ネオキャリアを利用してみた(転職エージェントプロが語る)
今回は、今転職エージェントの中で最も勢いがあると言っても過言ではないネオキャリアについてご紹介したいと思います。
私自身も、何度かの転職でネオキャリアを利用した経験がありますので、その時の体験を踏まえ具体的にお話ししようと思います。
中には、ネガティブな要素が含まれる場合もあるかもしれませんが、あくまで私の経験の中での話ですので、あまり偏見は持たないで下さいね。
今回の記事の目次
ネオキャリアってどんな転職エージェント?
数ある転職エージェントの中で、いま最も企業成長率が高いと言われるのがネオキャリアです。
現在、私自身も小規模ながら転職エージェントとして活動していますが、業界でのネオキャリアの勢いは評判になっています。
社長の理念が浸透して社内一丸となって経営をされています。
本社は東京で日本全国に拠点があり、近年では海外、特に東南アジアへの進出を進めています。
最近は人材サービスの他にWEB系の事業にも力を入れており、人材+WEBの融合サービスを展開しています。
ネオキャリアの企業としての特徴は、いくつかありますが、代表的な要素は次のものになります。
社員のハードワーク
会社の方針として、質もこだわるが量(労働時間)にもこだわりがあります。
簡単に言えば、ネオキャリアの従業員はハードワークです。
朝早くから夜遅くまで、日によっては終電以降も仕事をしています。
圧倒的な労働量で、現在の地位をつかんだとも言えます。
軍隊的な組織形態
体育会系であり、縦社会の企業風土です。
また、営業会社、かつ、ベンチャー企業であるため、業績には非常にシビアです。
会社の理念に強いこだわりがあり、理念経営とも言われています。
当時の私とネオキャリアとの出会い
ネオキャリアと出会ったのは、私が30代前半の頃です。
当時は今ほど業績が好調ではなく、どちらかと言えば停滞していました。
転職エージェント業界の中では『ネオキャリアってなくなるんじゃない?』とまで言われていた時代です。
私は20代での転職時に複数の転職エージェントを利用したのですが、その中でネオキャリアに初めて登録したのです。
当時の企業で取引があり担当営業の方と親しかったため、メインと言うよりもその他の転職エージェントとしての利用です。
当時は業績も不調でしたし、もともと営業会社でしたので担当のキャリアアドバイザーは「がっつき」がすごかったです。
ネオキャリアの求人について
ネオキャリアの求人はそこまで豊富でもなく、質も「なるほどなぁ」という程度のものでした。
当時は業績が不振で評判もあまり良くなかったため、企業もネオキャリアへの求人を控えていましたから。
その中で強みがあった業界と職種は、IT業界と営業職です。
転職エージェントで採用実績を見ると、採用に至る確率が高い業界はIT業界であり、採用に至る確率が高い職種は営業です。
ですので、かなり難易度の低い求人が多かったです。
登録から担当者決定まで
ネオキャリアのホームページ(HP)から私の情報を登録すると、後日担当となるキャリアアドバイザーから連絡があります。
その電話では、かなりしっかりした口調の男性キャリアアドバイザーから面談日程の決定について話がありました。
ネオキャリアは転職エージェント事業が企業側担当の部署と求職者側担当の部署で分かれていて、キャリアアドバイザーは求職者側担当の部署の上長が、適宜割り振る仕組みです。
当時は従業員数は200名程度でしたのでキャリアアドバイザーの担当変更は柔軟とは言えず、基本的に最初のキャリアアドバイザーが最後まで担当することが普通でした。
しかし、今では2000名近い従業員を持っているため、一定以上の理由であれば担当変更は対応してくれます。
なお、当時も現在も登録料は無料で、転職にかかる費用は0円です。
担当者決定から面談まで
電話での連絡の際、私の転職理由や条件を具体的に把握したいため、後日来社してほしいと言われます。
その電話では結構、あっさりした対応でした。
面談前に用意するもの
- 履歴書(データとペーパーの両方)
- 職務経歴書
