エリートネットワークを利用してみた(転職エージェントプロが語る)
今回が20代後半の時に初めてした転職活動で登録した転職エージェントの利用体験談をご紹介したいと思います。
当時、勤めていた会社には特に不満もなかったのですが、ふと『この会社でずっと働いて人生を終えるのかな?』と思ったことがきっかけでした。
『世の中にはどんな企業があるのか見てみるのも悪くない。もし良くない企業しかなければ転職しなければ良い』
と、結構気楽に考えていたと思います。
今回の記事の目次
エリートネットワークはどんな会社か?
私は当時、大手の転職エージェントを中心に3社ほど同時登録したのですが、ある時、人材業界で働く友人からエリートネットワークの話を聞きました。
エリートネットワークへ登録するまでは、他の転職エージェントに不満もなく、「転職活動もこの程度か…」と、ある意味なめていた節がありました。
ただ、エリートネットワークは他の転職エージェントとは性格が違います。
実は、元リクルートの方が立ち上げた転職エージェントで、上層部の方もリクルート出身がほとんどです。
リクルートは非常に厳しい環境で有名ですが、その環境でたたき上げられたエリート集団です。
私が登録したいくつかの転職エージェントとは視点が違ったように感じました。
登録から担当者決定まで
私は友人の紹介でしたので、エリートネットワークの役員の方と面談することができました。
友人が役員の方とコンタクトを取ってくれて、面談の日程調整までしてくれたのです。
通常の登録の場合は、他の転職エージェントと同様にHPから問い合わせて行います。
エリートネットワークはフットワークが良いため、問い合わせ後すぐに面談の連絡があるようです。
私は、ある土曜日の日中に銀座の本社まで出向いての面談でした。
紹介してくれた友人からは
「かなり厳しい転職エージェントだから、いろいろ指摘は受けるだろうけど親身になってくれるよ」
「事前に履歴書と職務経歴書は万全のものを準備した方が良い」
などと言われていました。
そんなに厳しくないでしょ!と若干、気楽な気持ちでいたのですが、それが大きな間違いでした。
担当者決定から面談まで
担当のキャリアアドバイザーが決まり、実際の面談となります。
- 履歴書(データとペーパーの両方)
- 職務経歴書
- 履歴書用写真
エリートネットワークには外資系企業への求人ルートは少なかったようで、他の転職エージェント言われる英訳版の書類を用意する必要はありませんでした。
転職活動をなめていた私は、他の転職エージェントで特に問題がないと言われていた書類をそのまま流用していったのですが、それがこの後のお叱りにつながるのです。
エリートネットワークは面談への取り組み方や履歴書・職務経歴書への思いが他の転職エージェントとは違うので、
登録する方はそれらをきちんと見直した方が無難だと思います。
特に、2社以上を経験している方については、
それぞれの企業での細かい数字的な実績や、なぜこの実績だったのかというプロセス・外的な要因もヒアリングに入っているので、自己分析も含めてしっかり準備しておくと良いでしょう。
また、現職中の方のために夜遅い時間帯や土日の面談対応も行ってくれるのもエリートネットワークの特徴の一つです。
実際の面談内容
はじめに名刺交換から
通常の転職エージェントでは、登録者が名刺を渡す必要はないのですが、エリートネットワークでは現職確認のために名刺を求められます。
エリートネットワークの名刺は和紙の高級なものでした。
こういったところからも何か違った雰囲気と言いますか、エリート集団という感じを受けました。
スーツの着こなしもしっかりとした中にオシャレ感があり、胸ポケットにはチーフを入れてワイシャツの袖にはカフスという、だいぶオシャレな感じです。
エリートネットワークからは
「相手先が優秀であればあるだけ、自分の身だしなみにはうるさい」
「高い物である必要はないが、ビジネスにふさわしい物を身に着け、汚れがあったらすぐ磨くべき」
などを言われました。
簡単なあいさつ
名刺交換の後は簡単なあいさつからスタートですが、着席と同時に注意を受けました。
「もっと、大きい声であいさつはできないのか?」
そんなに小さかったかな?と思ったのですが、エリートネットワークに出身者が多いリクルートは軍隊的な会社です。
社内であっても、あいさつも飛び聞こえるぐらいのものではいけないとのことでした。
また、キャリアアドバイザーである役員が入室するまで、普通は立って待っているものだと指摘を受けました。
ですので、その後面接に行った企業では、面接官が入室するまで私はずっと立って待っていました。
私は、エリートネットワークの初回面談がこれまで利用してきた転職エージェントの中で一番厳しいと感じています。
ただ嫌な感じではなく、求職者の転職成功に近づける熱意や情熱のようなものを感じました。
自己紹介
注意の序章後、キャリアアドバイザーの自己紹介と企業紹介があり、個人情報への同意書と誓約書へのサインとなります。
サイン終了後、私の経歴について紹介するのですが、出来が悪すぎて途中終了となり、ヒアリングをされながらの具体的な経歴紹介となりました。
- 自分の長所と短所は?短所を補うために、長所をどのように活用してきたか?
- 今回の転職について家族はどのような反応か?
