type転職エージェントを利用してみた(転職エージェントプロが語る)
今回ご紹介する転職エージェントですが、私が人事として仕事をしていた頃から長年の付き合いがある転職エージェントで、非常に詳しいです。
友人も数名この転職エージェント内に在籍していましたので、細かい点についてもお役に立てる情報を提供できるのではないかと思います。
また、私はこれまで3度ほどの転職経験があり、特徴の異なる転職エージェントをいくつも利用してきましたので、相対的な視点からも今回はご紹介しようと思います。
今回の記事の目次
type転職エージェントとは、どんな転職エージェント?
サービス名称については、世間一般、特に関東地方の方にはなじみがあるでしょう。
@typeはサービス名称で、転職サイトも持っているのですが、転職エージェント業界ではエージェントサービスのことを会社名の「キャリアデザインセンター」と言ったりします。
『女の転職』という転職サイトの運営もしています。
また、その他エンジニア系の転職には強い転職エージェントとも言われていたり、転職フェアも行っていたりします。
ですので、サービス的には転職関連では全部と言って良い機能を持っています。
転職エージェント以外の機能と連動しているため、機能面では充実した転職エージェントと言えると思います。
今回は、転職エージェントの利用体験談ですので、type転職エージェントとしての特徴も説明します。
@typeは東京に本社を構えていて、支店は横浜だけになります。
ただし企業としての従業員数は400名ほどいますので、大きな企業です。
求人関係の特徴としては、営業系の職種を中心に、ベンチャー企業の求人が多いように思います。
私は実際にtype転職エージェント経由で転職しているのですが、転職先の上司に「人事なのに、なんで@typeに登録したの?」といったことを言われました。
というのも、type転職エージェントは人事を含めた管理部門系の職種にはあまり強くないのです。
最後の特徴は、この後詳しく紹介しますが、ゴリゴリの営業会社です。
もっと言いますと、ゴリゴリの転職エージェントです。
登録から担当者決定まで
type転職エージェントへ登録したきっかけは、人事でも取引があり、数人の友人が@typeで仕事をしていたためです。
まずは、自分で@typeのホームページ(HP)に個人情報などを登録しました。
その際、社内にいる友人が事前に話をつけてくれていて、転職決定率の高い優秀なキャリアアドバイザーを担当にするよう取り計らうとのことでした。
ある意味、コネのような形になっています。
そのキャリアアドバイザーから後日電話があり、まずは来社とのことで、東京本社にお邪魔したのです。
何度か人事関係の打ち合わせで訪問していたので、慣れた感じでの面談となりました。
なお、type転職エージェントでは登録後に担当となったキャリアアドバイザーを変更したい場合は、非常に面倒なプロセスを踏む必要があります。
営業色の強い転職エージェントですので、個人の業績をものすごく気にして、できれば変更は避けたいため変更に非常に難色を示します。
@typeで働く友人に聞いたのですが、ある場合はtype転職エージェントの上司も求職者と面談をして、ようやく変更までできる場合もあると言っていました。
私の今回の優秀なキャリアアドバイザーは40歳代で、@type部門の課長さんでした。
見るからに体育会系、見るからに営業マンという感じの方です(笑)
ちなみにtype転職エージェントは体育会系を好みますので、特に男性はこういったキャリアアドバイザーが多いのが特徴です。
担当者決定から面談まで
実際の面談ですが、その前の電話で、面談までに下記のものを用意するよう言われます。
@typeでは、そこまで詳しく聞かれませんが、自分の転職活動を早期に成功したいとお考えの方は、転職エージェントに関係なくしっかりと準備しておいた方が得策です。
面接前に準備したもの
- 履歴書(データとペーパーの両方)
- 職務経歴書
- 履歴書用写真
転職エージェントによっては、これに加えて英訳版の履歴書と職務経歴書の準備を求めることもありますが、@typeは外資系の求人は皆無に近いため特に触れられません。
実際の面談内容
@type転職エージェントでの面談は約1時間半みっちり行います。
まずは面談の冒頭で、誓約書と個人情報の取り扱いに関する同意書に署名捺印をします。
その後、キャリアアドバイザーのあいさつ含めた自己紹介に流れます。
特に普通でした。と言うよりも、自分も何度か転職経験があるようで、その際の武勇伝のようなことを聞かされました。
それが終わると、履歴書と職務経歴書を中心とした私へのヒアリングとなります。
ヒアリング内容
- 現職の入社理由と退職(希望)理由
- 転職の諸条件(会社規模、職種、勤務地、年収、労働時間などの労働環境)
- 学生時代に一番頑張ったことと実績
- 現職で一番頑張ったことと具体的な数値実績
- 現在の職場における、自分の強みと弱み
- 転職先にしたくない条件
この他、失敗談についても聞かれ、ここについては結構、細かく突っ込まれた覚えがあります。
面談の場で求人紹介