- 履歴書用写真
友人や知人で転職を考えている人がいれば紹介してくださいとあり、紹介した場合はお礼としてプレゼントがあると言われました。
何度か転職エージェントを利用したことがありましたが、登録面談前にそういった依頼をされたのは初めてで、若干違和感を覚えました。
ネオキャリアの従業員はハードワークでしたので、面談については夜遅くまで対応してくれます。
今は違うようですが、当時では転職エージェントの中でも遅い時間帯からの面談を良しとするレベルはトップだったのではないでしょうか。
しかし、体力的に長期間労働が難しく退職率がかなり高い企業で、転職エージェントとしての経験や知識は納得できるものではなかったです。
実際の面談内容
実際の面談はこれまでの経験した転職エージェントの面談とは異なり、かなり淡泊なものでした。
求職者に聞く項目リストがあり、それを字面で聞いているような感じでした。
面談で聞かれること
- ネオキャリアの転職エージェントサービスの印象
- ネオキャリアをどのように知ったか
- 学生時代の活動内容
- 自分の長所と短所
- これまでの会社への入社理由と退職(希望)理由
- 転職の諸条件(会社規模、職種、勤務地、年収、労働時間などの労働環境)
これは今も当時も変わらないようです。マニュアルが変わっていないようですので。
この他、事前に用意するよう言われた書類を中心にこれまでの個人業績や失敗談など聞かれます。詳細までは聞きません。
面談時間は30分ほどで終わります。
大体転職エージェントでは1時間~1時間半が平均的ですので、これはかなり短いです。
面談時間から見ても分かる通り、求職者の情報を聞くというレベルの面談です。
私の担当となったキャリアアドバイザーは23歳で、キャリアアドバイザー経験は半年というものでした。
私は当時30代でしたので、このキャリアアドバイザーで大丈夫かな?と不安を覚えた記憶があります。
今もネオキャリアは従業員の定着率が決して良いものではないため、30代の求職者を20代前半のキャリアアドバイザーが担当することがあるようです。
個人的には、大学を卒業してまだ1年ない社員が30過ぎの社会人の転職サポートをすることは酷だなと同情しました。
ネオキャリアへ登録しようと考えている方は、このあたりを考慮した方が違和感は少ないと思います。
ちなみに、ネオキャリアの本社はそれなりにきれいです。
ブースも個室を用意されていて、個人情報の取り扱いはしっかりしているように見えました。
面談前に転職エージェントについてのアンケートと、個人情報同意書その他、誓約書へのサインが必要です。
求人の紹介について
ネオキャリアでは、今も当時と変わらず面談内で具体的な求人の紹介があります。
今は求人数も増えて質もそれなりに担保されているようですが、当時は求人数も少なく、既に他のエージェントで紹介されたものばかりでした。
また今も当時も経験が浅いキャリアアドバイザーが担当となることが多いために、求人の内容や企業の特徴をあまり把握していないため、求職者からの質問に的確な回答が出ないことも見受けられます。
求人数は10社ほどで、企業規模が比較的小さいIT業界のものが大半です。
この数はかなり少ないと思います。
その場で応募することも、持ち帰って検討することもできますが、私は紹介された求人を全て他の転職エージェントで把握していたので全て断りました。
「後日条件に合致する求人があれば紹介します」という事で、その日の面談は終了です。
ネオキャリアの転職エージェントサービス
ネオキャリアでは、レジュメの添削サービスや面接練習など、どの転職エージェントでも当たり前にあるサービスがありません。
ネオキャリアで働いていた友人が「定着率が悪く、経験が浅いキャリアアドバイザーが多いため質の高いサービスが提供できない」と言っていました。
ただ、適性検査の学習は一緒にしてくれるようです。
適性検査を苦手とする求職者の方は多いと思いますので、ネオキャリアに登録した場合は積極的にこのサービスを利用してはいかがでしょうか。
細かく幅広い範囲まで一緒に学習してくれます。
