【エージェントが語る】提出していただいた履歴書はこう使います!
提出された履歴書はこう使われる!
求職者のみなさん、こんにちは。
求職者のみなさんは、転職エージェントを利用するしないに関係なく、転職活動をし、企業の選考を受けるためには、どうしても、必要な資料があります。
それが、履歴書や職務経歴書です。履歴書や職務経歴書は、求職者のみなさんが、自分自身のこれまでの経歴を公開し、企業に評価をしてもらうためには大事な資料になります。
まず、はじめに言いますが、履歴書や職務経歴書の出来は、企業の選考において、特に書類選考では非常に重要なファクトになりますので、絶対に怠ることがないようにしてください。
私は、企業の人事として、書類選考にも関わった経験を持ちますが、書類選考においては、内容はもちろんのこと、履歴書や職務経歴書の書き方、見せ方も重要な要素になります。
現在、私は転職エージェントとして求職者のみなさんの転職支援や企業の採用支援をさせて頂いている立場にありますが、履歴書や職務経歴書をしっかり対応している求職者の方は、書類選考の通過率、また、内定確度も上がっている傾向があります。
どのようなフローで?
では、実際に、求職者のみなさんが魂を込めて作り上げた履歴書や職務経歴書がどのような流れで利用されるのかという点について、触れておきたいと思います。
転職エージェントを利用している場合、まず、求職者のみなさんから預かった履歴書や職務経歴書を推薦状と抱き合わせで企業に応募書類として送付されます。
推薦状には、求職者のみなさんの簡単な略歴や人間性などが記載されます。
その後、企業は、推薦状と抱き合わせされた履歴書や職務経歴書を書類選考においてチェックします。
書類選考が通過すると、次は、面接で使用させれます。
通常、面接の場合、面接のために、求職者のみなさんが、転職エージェントに提出した履歴書や職務経歴書を自分で印刷し、写真を貼り付けて当日、企業へ直接、渡します。
面接で合格となれば、その履歴書や職務経歴書は企業内で保管され、次の面接で使用します。
もし、求職者のみなさんが面接で見送りになった場合、個人情報保護の兼ね合いにより、大体、3カ月ぐらいの保管期間を経て、シュレッダーされます。
ただし、誰がいつ応募したかというマスターデータは企業内で保管され、期間を短くして再応募がないかしっかりチェックしていることもあります。
各段階でどのような目的で履歴書が利用されるのか?
また、書類選考、面接と大きく2つの選考フェーズがありますが、この両者は、利用目的が多少異なります。
書類選考の場合、求職者のみなさんが魂を込めて作り上げた履歴書や職務経歴書は、その内容すべてを確認されるということはないと思った方が良いです。
ですので、私が先程、触れましたが、書き方、見せ方が大事になります。
ぱっと見て、この求職者の方は、会ってみたいと思わせる履歴書や職務経歴書の書き方、見せ方がありますので、是非、このあたりを意識してみると良いでしょう。
面接では、企業の面接官は、本腰を入れて、求職者のみなさんの履歴書や職務経歴書をチェックします。その目的は、面接において、事前にどのような質問をしようか把握するためです。
どちらも結論的には、選考に関わることですが、書類選考ではさらっと確認、面接では、かなり熟読されると思っておいた方が良いです。
ちなみに、書類選考においては、転職エージェントに提出した履歴書に必ず写真を添付した方が良いです。
はっきり言いますと、書類選考では、かなり見た目が左右します。
企業側も、どのような人物か写真がないとイメージすることが難しく、もし、他の求職者の方で写真を添付している場合、その方の方がイメージしやすいということになります。
このような些細なことで、本来は、書類選考で通過基準にあるキャリアを持っていても、見送りになるケースは良くありますので、是非、写真を添付することを心掛けて欲しいと思います。
その他、疑問を解決編!
この章では、次に、求職者のみなさんから実際に頂く、質問について、簡単になりますが、回答という形で記述したいと思います。
なお、この質問は私が勝手にイメージして作り上げたのではなく、私が転職エージェントとして求職者の方から実際に質問を受けた内容をもとにしていますので、恐らく求職者のみなさんにも当てはまる疑問になるかと思います。
Q:最初に出したものが最終版で、これがそのまま企業に行ってしまうの?
A:これについては、求職者のみなさんが、その内容で特別、変更点がないということであれば、そのままになりますし、その内容の履歴書や職務経歴書が企業へ行ってしまうことになります。
大手の転職エージェントの場合は、その傾向が強く、履歴書や職務経歴書の添削は、先方から積極的に行ってくれることは想定しにくいです。
ですので、求職者のみなさんは、転職エージェントをあてにせず、まずは、自分自身の転職活動であることを理解して、転職エージェントへ提出する前に、しっかりと作成した方が良いでしょう。
Q:どういう業界受けるか決めてないけど、志望動機とかは当たり障りのないものをかけばいいの?
