P&Pを利用してみた(転職エージェントプロが語る)

私は求職者として3度の転職を経験していまして、その中で印象に残る転職エージェントがあります。

今回はその転職エージェントを利用した体験談をご紹介したいと思います。

3度目の転職はで、それまでの転職とは意味が違いやり直しがきかないゾーンに入っていました。

すごく苦戦した覚えがありますが、今回ご紹介する転職エージェントは当時の私に光をくれたのです。

まずはその転職エージェントがどのような特徴を持つのか、このあたりから話を起こしていこうと思います。

P&Pってどんな転職エージェントか?

今回紹介する転職エージェントはP&Pです。

決して大手ではないものの、他の人材サービスと連携しシェアを拡大しています。

P&Pは、もともとは人材派遣サービスの企業で、数年前に転職エージェント事業も開始しています。

P&Pは既に取引がある企業に対して転職エージェントとしてのアカウントを作ることで済むため、求人を発注する企業の獲得はそこまで難しいものでないです。

また、所属している派遣スタッフが転職者として登録したり、派遣スタッフの口コミにより広げていったりすることができるのです。

サポートの充実

キャリアアドバイザーのサポートも充実していることも特徴です。

P&Pでは、企業の営業担当と求職者の担当が(※)ワンフェイス型の体制を取っています。

そのため、フットワークやサービスの質が落ちることを防ぐために1人のキャリアアドバイザーが担当する求職者は5~10名とかなり絞り込んでいます。

そのため、業務量過多によるサービス品質の劣化を防ぐことが可能となり、企業と求職者のそれぞれ支援を充実させているのです。

この後、私のキャリアアドバイザーのやり取りでもご紹介しますが、P&Pのキャリアアドバイザーは非常に小回りが利きます。

近い将来、大きな転職エージェントとして成長する気がします。

P&Pが得意とするジャンルは業界で言えばIT業界とファッションやアパレル業界、ポジションでは管理職以上を中心に若手層向けの求人もあります。

職種としても全体的な数は多くはありませんが、満遍なく紹介可能な数は担保しています。

ワンフェイス型

転職エージェント1人が、企業側と担当もすれば、求職者の担当もするタイプ。

1人で、企業からの求人内容を把握し、また、求職者の転職条件を把握するため情報のズレがない。

登録から担当者決定まで

P&Pへ登録するためには、まずはホームページ(HP)から求職者自身の個人情報などを入力することが必要になります。

その後P&Pから連絡があり、その担当者が求職者を担当するキャリアアドバイザーとなります。

電話では、後日面談したいため来社してほしいとあります。

なお、たまに聞かれるキャリアアドバイザーの変更対応ですが、P&Pでは限られた人数で転職エージェント事業を行っているため不可となります。

P&Pを利用して転職する際の、登録から全ての工程で費用は一切かかりません。

担当者決定から面談まで

キャリアアドバイザーが決まると次は面談ですが、P&Pは非常に小回りの利く転職エージェントであるため、この面談も三つのタイプに分かれます。

面談の三つのタイプ

  1. P&Pへ直接訪問して面談するタイプ
  2. 電話インタビュータイプ
  3. キャリアアドバイザーが求職者の希望する場所での面談タイプ

どのタイプが基本ということもなく、電話ではどのタイプを希望するか聞かれます。

いくつかの転職エージェントを利用した私としては、転職経験が浅い方や年齢が若い方は直接訪問して面談を受けた方が良いと思います。

転職エージェントの仕組みなども丁寧に教えてくれますので。

当時の私は既に複数の転職エージェントを利用していましたし現職で時間の確保が難しかったので、私の現職の近くまで来てもらっての面談を希望しています。

面談で持参するもの

  • 履歴書(データとペーパーの両方)
  • 職務経歴書
  • 履歴書用写真

データについては、面談後でも提出は構わないとのことでした。

面談では実績数値も含めた細かいヒアリングがあるので、転職条件や自己分析結果も準備した方が良いと思います。

キャリアアドバイザーからも、それらを準備するよう言われました。

実際の面談内容

電話で面談の日程を調整して後日の面談となるのですが、私の場合は職場近くの喫茶店で待ち合わせをしました。

ランチ時間を利用しての面談でしたので時間にして1時間程度です。

直接訪問しての面談に比べるとやや短いです。

キャリアアドバイザーは要点をしっかりまとめてくれていたため、スムーズに進行しました。

面談のはじめに、転職エージェント利用の同意書と個人情報保護の同意書にサインをします。

その後、私のこれまでの職歴紹介、キャリアアドバイザーからのヒアリング、求人紹介という流れになります。

キャリアアドバイザーのヒアリング内容

  • 現在の転職状況と転職エージェント利用数
  • これまでの経験を今回の転職でどのように活かしたいか
  • 周りから言われる私の長所と短所
  • 私自身の長所と短所
  • これまでの仕事での成功体験と失敗体験
  • 現職の入社理由と退職(希望)理由
  • 転職の諸条件(会社規模、職種、勤務地、年収、労働時間などの労働環境)

この他には、具体的な実績背景のヒアリングがあります。

周囲の環境がどのように求職者の実績に影響を与えたか把握したいのだそうです。

P&Pの求人紹介

P&Pからの最初の電話で転職希望条件を聞かれていたため、キャリアアドバイザーはその内容をもとに求人を持ってきていました。

内容的には若干ズレているものもありましたが、電話だけで用意してくれたのですから私としては十分でした。

私の場合、面談の場で紹介してもらった求人数は8社です。

基本的には当時、私が希望する職種だけを持ってきてくれました。

P&Pは先述の通り、ワンフェス型のサポートであるため企業の特性や業務内容など、キャリアアドバイザーが細かい部分まで把握しているため、求職者である私からすると判断材料が多く助かりました。