面談後の新規求人
面談で紹介された求人には応募せずでしたが、後日数件の求人紹介がありました。
しかし、それも全て、他の転職エージェントから既に紹介されていたもので、担当からゴリ押しがあったので内定が出ても入社する気持ちはないと伝えた上で選考に進みました。
結果、運よく書類選考が通過したのですが、そこからキャリアアドバイザーと共に企業側の営業担当者から連絡が来るようになったのです。
ネオキャリアは営業体質であり、企業側の営業担当の営業力はすごいものがあります。
そのため、書類選考が通過した段階で求職者をその企業へ転職させようと連絡してくるのです。
求人の紹介を受けた後、面接辞退した場合
以下は、私の同僚や友人の話です。
ネオキャリアから求人を紹介してもらい、書類選考が通過し面接が組まれた後にネオキャリアへ辞退を伝えるとどうなるか。
始めはキャリアアドバイザーから企業さまへ迷惑が掛かるため、面接だけでも受けてほしいと連絡があります。
それでも求職者が拒むと、次はその企業の担当営業から電話が入ります。
キャリアアドバイザーへ伝えた内容を再度伝える必要があり、求職者からすると二度手間です。
それでも断ると、その電話で「分かりましたが、次は絶対に面接が決まったら受けてください」と注意があります。
しかし、その後ネオキャリアから一切の連絡・紹介はなくなります。
ネオキャリアで面接を辞退した求職者は、こういった対応をされる場合があるようです。
内定が出ると入社連絡の嵐!!
書類選考通過のタイミングではゴリ押しも特に気にせず、私はマイペースで面接に進み結果的に内定を頂きました。
しかし、面接の都度ネオキャリアから面接の感触を聞かれます。
転職エージェントと企業の営業担当者の両方からです。
入社してもらいたいというよりも、何が何でも入社させたいという営業的要素を強く感じました。
そして、ネオキャリアへ内定辞退の連絡をしたのですが、そこでも企業の営業担当者との話になり、3時間ほどなかなか終わらせてくれなかったのを覚えています。
『入社してもらわないと企業と弊社の関係がおかしくなるため、入社してください』
と私に伝えてきたのです。
求職者の転職よりも個人の業績や企業との関係性を強く意識してるんだなと、残念に思いました。
結局、ネオキャリアには、辞退を貫き通しました。
ネオキャリアの書類選考通過率
転職の選考フローには書類選考から複数回の面接が用意されていますが、この書類選考が最も通過率が低いです。
しかし、ネオキャリアの求人については他の転職エージェントより通過率が高いのです。
実はネオキャリアの企業営業は、企業に求職者を紹介する際、書類選考通過のためにかなりの営業をしています。
私も企業の人事担当として経験がありますが、打ち合わせで面接に進ませてほしいということで土下座をされたことがあります。
時にはアポイントがない中で、会社の受付で出待ち営業をしたりと営業力はありました。
これにより、本来であれば書類選考で見送りとなる求職者も面接まで進む場合が多いのです。
求職者がその企業に入社したいという状況であれば、この営業力はかなりのサポートになると思います。
ネオキャリアの営業力をサポートに
当時よりも今はかなりしっかりした企業になり、以前のような評判はあまり聞かなくなりました。
今も以前と変わらない点は、ネオキャリアの強烈な営業力です。
求職者への入社依頼の営業力もすごいですが、そこを許容できるのであれば企業への書類選考通過のための営業力は業界随一です。
このサポートを得るために、ネオキャリアも利用して転職成功に自分を導いてはいかがでしょうか。
この記事の筆者
小玉 崇(仮名)
1975年生まれの40歳。
人材業界にて転職者の支援に一貫して従事。
転職者に常に寄り添う事をモットーに、転職後のフォローも行いながら、これまで数百名の転職者を支援。
特にIT業界やベンチャー企業へのパイプが強みとしながら、現在も初心を忘れず人材業界で日々、精進中。
人材業界は経済の波に左右されやすい業界であるため、先を見ながら転職者のエージェント活動を行っている。