ビズリーチを利用してみた(転職エージェントプロが語る)
今回ご紹介するお話は、私が自分の市場価値を認識するために、ある転職エージェントを利用した体験談になります。
積極的に転職を目的にする方にも十分価値のある内容をお話しますので、最後までお付き合いください。
今回の記事の目次
ビズリーチってどんな転職エージェント?
転職エージェントの運営形態には、通常の転職エージェントとヘッドハンティングがあります。
皆さん、どちらもご存じかと思いますので説明は割愛しますが、当時私が登録した転職エージェントは、ビズリーチというどちらの機能も併せ持つ転職エージェントでした。
どちらかと言えば、ヘッドハンティング型の方が機能として認知度が高いです。
ビズリーチは他の転職エージェントと異なり、ヘッドハンティングの機能が有料サービスとなっていす。
有料にすることで、会員になった求職者へ定期的にコンサルティングを含めた情報提供を行うのです。
通常の転職エージェントにもこういったヘッドハンティングのサービスはあるように思いますが、質が全然違います。
有料である理由
管理職以上をターゲットとした転職サービス
ビズリーチのヘッドハンティング型が有料である理由は、管理職以上の求職者層に絞ったサービスであるためです。
そういった求人は通常の転職エージェントには出回らず苦戦することが多いため、有料サービスとして提供しているのです。
もちろん、管理職以外の層でも有料サービスへの登録は可能ですが、その場合は通常の転職エージェントで十分転職可能だと思いますので、お勧めはしません。
市場価値の確認
この有料サービスは月額数千円程度で利用することができますが、市場価値の確認という意味で利用することもできます。
市場価値を確認する中で、思いの外、この会社に入りたいという思いになることがあります。
市場価値を確認する情報収集の過程で、世の中でどのような企業が採用を行っているのか把握し、自分は転職できるという自信がつくからです。
逆に、市場価値を確認し、今は転職を目的に転職活動しても結果は難しいなと思えば、転職活動しないという判断もできます。
プロのサポート
ビズリーチは専属のヘッドハンターが多く登録していて、プロの視点で転職支援や求人紹介があります。
ビズリーチのヘッドハンターが保有している求人は、独占的な場合が多いです。
その方々は各企業の経営者とのパイプを持っているため、人事を通さずに求人を仕入れることができます。
登録からサービス説明ガイダンスの日程確定まで
まず、登録はビズリーチのホームページから行います。
そこから個人情報などを入力するのですが、まだここでは費用は発生しません。
その後ビズリーチのスタッフからまずは一度面談しますと連絡がありました。
面談は夜遅くから対応してくれることはないですし、他の転職エージェントのような電話インタビューや社外での面談もありません。必ずビズリーチ社内で行います。
この点では、あまり融通がきくとは言えないかもしれません。
サービス説明の内容
後日、指定の日時にビズリーチへ訪問しましたが、非常にオシャレなオフィスでした。
個室で女性スタッフが簡単なあいさつの後、サービス説明をしてくれました。
説明の内容は、
- 有料である
- 通常の転職エージェントサービスよりもクローズ情報が多い
- プロのヘッドハンターが担当する
というものでした。
利用期間は1カ月単位で決めることができて、サービスを途中で辞めることも可能です。
その場合は、利用解除の数日前までに連絡することとなっています。
費用には二つのパターンがあります。
年収750万以下の転職を希望する求職者 | 月額3,000円 |
年収750万以上の転職を希望する求職者 | 月額5,000円 |
支払い方法は口座振替とクレジットカード払いが用意されていました。
私は後者を選択して、毎月5000円の月額費を支払う契約書にサインしています。
その後はサービス開始の登録面談を行う担当者から連絡があり、あらためて面談という流れになります。
通常の転職エージェントと比べて、面談の工程が一つ多いです。
実際の面談内容
サービス契約を済ませると、初日に面談からスタートできるよう案内があります。
その初日の面談から費用が発生します。
私の担当は若い男性の方でした。
面談のスタッフは会員から選ぶことはできないようになっています。
面談前の電話であらかじめ履歴書と職務経歴書を送信するよう言われており、ヘッドハンターはその情報を確認して面談の構成を考えていたようです。
ヘッドハンターによっては外資系企業への強いルートを持つ方もいますので、その場合は英訳の履歴書と職務経歴書を用意する必要があります。
面談内容の大まかな流れは、担当の自己紹介と実績、どのようなルートに強みがあるのか紹介があり、私のこれまでのキャリア紹介、担当者からのヒアリングといったものでした。
ヒアリングの内容
- ビズリーチの有料サービスへ登録した目的
- 想定している転職活動期間
- 人生における仕事の立ち位置
- 学生時代に取り組んだこと
- 転職で得たいこと
- 自分の長所と短所
- 現職の入社理由と退職(希望)理由
- 転職の諸条件(会社規模、職種、勤務地、年収、労働時間などの労働環境)
人生について聞かれるような深い質問が多かったです。
結果よりもプロセスや背景を多く聞かれました。
レジュメの書き方についてもアドバイスがあり、より具体的な数字実績を短期間ごとにまとめることを勧められました。
それと会員ごとに求める情報が違うため、どのような内容を特に必要とするかも聞かれます。
この部分はサービス利用期間中に変更することも可能だそうです。
確かにヒアリング内容は細かく、ビズリーチの経歴や実績紹介は優秀だなと思いました。
ただ、全体的な面談内容としては通常の転職エージェントが行うヒアリングとあまり変わらないように思いました。
面談の進行や内容には若干当たり外れがあるのかなと思います。
ビズリーチの求人紹介
ビズリーチでは、各ヘッドハンターが抱える求人をメールで紹介されます。