求人には記載していないその企業の特徴も教えくれるので、情報収集する時に非常に便利です。

面談後のP&Pとの連絡は主にメールとなります。日程調整や求人紹介も同様です。

面談後に早くも新規の求人紹介があり、8社に加えてさらに4社がありました。

応募求人への手続きに際して

検討の結果、応募する企業の連絡をするとキャリアアドバイザーは再度打ち合わせを依頼してきました。

募集背景の共有はもちろん、レジュメの添削もあったからです。

レジュメは、キャリアアドバイザーと求職者が一緒に作りその場で完成させるイメージです。

ランチ時間を利用して現職近くまで3度来てくれましたし、非常に良心的なキャリアアドバイザーでした。

添削の際、選考難易度が高い求人については個別に新たに履歴書と職務経歴書を作成したりする姿勢に感動したことを覚えています。

P&Pの書類選考

結局P&Pから12社の紹介があり、そのうち6社の応募を行いました。

他の転職エージェントよりも書類選考の通過率は高かったように思います。

12社のうち4社が書類選考通過していたからです。

一般的には1割~2割の通過率となる書類選考ですから、満足のいく結果です。

ただ、P&Pでも書類選考の通過率は決して高いとは言えないようです。

「他のキャリアアドバイザーの場合はもう少し率が下がるかもしれませんが、一般の平均よりは高いことは保証できます」とキャリアアドバイザーが言っていました。

書類選考で一度見送りになった場合でも、キャリアアドバイザーが親しい企業であれば再選考もあり、その結果通過することもあります。

また、P&Pに絶対的な信頼を置いている企業の場合は稀に書類選考なしの場合もあるとのことです。

選考から内定を勝ち得るまで

書類選考を通過すると、全ての企業で面接前に適性検査がありました。

P&Pが保有している求人の多くは適性検査があります。

そのため、キャリアアドバイザーは日頃から自分でも適性検査で出題される問題を解いていて、解き方やコツを丁寧に教えてくれます。

このサービスは強みの一つとなりますので、求職者から相談がなくともキャリアアドバイザーから声を掛けてくれます。

事前に結構な量の問題を解いていたため、選考の適性検査の結果3社の通過となりました。

苦手な私としては上出来です。P&Pでなければどうなっていたかなと思うぐらい丁寧に適性検査対策をしてくれました。

その後3社の面接を受けましたが、ここもP&Pの特徴があります。

全ての面接にキャリアアドバイザーが同行してくれるのです。
面接前に企業の方と軽い打ち合わせをして、求職者のアピールもしてくれます。

面接が終わるまで待っていてくれ、面接の結果をすぐに共有できたり、手応えを共有しP&Pが迅速に企業へ後押ししてくれたりします。

そういった支援もあり、3社のうち2社で内定が出ました。

このような背景があるため、P&Pでは面接後の電話は義務とされません。

面接前に面接練習も含めて質問事項を事前に共有してくれるサービスもしっかりとあります。

また、P&Pから同一の企業に複数の求職者を紹介することもありません。

先着順で、その求職者が見送りになったら次の求職者を企業へ紹介する段取りです。

内定後の入社条件の調整

2社の内定企業のうち1社はすぐに辞退しましたが、もう1社は他の転職エージェントから出た内定企業と迷うところもあり、条件交渉をお願いしています。

先述の通りP&Pは企業と直接やり取りするスタイルであるため、交渉も有利に進めてくれました。

