転職情報サイトや口コミサイトは信用できるのか?!
みなさん、こんにちは。
転職活動をするためには、事前の準備として情報収集が不可欠です。
もちろん転職エージェントや転職サイトでも情報を得ることはできますが、転職情報サイトや企業の口コミサイトではより具体的な情報を得ることが可能となります。
これらのサイトに寄せられている情報は、実際に就業している従業員、退職した元従業員、取引先、面接を受けた求職者など、視点はさまざまです。
評判の高い意見もありますが、中には名誉毀損に近い意見まで混在しているため、どれが本当の情報か分からないことがあります。
この転職情報サイトや企業の口コミサイトから、確実な情報を見極めることが重要となります。
まずは、どのような転職情報サイトや口コミサイトがあるのかといった辺りから話を起こしていこうと思います。
今回の記事の目次
転職情報サイトや企業の口コミサイト
インターネット上には複数の転職情報サイトや企業の口コミサイトがありますが、今回はメジャーなものをピックアップします。
恐らく、ビジネスマンにとって最も知名度が高いサイトは『転職会議』だと思います。
私も求職者時代によくこのサイトで企業の評判を確認しましたし、転職エージェントの情報収集として紹介もします。
どちらも転職会議よりは知名度が低いですが、近年成長しているサイトです。
企業の人事担当者や経営者も実は見ます
私が企業の人事担当だった時代にも、こういったサイトは存在していました。
これらのサイトに書かれている内容には本当のこともあればウソもあります。
正直なところ、口コミサイトに書かれる悪い内容は企業の採用活動に大きく影響を持ちますので、かなり厄介でした。
私が勤務していた企業はどちらかと言えば優良企業でしたが、それでも悪い意見はちらほら見られました。
面接に来る求職者や転職エージェントからその点の質問があり、細かい部分まで誤解がないように説明していました。
企業の経営者もこれらのサイトの存在は知っており、会社の悪い評判があれば当然気にします。
私の勤務していた会社の社長は「事実とは異なる悪い内容は、サイト運営者に連絡して削除するよう依頼してほしい」とまで言っていました。
一度掲載された評判や口コミは簡単に削除できず、削除に至るまで数カ月程度かかります。
こういった裏事情もあり、求職者としては情報の見極めが非常に難しいのです。
次に、これらの意見が真実か否かの見極めについてご紹介しようと思います。
評判や意見の見極めについて
まず、どの転職情報サイトや企業の口コミサイトにも、事実と事実ではないことが混在していることを知っていただきたいです。
私は某転職情報サイトの経営者と親しい関係にあるのですが、口コミや評判を掲載するかしないかの判断は特にないそうで、ある意味誰でも投稿することができます。
悪い評判や口コミの真意
大事な指標は投稿数
企業の中にはやたらと悪い評判が投稿されている場合があります。
この場合、内容よりも投稿数が大事です。
悪い内容がたくさんある場合は悪い環境である傾向があります。
投稿内容
投稿には投稿者として、従業員や元従業員、取引先などの記載がありますが、投稿する本人が自由に選択できるので100%信用しない方が良いでしょう。
また、元従業員や面接を受けたという方は、大体悪い内容を投稿します。
人間の心理として、不快な思いや面接で落ちた場合にネガティブな感情になるため、悪い内容を投稿することが多いようです。
先述の通り、悪い内容の投稿よりも悪い内容の投稿数を指標にした方が真実味はあると思います。
また、悪い評判を投稿する属性は女性の方が多いです。
女性は感情で生きる傾向にあるため、愚痴や不満を自分の中でため込むことが難しく、匿名で投稿できるサイトを使ってストレス発散しているとのことです。
私の友人に悪い評判を投稿したことがある女性が何人かいますが、異口同音で投稿理由はストレス発散と言っていました。
そのため、ストレスが解消されると投稿を削除する傾向があります。
悪い評判や口コミで唯一、信用が置ける内容
取引先という立場の投稿は信用がおけます。
取引先で営業した結果、受注できなかったためネガティブな感情を持ち投稿する場合があります。