社名非公開のものをありますし、公開されている求人もあります。
興味があったら求人に記載されているヘッドハンターへ連絡して、具体的な紹介という流れになります。
この場合、社内・社外・電話のいづれかで面談をすることになります。
内容はどれも変わらず、メインは求人の具体的な情報の共有です。
ビズリーチでは抱える求人がヘッドハンターに帰属しているため、複数のヘッドハンターとの面談が必要になります。
ただ、会員の多くは複数の企業を同時に応募せず、1社に注力して結果が悪ければ次というスタンスのようです。
ヘッドハンティング型は通常の転職よりも人選のプロセスを踏むため、急ぐ必要はないです。
逆に、ヘッドハンターから声をかけられることも多くあります。
会員によっては、こちらのタイプを期待した待ちの姿勢でいる方も多いようです。
転職活動ではなく、市場価値の確認や情報収集を目的としているため、現時点では転職する意思がない人が多いのが理由です。
応募求人への手続きに際して
私は、紹介されたものと声を掛けてもらった求人の中から4社ほど応募してみました。
応募は各ヘッドハンター経由での応募手続きでした。
求人によってはビズリーチ経由の場合もあるようです。
書類選考がある場合とない場合
4社の応募手続きを行いましたが、そのうちの2社はヘッドハンターからお声掛けいただいたため書類選考はありませんでした。
ヘッドハンティング型の場合は企業がヘッドハンターを信用しているために、書類選考をしないことが大半です。
ちなみに、書類選考があった場合の通過率は特に高くありません。
書類選考がある場合はこちらから応募依頼しているという形になるため、一般の転職と違いがないからです。
ビズリーチは、優秀な求職者と優良な求人の架け橋になるようなサービスになっています。
ですので当時の私は、求人紹介から面談、選考後までただサービスを受けているような感覚でした。
私の書類選考通過は4社のうち2社と通常よりは高い選考通過率でしたが、有料ならもっとメリットがあって良いのかなとも思いました。
ただ、有料会員の大きなメリットは市場に出ない求人の紹介や、ヘッドハンターとの接点にあるため、ある程度は納得しています。
選考から内定を勝ち得るまで
2社の書類選考通過の内訳は、私からヘッドハンターに連絡したものが1社と、ヘッドハンターから声掛けがあったもの1社です。
先述の通り、片方に書類選考はありませんでした。
ヘッドハンターからお声掛けいただくのが、ある意味書類選考ですので。
ビズリーチ経由の求人は、面接回数が多かったり適性検査を選考に取り入れたりする企業が多いです。
私が応募した4社ともこういった特徴がありました。
また、ヘッドハンターからの声掛けの場合は面接というよりも、社外で食事をしながら面談のような形式をとることがあるのも特徴です。
サポート面はヘッドハンターがどれも優秀で、有料の価値があったように思います。
情報提供料が膨大であるため、市場価値を見極める目的で登録する方は、自分の血肉にできると思います。
ヘッドハンターが面接に同席する場合もあり、しかもオブザーバーではなくその場でフォローしてくれたり、アイスブレークで面接の場を温めてくれたりもします。
企業との信頼関係がしっかりしているからこそできることではないかと思います。
内定後の入社条件の調整
結果的に1社から内定をいただきました。
選考期間が3カ月ほどと結構長く、その間に7回程面接があったと思います。
そのようなプロセスを経て内定をいただいたため私としてはやり切った感があり、当時の本来の目的が揺らぎ入社もよぎりました。
そのため、すぐに辞退するということはなくヘッドハンターに入社条件の交渉をお願いしたのです。
通常の転職エージェントだと、入社条件の交渉はしてくれますが、それぞれ得意不得意があり、サービスを受ける側からするとばらつきを感じます。
しかし、ヘッドハンターの場合は取引企業の経営者からのダイレクトの求人のため、ばらつきはないようです。
私の友人も10人ほどビズリーチで内定後の条件交渉を経験していますが、全員が満足と言っていました。
結果的に私の労働条件は上がり、条件通知書をいただきました。
内定後、内定辞退について
内定を承諾するか迷った場合、懇親や判断材料の提供ということで、ヘッドハンターが会食の場を手配してくれます。
迷われている場合は、ぜひこの支援を活用した方が良いと思います。求職者の費用の負担はないので。
最終的に、私は「自分の市場価値を認識するため」という本来の目的を思い出したこともあり内定を辞退しています。
有料会員の場合、内定後の辞退は本人の意向に任せられています。
ただ、ヘッドハンターが自身の立場を考えて強く入社を勧めてくれる場合もあるようですので、そこはご注意された方が良いと思います。
ビズリーチはどのような目的の求職者にも良い!
今回はヘッドハンティング型の機能をメインに紹介しましたが、ビズリーチには通常の転職支援サービスもあります。
また、年齢が若い方から50歳以上の方まで登録に条件はありません。求人も豊富にあります。
情報提供量が多く質も高いために、市場価値の把握という目的で登録する求職者にも大きなメリットがあると思います。
ビズリーチは後発的な転職エージェントですが、他の転職エージェントとの差別化ができていて登録者が急増しているため、企業からすると求人を発注しやすくなっています。
最後になりますが、皆さんが有益な情報をもとに転職成功するよう祈り、今回はこれで終わりにしたいと思います。
この記事の筆者
小玉 崇(仮名)
1975年生まれの40歳。
人材業界にて転職者の支援に一貫して従事。転職者に常に寄り添う事をモットーに、転職後のフォローも行いながら、これまで数百名の転職者を支援。
特にIT業界やベンチャー企業へのパイプが強みとしながら、現在も初心を忘れず人材業界で日々、精進中。
人材業界は経済の波に左右されやすい業界であるため、先を見ながら転職者のエージェント活動を行っている。