入社条件の交渉の結果、その企業からはとても良い条件を頂きました。

これから転職エージェントを利用する方には、日頃から企業との連携が強く行われている転職エージェントをお勧めします。

転職エージェントを利用すると年収が上がるということを聞いたことがあると思いますが、それは転職エージェントによります。

P&Pでは、年収面については、半分以上の方が上がる実績があるそうです。

内定後、また、内定辞退について

他の転職エージェントも複数利用して転職活動していた私は苦戦していたものの、P&Pからの内定も含めると確か5、6社の内定はあったと思います。

ここで、私がP&Pから頂いたアドバイスです。

転職活動の成功の秘訣として、冷静な思考で企業を見極めるためには内定企業数は複数のほうが良いです。

1社だけですと入社するかどうかの判断基準が曖昧になり、転職したとしても早期退職のリスクもあるためです。

結果的に迷いましたが、P&Pからの内定は辞退しました。

この結果にキャリアアドバイザーは残念と言いますか、もったいないと言っていました。

これは無理な押し込みではなく、内定を辞退した企業は当時伸び盛りで、キャリアアドバイザーはこの企業は絶対伸びると断言していたぐらい良い企業だったためです。

今となっては超有名な企業になっていますし、今考えるとあの企業に入社しておけばと思うぐらいです。

P&Pはその企業が伸びるかどうかも受注する判断材料としていますので、ブラック企業やそれに近い企業の求人は一切ありません。

中には、ブラック企業と分かって利益欲しさに求職者を紹介する他社の転職エージェントを知っていますが、こういった点は少数精鋭で小さい規模でも確実に転職エージェントとして成長しているP&Pらしさだと思います。

またP&Pは企業の方と非常に親しいため、懇親会を当たり前のように実施してくれるそうです。

内定をどうしようか悩んでいる方は、このサービスを積極的に利用した方が判断材料を増やすのが良いと思います。

パソナキャリアは絶対登録すべき転職エージェント

P&Pは決して多くの求人数を抱えている訳でもなく、大きな転職エージェントではありません。

しかし堅実であり、求職者視点に立つきめ細かい支援は高い水準にあると思います。

転職活動にはいくつかのフェーズがありますが、その全てで良質なサービスを行ってくれます。

特に若手層や第2新卒の方には、転職とは何か?から具体的に教えてくれたり、場合によっては「今は、転職はせずに情報収集で当社を使ってみては?」という意見もくれたりします。

私の部下がP&Pに登録した際、実際にこのようなことを言われたそうです。

転職をお考えの方は、求人数からP&Pだけの利用は控えた方が良いですが、大手とP&Pだけの登録でも転職成功に十分近づけると思います。

最後に、皆さんの転職成功が早期に実現することを祈り、今回はこれで終わりにしようと思います。

この記事の筆者

小玉 崇(仮名)
1975年生まれの40歳。

人材業界にて転職者の支援に一貫して従事。

転職者に常に寄り添う事をモットーに、転職後のフォローも行いながら、これまで数百名の転職者を支援。

特にIT業界やベンチャー企業へのパイプが強みとしながら、現在も初心を忘れず人材業界で日々、精進中。

人材業界は経済の波に左右されやすい業界であるため、先を見ながら転職者のエージェント活動を行っている。

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