A:転職エージェントへ提出する際に、転職エージェントは、志望動機までは求めません。転職エージェントに登録し、紹介を受けた求人に応募する際に、転職エージェントから、その企業用の志望動機を求められます。
Q:変更はエージェント側が勝手にやってくれるの?
A:履歴書や職務経歴書の変更を転職エージェントが勝手に行ってくれるということは絶対にありません。基本的に、転職エージェントは、求職者のみなさんの履歴書や職務経歴書を修正、変更することはしません。
万が一、そのような場合があっても、求職者のみなさんの同意を得ることになっています。
面談前に提出する履歴書、どう書く?
ここから、履歴書や職務経歴書を書き方など、具体的な話をしていこうと思います。
まず、転職エージェントの登録面談前に提出する場合です。この場合は、どの企業でも通用するように、志望動機欄はブランクにして、履歴書や職務経歴書を作成します。
その際の注意点としては、たまに求職者の方でいらっしゃいますが、パワーポイントで自分の履歴書や職務経歴書を作成することは控えた方が良いです。
本当にたまに、企業によっては、他の求職者の方との差別化で、面白い人材だということで、パワーポイントで作成を評価するケースもあります。しかし、これは、確率論の世界です。
大半の企業は、ワードやエクセルベースでの作成を求めます。
恐らく、転職エージェントも、ワードやエクセル形式での提出を求めると思います。
書き方については、定性的な表現はなるべくなくしましょう。定量的に記載できるところは、定量的に、また、実績についても、なるべく、具体的に記載しましょう。
特に実績については、他の文字と区分けできるように太文字にするなりフォントを変えるなり工夫が必要です。
それと、テクニックですが、企業に対して、気にさせる記載方法があります。
例えば、履歴書に、特技や特記事項の欄があるかと思います。そこに、学生時代に日本代表選出という毛歴を持つ場合、具体的な競技名をあえて記載せず、企業に気にさせる方法です。
これは、職歴でも十分、応用できる手法です。
私は、以前、求職者のみなさんと同じように求職者として転職活動を行ったことがあるのですが、この方法はかなり有効でした。
面接でも、○○と書いてあるけど、具体的にどのようなジャンルですか?など、質問を受けましたし、面接官から、この点が気になって会ってみたいと思ったと言われたことも何度もあります。
同じ内容でも、表現やテクニックを使うことで、最も選考通過率が低いとされる書類選考では威力を発揮します。
フォーマットは? 顔写真は? メールで送っていいの?
履歴書や職務経歴書のフォーマットは、最近の転職エージェントはどこも、自社のフォーマットをサイト上にアップしていることが多いです。
しかし、これを必ず利用しなければならないということはありません。
ちなみに、私は求職者だった時代に、転職エージェントのフォーマットを使うことはなかったです。
なぜかと言いますと、転職エージェントのフォーマットは、他の登録者も同じように使っていることが予想され、差別化を図ることができないと思ったためです。
私の場合、名前はかなり大きく記載していました。転職エージェントのフォーマットでは、自分の色を出すことができないため、あまり私はオススメするものではないです。
求職者の方によっては、ワードやエクセルの慣れていない、得意ではないという方もらっしゃるかと思います。
その場合は、ゼロから自分で作ると相当な時間を要しますので、転職エージェントのフォーマットを使っても良いでしょう。
また、先程も触れましたが、顔写真は必須です。書類選考上において、外見的なイメージは非常に重要です。
差別的な話になるかもしれませんが、これは現実の話としてありますので、ご了承頂きたいのですが、特に女性の場合は、顔採用という枠があります。
女性で、自分の容姿にある程度、自信があるという方は、絶対に顔写真は添付しましょう。
転職エージェントとして企業から情報を収集するなかで、このような話があります。
『事務職、管理部門系のレイヤーの低い職種の場合、スキルはだれでもほとんど変わりないから、ぶっちゃけると、外見だよね!』、『かわいい子を紹介してね!』・・・。
いかがでしょうか。
これは採用を行う企業の生の声です。
私は、この声を聞いても全く驚くことはなく、『まぁ、当然だよな』としか思わなかったのです。
なぜかと言いますと、企業の人事をしていたとき、現場の採用責任者から同じ要望を受けていたからです。
ビジネスのための転職であり、採用なのですが、女性においては、顔重視、外見重視の採用を行うことが良くありますので、企業の思惑を逆手にとって、自信がある方は、写真は必須添付です。
志望動機は?