その数は多くはなく、単純に営業先という見方ができる立場のため、悪い評判の中では一番信憑性があるものと言えるようです。
しかし、取引先という立場ではないにも関わらず取引先として投稿する場合もありますので、五分五分ぐらいの気持ちで投稿内容を確認した方が良いと思います。
良い評判や口コミの真意
悪い評判などと異なり、良い評判や口コミはかなり信憑性が高いと考えた方が良さそうです。
特に、投稿者が元従業員である場合は、退職しても印象が良い、働きがいのある企業だったと言えます。
通常、企業を退職する大多数はその企業にネガティブな思いを持っているため、それを考えると理解ができると思います。
私が人事担当時代、たまたま口コミサイトに投稿した元従業員を発見したのですが、今ご紹介したようなポジティブな意見があり、退職後も応援したいということで投稿したと言っていました。
既に退職した立場の方や取引先の方は客観的に見ることができるので、参考に値すると思います。
特に取引先の立場の投稿で、契約に至らなかった場合の良い評判は大事だと思います。
このように、良い評判は求職者としてはぜひ参考にしていただきたいと思います。
悪い評判は個人の感情がかなり入っているため、話半分としてチェックした方が良いように思います。
転職情報サイトや企業の口コミサイトの存在意義
そもそも、これらのサイトはなぜ立ち上がったかご存じでしょうか?
もちろん、その企業の評価を下す一つの指標としてということになりますが、実はもう一つあるのです。
日本では、新卒や中途に関係なく入社した企業を短い期間で退職してしまう人が今以上に多い時代がありました。
特に若年層の方にこの傾向が強く見られ、理由を分析すると「企業研究が足りず、何となく入社して想像と違った」と退職につながるのです。
サイト運営者は、これを是正する目的でサイトを立ち上げています。
次に入社する企業は、しっかりと情報収集して、間違いのないようにしてもらいたい願いが込められています。
悪い評判は投稿却下することもできず現在に至るのですが、私の友人であるサイト運営者は『できれば、悪い内容よりも良い内容でその企業を評価してほしい』と言っていました。
そして、サイトから得た良い情報により本当に自分に合う会社選びをして、長い就業で活躍してほしいということがゴールとなります。
なお、複数の口コミサイトがありますが、投稿内容の真意についての差はありません。
投稿内容の質は、ほぼ横一線です。
求職者が確認した他の情報サイト
転職関係のサイトの他にも、企業情報を知るサイトはあります。
その中から二つほど、私がお勧めしたい転職活動の情報に役立てていただきたいものをご紹介します。
企業の商品やサービスサイト
自社のホームページに商品ページを設けている企業もありますが、大体は楽天などモールに商品やサービスを掲載していることが多いと思います。
そこで購入したユーザーの商品やサービスの口コミは参考になります。
それぞれの企業はどのような商品やサービスを展開して、ユーザーからどのような評価をもらっているのかは、それぞれの企業の将来性に大きく関わります。
仮に、商品やサービスの評価が低いものが多い場合は成長性は低いと読み取っても良いと思います。
逆に良い評価であれば、商品力やサービス力が強いため、伸びしろはあると判断できると思います。
私は求職者として、転職活動する際の企業選びは、いかに消費者からの評価が高いかを基準にしていました。
どの企業も営利集団で、収益をもらう対象は消費者です。
いかに社会に貢献できているかを知るために、その企業の商品やサービスの口コミをチェックすることは重要なことだと思います。
新卒用の口コミサイト
中途採用の場合は、必ず過去に前職があります。
前職があるということは、その企業の環境や社風が身についています。
転職においてこの過去の経験は時に厄介なものです。
転職関係のサイトにもその影響があり、いくつか経験した中でその企業はどうかという投稿内容が見られます。
しかし、新卒の場合は前職と言える対象がないため、本当に素直な意見を持っています。
企業の人事仲間の間では、転職関係サイトの口コミよりも新卒用の口コミサイトの方が事実が多いと評判です。
みんなの就活日記というサイトをご存じでしょうか?