@type転職エージェントでは、面談のその場で求人の紹介があります。
なぜなら、@typeはかなり営業体質の転職エージェントであるため、少しでも早く紹介手数料に繋げたいのです。
求職者視点の転職エージェントは、しっかり吟味した上で後日紹介をしてくれるのですが、いかんせん営業体質であるため、目的が利益目線になっています。
@type転職エージェントで働く友人はこっそり
『たぶんその場で求人だされると思うけど、希望に合致した内容はあまり出てこないと思うよ?うちはノルマがきついから、どのキャリアアドバイザーも必死で数字追いかけてるし。』
といったことを教えてくれました。
ちなみに余談ですが、@type転職エージェントは、従業員の離職率が非常に高いです。
とにかく数字を追いかける文化ですので、朝早くから夜遅くまで、土日も会社に出て仕事するような文化です。
私の場合は、コネで優秀なキャリアアドバイザーがつきましたが、通常ルートですと、この離職率により経験のない若いキャリアアドバイザーが担当することが多いです。
私が人事をしていた時代に、@type転職エージェントの営業担当やキャリアアドバイザーと会食したことがありますが、担当者が短期間で何人も入れ替わり、会食で同席したキャリアアドバイザーは、たまたま道端で会った時には既に退職していて、働き過ぎて体を壊して転職したとのことでした。
話を面談での紹介に戻します。
上記のような理由があるためか、全部で30社ぐらいの求人を紹介されたのですが、希望する役職ではなかったり、経験のない求人だったりと、大半が的外れなものでした。
応募手続きした求人数
いくつもの求人票を紹介されました。
私は、40社ほどだったように思います。
転職エージェント側も、『まずは可能性を幅広く設けて、少しずつ条件を絞っていく』というやり方だったようです。
私はその場で応募手続きをせず、いったん持ち帰っています。
自分にマッチしているかどうか判別することとなり、非常に手間でした。
結局、その日に紹介された求人の中から応募手続きを依頼した数は5社で、同時に登録していた転職エージェントと比較しても、応募できた数が最も少なかったです。
また、@typeは慢性的な人材不足に悩まされていたため、すぐに自社のキャリアアドバイザー職を紹介してきます。
その他、圧倒的に営業系の職種の紹介が多く、ブラック企業に近い求人もありましたのでご注意ください。
@type転職エージェントを気を付けなければならない理由
@type転職エージェントがなぜ、営業系の求人が多いのか、また、なぜ気を付けなければならないのか、その理由について、説明します。
まず、営業系の職種はそれまでの実績はあまり考慮せずに内定が出ることが多いのです。
転職エージェントの中では、この営業系の求人は利益につながりやすい求人としてラッキー求人と言われています。
どの転職エージェントも営業職は積極的に紹介するのですが、@type転職エージェントはあからさまです。
まずは、途中で嫌なら辞退しても構わないので、とにかく内定を得るために全部受けてくださいと言ってきます。
そして辞退はさせないパターンです(汗)
やはり営業力という点では非常に強みがあるので、いろいろ言いくるめられて辞退しない方に誘導されます。
営業に慣れていない方は特に注意が必要でしょう。
面談後のやり取りの手段
大手の転職エージェントでありながら求人紹介や面接日程の調整などをやり取りするシステムは保有しておらず、面談後の連絡は全て電話やメールとなります。
@typeはあからさまですので、選考が進むにつれてメールより電話が多くなります。
数字への意識が高い強いために自然に出る行動でしょうが、求職者からすると営業し出している一つの基準になるのではないでしょうか。
しかも、普通では考えにくい朝の7時とかでも電話が来ます。
キャリアアドバイザーは携帯を持っているのですが、自宅でも仕事をしているようです。
出勤前の自宅や通勤途中に電話してきたりしますので、けっこう迷惑でした。
応募企業の選定と決定まで
先述の通り、自宅で自ら選定をした5社に応募したのですが、応募前に履歴書と職務経歴書の再確認という工程は@type転職エージェントにはありませんでした。
また、レジュメの添削アドバイスもなく、サービスはあまりよくありません。
その他の適性検査対策もありません。
これは、笑い話で聞いていただきたいのですが、@typeで働く友人が
『適性検査は勉強でしょ?うちは体育会系が多いくて勉強苦手だから、適性検査を教えられない人が大半だよ』
と言っていました(笑)
なお応募の際、@type転職エージェントではレジュメとは別に紹介状を添付して企業へ推薦します。
企業の人事を担当していた際にこの紹介状を見たことがあるのですが、これまたあっさりしていて、ただ書いているだけといった感じが否めません。
できれば紹介状を事前に見せていただくよう依頼して、どうしても入社したい企業の場合は自分で紹介状やプロフィールを作った方が良いでしょう。
@type経由の書類選考結果
どの転職エージェントでも書類選考の通過率が全行程の中で最も低いのですが、@type転職エージェントでは書類選考通過率が異常に悪かったです。