志望動機については、登録時に記載する必要はないですが、希望条件は記載することは必要です。
志望動機を記載するフェーズは、求職者のみなさんが、選考を希望する企業を転職エージェントから紹介を受けたときです。
希望条件は、転職エージェントに伝えて、その希望条件に基づいて、求人紹介をしますので、必ず、伝えるようにしましょう。
求職者の方には、第一希望、第二希望、第三希望まで丁寧に記載する方もいますが、そこまで細かく希望条件を記載する必要はないです。と言うよりも、やめましょう。
でなければ、転職エージェントの思惑に引っかかることがあります。なぜか?転職エージェントはビジネスで求職者のみなさんの転職支援をしています。
そのため、自分の利益を優先し、求職者のみなさんが第一に希望しない求人も紹介されることがあるからです。
また、求職者の方からしても、現職との並行で転職活動をされる方が多いでしょうから、自分の時間的なゆとりがなく、1つの選考について、集中できず、良い転職活動ができないこともあるからです。
志望動機は、選考前に、希望条件は、ピンポイントに!これが基本です。
実績は数字を用いて具体的に表現
職務経歴書を作成するにあたり、ただ、自分の経歴を文字で羅列するのであれば、はっきり言って、自分を見送りにしてくださいと言っているようなものです。
求職者のみなさんは、他の求職者の方の職務経歴書を見たことがあまりないと思うので、イメージできないと思いますが、他の求職者の方は自分が思う以上に、丁寧に、そして、アピールしています。
企業の選考は、求職者のみなさんからすると、企業から自分を評価してもらうことで決まりますので、そう考えると、求職者のみなさんは、職務経歴書で自分を思う存分アピールすることが必要です。
求職者のみなさんのなかには、『アピールし過ぎると、自慢にならないか?』という疑問を持つ方もいるでしょう。
そうです。アピールとは、自慢なのです。
しかし、転職活動や企業の選考を受ける際には、思う存分、自慢して良いのです。
プライベートでは、友人や知人に嫌らしいと思われるかもしれない内容も、職務経歴書では、全くもってOK範囲です。
また、記載の方法は、定量的な話がベストです。
特に営業職など、自分で数字を持つことが任務とされている職種については、○○を頑張った、○○で成果を出しただけでは不十分です。
どのような施策を持って、どのような期間で、どれぐらいの成果を数字的に残したのか、また、社内でどのような評価を受けたのか、具体的に記載しましょう。
また、社内の○○賞を受賞した経歴などは、小さいことでもすべて書きましょう。
良いことは書けるだけ書いてOKです。
また、もし、求職者のみなさんのなかで、目標達成していない部分がある場合は、嘘を書いてしまうことは控えて、自分の前年度や前月との対比で、目標達成率を書くのです。
こうすることで、予算対比では目標達成してないとしても、達成したように見せることができるでしょう。
前年度、前月対比でも予算割れしているのであれば、予算割れしているとは言え、他のメンバーも同様に全員、予算割れであることさりげなく書いておきましょう。
職務経歴書の基本は良いことは大げさに、悪いことは矮小化するです!
私がなぜ、ここまで極端なアドバイスをするのかと言いますと、私は転職エージェントであり、以前は企業の人事でした。
企業の思惑は分かっていて、どの企業でも、書類選考や面接官も自分も過去に転職した経験を持つ方や新卒で自分が選考を受けて企業に入社しています。
自分のことを振り返ると、だれしも、良いことは大きく、悪いことは小さくしているもので、それを企業側は織り込み済です。
ですので、小さく書かれていても、なんとなく想定できます。
ただ、文字で悪い内容をそっくりそのまま書くと、印象がダイレクトに伝わりますので、ここは心理的な駆け引きです。
転職エージェントとの面談での使用
転職エージェントに履歴書や職務経歴書を提出する際にどのような目的で使用するのかは、先述で軽く触れた通りになりますが、ここでは、もっと具体的にお伝えしていこうと思います。
まず、大手の転職エージェントの場合は、自ら積極的に履歴書や職務経歴書の添削を行ってくれませんので、目的は単純に転職支援のスピード感です。
面談前に履歴書や職務経歴書を提出してもらうことで、求職者の方の希望条件を把握し、面談で求人を紹介する仕組みを持っているからです。
また、小規模の転職エージェントの場合は、もちろん、事前に履歴書や職務経歴書の提出依頼はありますが、目的が他にもあります。
面談で、求人の紹介をしつつ、履歴書や職務経歴書を事前に細かくチェックして、こうするともっと見栄えが良いなど、アドバイスをくれます。
この違いは大きいと思います。なぜかと言いますと、転職エージェントは、求人元である企業とその求人だけで取引しているのではなく、過去からある程度、取引があり、どの企業がどのような履歴書や職務経歴書を希望するのか把握しています。
その把握が、求職者のみなさんにとっては書類選考の通過率に大きく関わってきます。
求職者の方のなかには、大手の転職エージェントが絶対だという方もいますが、是非、小規模の転職エージェントを利用してみてください。
明らかに履歴書や職務経歴書の添削のサービスは質が違います。
また、ここで、求職者のみなさんの考え方で、ちょっと違うということがありますので、ご紹介します。
求職者のみなさんは、履歴書と職務経歴書のどちらが企業の選考において重要だと思いますか?
