威力その2:キャリアチェンジに強い
この記事の紹介したヒアリングの内容に『今の職種にこだわりはあるか?』がありましたね。
この質問の背景には、リソウルのキャリアチェンジへの強みがあります。
年齢が上がれば上がるだけキャリアチェンジは難しいのですが、そこをリソウルが企業との間に入って調整をしてくれるのです。
実際、当時のホームページにキャリアチェンジに関する内容が表記されていました。
リソウルの転職エージェントとしての売りはここにあるのかもしれません。
内定後の入社条件の調整
先述の通りリソウル経由で内定を1社いただきましたが、他の転職エージェントで内定をいただくことができたために、結局は辞退しました。
しかしリソウルには申し訳なかったのですが、内定承諾した企業がどうなるか分からないと思い、すぐには辞退せず内定後の条件交渉をしてもらいました。
転職エージェントには様々なサービスが付帯されていますが、内定後の条件交渉は非常に便利で助かります。
入社する前の企業と条件交渉は気まずい問題もありますし、金銭面についてはあまり主張できないからです。
リソウルもそうでしたが、中には経営陣との信頼関係が強く、条件交渉を得意とする転職エージェントもあります。
私が頂いていた内定は元から条件が高い求人だったためそれ以上は無理でしたが、聞くところによるとリソウルで転職した方は大半が好条件で入社できているそうです。
内定後、内定辞退について
リソウルは内定後の企業との懇親会も準備してくれます。
これはキャリアアドバイザーへ相談すると、快く企業へ打診してくれます。
結果的に内定を辞退したのですが、迷っていたのと保険という意味もあったために、ギリギリまで辞退しませんでした。
そこでキャリアアドバイザーから「企業と会食してみますか?」とアドバイスがあり、断る訳にもいかず行ってしまいました(汗)
リクルートエージェントはお勧め
数ある転職エージェントの中で点数をつけるのであれば、100点中85点の転職エージェントです。
大半のサービスは非常に良いですし、キャリアアドバイザーの質も高いです。
ただ、書類選考に関係する添削サービスなどについては、もう少し充実してもらえたらなと思います。
上から目線で申し訳ないのですが、それでもリソウルは登録して十分プラスになると思います。
実際に私はリソウルから内定もいただいていますので。
それと、辞退をしても特にリソウルからの押し込みはないのでご安心ください。
最後になりますが、転職エージェントは大手だから必ず良いということはありません。
大手にこだわる方もいますが、中小クラスの方が、質が高く求職者に有利な求人があるので、ぜひ大手と一緒に小さい転職エージェントを活用してみてください。
皆さんの転職活動がより短い期間で、良い転職ができるよう心よりお祈りし、今回はこれで終わりにしたいと思います。
この記事の筆者
小玉 崇(仮名)
1975年生まれの40歳。
人材業界にて転職者の支援に一貫して従事。
転職者に常に寄り添う事をモットーに、転職後のフォローも行いながら、これまで数百名の転職者を支援。
特にIT業界やベンチャー企業へのパイプが強みとしながら、現在も初心を忘れず人材業界で日々、精進中。
人材業界は経済の波に左右されやすい業界であるため、先を見ながら転職者のエージェント活動を行っている。
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