- 社会人前の思い出となることを三つ
- 今後のキャリアビジョン
- 現職の入社理由と退職(希望)理由
- 転職の諸条件(会社規模、職種、勤務地、年収、労働時間などの労働環境)
面談の場で求人紹介
エリートネットワークでは、面談で求人紹介をしてもらうことはありませんでした。
面談で求職者の志望条件や転職軸をしっかりと把握した上で、後日ピンポイントに求人を紹介する仕組みがあるためだそうです。
とても細かく厳しい指摘もありましたが、充実した面談だったと思います。
それまでの転職への価値観が一気に変わり、結果的にその後の自分の人生に大きな影響となるものになりました。
「ある程度絞った形で紹介できそうな求人がいくつかあるため、後日紹介します」とのことで面談は終了となりました。
後日の紹介や連絡のやり取りにはメールと電話中心で行います。
応募企業の選定と決定まで
後日、キャリアアドバイザーから「メールで求人を紹介したため、応募するかどうか連絡が欲しい」との連絡がありました。
その日の夜に自宅に帰り、求人を確認したのですが、職種は経営企画寄りの人事が多かったです。
つまり、経営に近い人事になるためのレベルが高い求人でした。
他の転職エージェントから既に紹介された求人もありましたが、その中からいくつかピックアップして応募依頼しています。
応募に際しては1社ごとに企業の特徴をまとめて、具体的な志望理由も付け加えるよう指示があったため結構大変でしたが、応募手続きはこれで完了です。
ただ、転職への意識が変わるぐらいの質の高いサービスを受けられますので、レジュメ添削以上のものは得られると思います。
狭き門の書類選考通過率!!
どの転職エージェントでも言えることですが、転職活動における選考フローの中で最も通過率が低いのは書類選考です。
エリートネットワークでも同様で、結構がっくりする結果でした。
10社程度応募したのですが通過した企業は1社だけ。
なかなか厳しい現実を突きつけられた気がしていました。
しかし、エリートネットワークの求人はレベルが高いものが多かったので、仕方なかったと言えば仕方なかったのだと思います。
まずはこの1社を大事にしようと考えて、キャリアアドバイザーへ積極的に面接アドバイスをもらいに行きました。
それまで登録した転職エージェントではこのような行動は取ったことがなかったため、この段階で既に私自身の意識は変わっていたように思います。
選考から内定を勝ち得るまで
書類選考が通過した1社の面接に進んだのですが、この面接が結構厳しく、ギリギリ通過といった感じでした。
また、エリートネットワークからの紹介求人は全て適性検査があるものでした。
エリートネットワークの方々がリクルート時代に企業へ適性検査を導入した背景があり、選考に適性検査が必ずあったのです。
面接もギリギリ通過で苦手な適性検査もあり、これは落ちるなと覚悟していたのですが、ギリギリで内定を頂いております。
エリートネットワークでは、面接後に必ず電話をするよう言われています。
求職者の志望度が高ければ、営業力と信頼ある取引関係を背景に強いプッシュをしてくれるのです。
また、もちろんエリートネットワークもビジネスとして転職エージェント事業をしているため、一つの企業に複数名同時に求職者を紹介するために面接ではどのような質問があったかを把握する意味もありました。
内定後の入社条件の調整
大事な1社から見事に内定を頂き、他の転職エージェントから紹介された企業からも内定を得ていたので、ここからは企業を選ぶ立場に変わりました。
私はエリートネットワークに対して営業要素の強い転職エージェントという認識があったため、内定辞退を連絡すると厳しい押し込みがあるのかなと想像していましたがそういったことはありませんでした。
こういったことからも見て取れる通り、この転職エージェントは厳しい指摘が多々あるものの、完全な思いやりからくるもので紹介手数料を狙いとしたものではありません。
求職者が希望した場合、内定先の企業との会食もセッティングしてくれます。
この場合の費用は企業負担となりますし、会食で入社前に企業との交流を図ることで入社後の早期の環境慣れを目的としています。
会食セッティングはリクルート系の転職エージェントに多く見られる傾向ですので、積極的に依頼してみてはいかがでしょうか。
エリートネットワークは転職の人生観を変える
- この転職活動で本当に良いのかな?とちょっと楽観的に思っている
- 転職自体をちょっと気楽に考えている
- 人生のキャリアビジョンが甘いと感じている
- ちょっと厳しい意見で自分を見つめ直したい
その他、当時の私のように転職未経験の方や年齢の若い方、第2新卒の方にも最適だと思います。
どうしても求職者に脱会されては困るため、他の転職エージェントは強く指摘ができないケースもあるようですが、エリートネットワークは遠慮なしです。
その分自分に返ってくる産物も多いので、素直にこの指摘を受け入れて転職活動を充実させてはいかがかなと思います。
この記事の筆者
小玉 崇(仮名)
1975年生まれの40歳。
人材業界にて転職者の支援に一貫して従事。
転職者に常に寄り添う事をモットーに、転職後のフォローも行いながら、これまで数百名の転職者を支援。
特にIT業界やベンチャー企業へのパイプが強みとしながら、現在も初心を忘れず人材業界で日々、精進中。
人材業界は経済の波に左右されやすい業界であるため、先を見ながら転職者のエージェント活動を行っている。