求職者の皆さんも、かつては新卒としてこのサイトを活用したことがあるという人も多いと思います。
就活中の各企業の感想や、インターンなどで実際に働く環境の感想をそのままに投稿しています。
良い内容も悪い内容も当然にありますが、素直な観点で投稿しているものですので転職関係のサイトよりも信頼度は高いように思います。
ブラック企業は見極める
口コミサイトは基本的に信憑性に欠けるのですが、これらのサイトはブラック企業かどうかを見極める指標になると言われています。
私もこの意見には賛同できます。
転職情報サイトや企業の口コミサイトの良い投稿は信憑性があるとして、求職者が前向きな考えで転職するかどうかの判断材料とすることは良いと思います。
問題は悪い評判です。
労働時間や残業代、有休と言った、個人の価値観に偏らない内容は、信憑性が高いです。
これらの労働環境についても投稿されている悪い内容で、ブラック企業かどうかを見極める指標にすることができます。
私も含めて各転職エージェントは、転職関係のサイトから実際の労働環境を調べて求職者へ共有しています。
あまりに酷い場合は求人の依頼があっても受注することはしません。
口コミと自分が感じたことを対比しよう
転職情報サイトや企業の口コミサイトだけを信じることは、求職者にとってリスクでしかありません。
しかし、先述の通りメリットになることもあります。
そのため、口コミサイトの投稿内容を一つ仮説と考えて、最後は自分が面接などの選考を通して感じたことと対比してみるのがベストだと思います。
信憑性は低いものの、中には事実の内容も含まれているため、判断しにくい部分を自分で感じた内容と対比するのです。
そうすることで自分の意見も踏まえて、深い情報として転職するかどうかを見極めることができると思います。
企業の人事は投稿しないのか?
転職情報サイトや企業の口コミサイトは投稿規制がないため、ある意味誰でも投稿することが可能です。
転職エージェントとして、求職者から『企業の人事は投稿しないのか?』という質問をよく受けます。
答えは、投稿する場合もあります。ちなみに私はしたことがありません。
投稿する企業のタイプは、ブラック企業の人事担当者が多いようです。
100件分のアカウントを持ち文章を作成するのはかなりの労力がかかります。
普通の企業の人事はそこまでの時間的余裕はありませんので、仮に投稿したとしても数件程度だと思います。
求職者の方は、評判が良い投稿の中には、企業の人事担当の投稿も一部あるのか?と思いながら確認してください。
転職情報サイトや企業の口コミサイトの将来性
これらのサイトは、実は行政関係の方もチェックしています。
特に労働時間などの悪い投稿については臨検の対象としているようです。
ですので、企業は積極的に悪い投稿の削除依頼をしています。
そして、将来的に悪い投稿は、事実確認を企業にとってから公開する仕組みにする動きがあるとのことです。
そうなると、求職者からすると将来的にはかなり信憑性の高い情報サイトになると思います。
ただ、現時点では特別なスクリーニングをしている訳ではないため、見極めが重要です。
最後は自分の判断と決断
転職情報サイトや企業の口コミサイトについて紹介してきましたが、最後は求職者自身の判断と決断になります。
私としては、信じるための情報サイトとしての活用ではなく、参考程度に止めておいた方が得策ではないかと思います。
これらのサイトの情報はサブ的な立ち位置として、自分が感じたことと比較する程度の情報にした方が良いと考えます。
大手人事業界の中では、有名な方がこんなことを言っています。
『転職情報の口コミを確認する暇があるなら、転職活動を頑張った方が絶対に良い』と。
確かにうなずける部分もあると私も思います。
ただ、転職活動や情報収集に答えや正解はありません。
人生を決める大事な局面ですので、情報で混乱し転職軸を間違えることがないようにしてほしいものです。
最後になりますが、皆さんの転職成功を祈り、今回はこれで話を終わりにしようと思います。