面談で紹介された企業5社のうち、通過した求人はゼロです。
全部、見送りになりました。
これはまずいと思い、どのように企業に紹介されているのか確認をするため、再度キャリアアドバイザーと面談をしましたが、書類は「この内容だと特徴が分からないし志望意欲も伝わらないな」といったものでした。
ですので、結局自分で行いました。
もうこの段階で登録解除しようかなと思いましたが友人の顔をつぶすことにもなるかなと思いそのまま利用させていただきました。
@type転職エージェントを利用する際に、書類選考の通過率は異常に悪いことを念頭においておいた方が後でショックを受けないと思います。
選考から内定を勝ち得るまで
通過ゼロの後に、かなりきつめに求人をもっと精査してほしいと伝えてあったので、2回目に紹介された求人はずれていませんでした。
その中の1社で書類選考が通過し、数回の面接を経て内定をいただけて入社しています。
選考が進むにつれて@type転職エージェントの電話の頻度が多くなり、面接後の義務連絡のその声も明らかにテンションが高くなっていました。
なお@type転職エージェントは、同じ企業へ上限なく、誰であっても紹介します。
実際の話として、私が企業の人事担当をしていた頃@typeとも取引があり、紹介の日数は一番早く量も多かったのですが、マッチ度合いとしては最低で、書類選考で全て見送りということもありました。
また、@type転職エージェントは面接後の電話で、どんな質問があったかあまり聞いてきません。
そして面接前の内容共有はありませんでした。
この点でも他の転職エージェントとはサービスの質が劣るかなと思います。
内定後の入社条件の調整
@type転職エージェントから紹介いただいた企業からそれなりのサポートもあり、内定をいただいた私はその企業へ転職することに決めました。
条件がというよりも、企業のイメージが良かったためです。
たぶん、企業との取引関係も良好とは言えないのだと思います。
なぜここまでの評判でありながら、今もなお企業として存続しているのかですが、転職サイト自体のサービスは充実していますし、何と言っても新規求人を獲得する営業力は並ではありません。
冗談抜きにものすごい営業力です。
これにより、現在も存続しているのだと思いますし、現在では当時と比べて質も向上していると聞いたことがあります。
内定後、また、内定辞退について
私は辞退していませんが、友人から聞くとやはり辞退にはかなりの難色を示し、何が何でも辞退を食い止めるという方針をとっているようです。
@type転職エージェントで働く私の友人は、辞退を防止して入社までこぎ着けたケースは結構あると言っていましたので、ここでも強力な営業力を発揮するのだろうと思います。
特に営業職の女性は、辞退を申し出ても防止されることが多いようです。
内定が出て入社承諾した求職者には、@type転職エージェントはかなり友好的になり、何でもする精神で入社日までフォローしてくれます。
内定後の条件交渉については@type転職エージェントは頑張ります。
紹介手数料が大きければそれだけ自分の業績に反映され、それは給料面に大きく左右されるからです。
そのため、条件交渉、特に給与面については威力を発揮してくれると思います。
現職の会社の近くまで来て、お茶をしながら近況を共有するといったこともしているようです。
@type転職エージェントの営業力に期待
これまで、@type転職エージェントを利用しての体験談をご紹介しましたが、振り返ってみるとあまり良くないなと思ってしまいます。
しかし、これは当時の私の体験談であり、今では異なっている場合もあるでしょうから、これで登録はしないと決めつけない方が良いです。
求職者からすると求人数は多い方が良いですし、特に女性の方は転職サイトの利用もできるので。
当時は求人の質から最後までこれと言った良さは感じませんでしたが、営業力だけは半端ではありません。
ぜひ、この企業の求人はないかな?と思った時には、求人獲得のために@type転職エージェントの営業に動いてもらってみてはどうでしょうか?
それまでなかった求人を獲得してくれる期待は十分にあります。
また、@type転職エージェントのキャリアアドバイザーは人間味があり、どこか憎めない人が多いです。
面白いキャリアアドバイザーも多いそうです。
なかなか転職活動がうまくいかない求職者の方は落ち込みがちになると思いますが、@type転職エージェントのキャリアアドバイザーはユーモアセンスがあるので、メンタルサポートはありがたいかもしれないです。
最後になりますが、転職エージェントをうまく利用して、自分の転職活動に有益になるよう、頑張っていただければと思います。
この記事の筆者
小玉 崇(仮名)
1975年生まれの40歳。
人材業界にて転職者の支援に一貫して従事。
転職者に常に寄り添う事をモットーに、転職後のフォローも行いながら数百名の転職者を支援。
特にIT業界やベンチャー企業へのパイプが強みとしながら、現在も初心を忘れず人材業界で日々、精進中。
人材業界は経済の波に左右されやすい業界であるため、先を見ながら転職者のエージェント活動を行っている。