答えは、職務経歴書です。履歴書はそこまで選考において重要視されません。転職エージェントから企業に推薦状を提出する際も、実は職務経歴書だけを添付することも多くあります。
また、求職者のみなさんは、履歴書と職務経歴書を同じ用紙にしてませんか?これは、やめましょう。
必ず、履歴書は履歴書、職務経歴書は職務経歴書とそれぞれに分けましょう。
書類選考での使用
企業の書類選考での利用は、履歴書の写真でまず判断されます。
先程、履歴書はそこまで重要ではないとお伝えし、転職エージェントは職務経歴書しか添付しないことがあると言いました。
その通りなのですが、そうなると推薦状がポイントです。
推薦状には、求職者のみなさんが履歴書に記載した学齢や職歴を簡単に記載し、面談で受けた求職者の方の人物面としての特徴を記載します。
求職者のみなさんは、絶対に行ってほしいのですが、推薦状を必ず転職エージェントから見せてもらった方が良いです。
そうしないと転職エージェントのなかには、キャリアアドバイザーの凡ミスにより、求職者のみなさんが意図しない内容も記載されていることもあります。
ちなみに推薦状には、退職理由や転職理由を記載する欄がありますが、推薦状の書き方が下手くそなキャリアアドバイザーは、ネガティブに感じる表現を使っていることもあります。
大手の転職エージェントで、自分の担当者であるキャリアアドバイザーが若手である場合は、特に要注意です。
企業によっては、推薦状の文面だけで判断し、そこで見込みがないと思えば、職務経歴書に目を通さず、不合格ボックスに置かれることもあります。
面接での使用
書類選考よりも具体的にチェックされるのが、面接となりますが、面接では、実は、大半の企業は面接官に対して面接官練習をしていますし、質問集も用意されています。
面接で特に重要視されるのが、志望動機で、志望動機でも、どの企業にも通用するような言い回し、表現はやめましょう。
面接官からすると、突っ込みどころで、面接では求職者のみなさんがじり貧になることが想定できます。
志望動機は、なぜ、求職者のみなさんがその企業に転職希望を持つのか?という点がポイントになります。
例えば、求職者のみなさんが面接を受ける企業が人材業界だったとして、志望動機に『人に関わる仕事がしたいため』と書いたとしましょう。
求職者のみなさんが面接官なら、この志望動機で、『なるぼど!』と思うでしょうか。面接官としても従事した経験を持つ私からすると、こう思います。
『その理由だと、他の人材業界の企業でも良いですよね?』
いかがでしょうか。この志望動機には、全く必然性がないのです。
志望動機は、その企業だから通じる内容でなければ、説得力はありません。
そうなると、ベストとなる絶対に外せない内容は、企業理念です。
企業理念は、その企業独自のもので、同じ内容の文言はあるとしても、一字一句、同じということはありません。
その企業への必然性として、企業理念に共感した、もっと言いますと、企業理念のこの部分に共感を覚えたなどという内容が良いでしょう。
こうすることで、この点については、面接官は納得せざる得ないですし、この先の質問集も用意しているのですが、履歴書に記載した志望動機だけで完結させることができます。
それと、企業側は、履歴書を見ながら自分の経歴を紹介する求職者の方をあまり高く評価することはありません。
ですので、できれば、ある程度、記憶し、補足の部分、細かい部分だけを確認する方がイメージは良いです。
面接では、履歴書や職務経歴書を事前に読み込み、求職者のみなさんが嫌がるような質問をしてくる企業もありますので、突っ込まれる部分をいかに解消するかが焦点です。
そのために、面接前に転職エージェントに志望動機を確認や面接の練習などをしてもらうと良いでしょう。
最後になりますが、求職者のみなさんの転職活動が有意義なものであり、最高の転職ができることを心から祈り、今回のテーマである、『【エージェントが語る】提出していただいた履歴書はこう使います!』は、ここで話を終わりにしたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。